異世界子ども食堂：通り魔に襲われた幼稚園児を助けようとして殺されたと思ったら異世界に居た。

第6話：スリークオーターエルフ

　エルフは約束通りこの世界の事、近くにある国の事を教えてくれた。

　ただ、エルフにも事情があって、知らない事も多かった。

「私はハーフエルフとエルフの間に生まれたスリークオーターエルフだ。

　ハーフエルフの母は、汎人族に襲われた祖母から生まれた。

　母は汎人族の国に行けばドレイにされる。

　エルフの世界に行けば忌み子として殺される。

　だから祖母は、母と２人、この魔境の中で暮らしていた」

　もの凄く重い話で、普通の１４歳だと受け止め難いだろう。

　だけど、両親を亡くして子ども食堂に通っていた僕は、不幸を背負わされた子供たちの話をたくさん聞いている。

「母は、母の事情を気にしない心の広い父とここで知り合い、私が生まれた。

　私は、祖母と両親にここで育てられた。

　祖母と両親が私を守って死んでからは、１人で生きて来た。

　この魔境の外の事は、祖母と父から教わった事しか知らない」

「何年１人で暮らしてきたのですか？」

「はっきりとした事は分からない、５０年なのか１００年なのか分からない。

　ずっとこの魔境で暮らしてきたから、年月なんて気にした事もない。

　エルフの寿命は１０００年を超えると聞いている。

　スリークオーターの私は７５０年生きるかもしれない。

　１００年も生きられない汎人族とは生き方が違うのだ」

　この世界の師匠になってくれたスリークオーターエルフはコンスタンティナと名乗ったが、人間とエルフの悪い所に苦しめられた人生だったようだ。

　僕のような半人前がしてあげられる事など何もない。

　それでも、何かしてあげたいと思ってしまう。

　何もできないけど、追い出されるまで側にいようと思った。

「僕に加護を与えて下さるオキナガタラシヒメノミコト様、美味しく食べられる肉を手に入れられるように強い身体にしてください【身体強化】」

　何を置いても飲み物と食べ物を確保しないといけない。

　たぶん、スポーツドリンクだけ飲んでいても生きて行けると思う。

　だけど育ち盛りの僕は、美味しい肉をお腹一杯食べたい！

「僕に加護を与えて下さるアマテラス様、狩ったイノシシを美味しく食べられるように解体させてください【調理】」

　アマテラス様のお陰で、イノシシのどこをどう切れば良いのか分かった。

　どのような料理法でどれくらいの味付けにすれば良いのか分かった。

　どの香草や香辛料を使えば美味しくなるかも分かった。

　僕の観たアニメだと、エルフが菜食だという作品も有れば、人間と同じように肉も食べるという作品もあった。

　この世界のエルフは菜食なのだが、スリークオーターエルフのコンスタンティナは肉も美味しく食べられるので、俺の料理を美味しいと言ってくれた。

「僕に加護を与えて下さるアマテラス様、狩ったイノシシの皮から生活に必要な道具や革製品を作らせてください【革細】」

　僕は何も知らなくて、毛皮を革に加工しなければいけないのも知らなかった。

　普通なら何も分からなくてできないはずの事が、アマテラス様の加護のお陰で、時間と手間をかければ作れるのだから、心から有難く思う。

「僕に加護を与えて下さるアマテラス様、汎人族の国に行ってもおかしくない服を作らせてください【機織】【裁縫】」

　僕が自分からコンスタンティナさんを見捨てて人の国に行く事はない。

　でもコンスタンティナさんが本気で出て行けと言った時のために、直ぐに出て行けるようにしておかないといけない。

　魔境に生えている草を集めて乾燥させ、糸のようにした

　その糸を、木工で作った棒を使って布に編めるのだから、魔法様様だ。

　ドレイとして与えられた粗い布よりも丈夫できれいな良い布が作れた。

「僕に加護を与えて下さるウカノミタマ様、機織りに必要な草と美味しい草木を豊作にさせてください【豊作】」

　多くの願い事を聞いてくださるアマテラス様、のどが渇くたびにスポーツドリンクをお願する３人の水神様、身体を強くするオキナガタラシヒメノミコト様たちには、毎日何度もお願いしている。

　だけど、ウカノミタマ様にお願いする事が少ない。

　神様を差別するような事になってはいけないので、意識してお願いした。

　服を作るための植物やワラ細工の原料を作ってもらった。

　結構な量の魔力を使う事になったが、１年に１度しか収穫できない植物を、瞬く間に成長させてくれるのだから、魔法ほど便利なモノはない。

　師匠になってくださったコンスタンティナさんにも、何年も保存できる穀物を渡す事ができるので、もの凄く有難い。

「僕に加護を与えて下さるオキナガタラシヒメノミコト様、美味しく食べられて武器の材料にも使える魔獣を狩れる強い身体にしてください【身体強化】」

　僕の持っている武器は、ドレイを監視していた奴から奪った３本の鉄剣だけだ。

　コンスタンティナさんが使っているような、魔獣の素材から作った強力な弓矢や剣が欲しかった。

　鉄の矢じりよりも貫通力がある、フロストウルフやフロストタイガーの牙を使った矢や、もの凄く早く強い矢を射られる弓が欲しかった。

　鉄剣よりも貫通力のある突き専用の剣も欲しかった。

　コンスタンティナさんの弟子にしてもらって９０日目、恐れていた事を言われてしまった。

「そろそろここを出て行きなさい」

「田中翔平の能力」

「パラメーター１：基本設定」

種族：汎人族

性別：男

年齢：１４歳

体格：並

容姿：並

祝福：３９回

「パラメーター２：能力」

筋力　：４９：筋力に関する適性で物理な攻撃や防御、力仕事などに影響

体力　：４９：持続力に関する適性でスタミナや耐久力などに大きな影響

知力　：４９：知性に関する適性で魔法の習得速度や成功率に大きな影響

精神力：４９：精神に関する適性で魔力、精霊力、魔法力などに影響。

器用　：４９：器用さに関する適性で命中率、素早さ、特殊能力取得などに影響

魅力　：４９：好悪に影響して精霊魔術の習得や成功率、交渉の成功率に影響

信仰心：４９：信心に関する適性で神聖魔術の習得や成功率などに影響

「パラメーター３：魔術属性」

陰属性：４０：

陽属性：４０：

木属性：４０：

火属性：４０：

土属性：４０：

金属性：４０：

水属性：４０：

「パラメーター４：スキル」

調理師：　５９：生物素材加工の能力と適性、調理の能力と適性

審美眼：　４４：価値を見定める目と適性。

鑑識眼：　４４：能力を見定める目と適性。

剣術　：　３４：剣を使う能力

木地師：　２６：木工細工の能力

革職人：　２６：革細工の能力

農夫　：　２６：農耕能力

鍛冶師：　１２：金属を加工する能力

「パラメーター５：感覚力」

視覚：　４９：目に映るものを判別する能力と適性。

音覚：１３９：音を判別する能力と適性。

触覚：　４９：触れたものを判別する能力と適性。

味覚：１３９：味を判別する能力と適性。

嗅覚：１３９：匂いを判別する能力と適性。

六感：１１２：魔力などエネルギーを判別する能力と適性

「パラメーター６：神与スキル」

鍛冶：　４４：金属素材加工の能力と適性

裁縫：　４４：繊維素材加工の能力と適性

革細：　４４：動物素材加工の能力と適性、皮革加工の能力と適性

木工：　４４：植物素材加工の能力と適性、木材加工の能力と適性

彫刻：　４４：鉱物素材加工の能力と適性、石材加工の能力と適性。

錬金：　４４：金属素材加工の能力と適性、金属素材錬成の能力と適性

調理：１３９：生物素材加工の能力と適性、調理の能力と適性。

魔法：１３９：魔法の能力と適正

異神眼：１３９：全てを見定める目の能力とその適性。

「パラメーター７：特記事項」

神運：神々からの寵愛を受けているとしか思えない幸運

地球での善行によって異世界神のお気に入りとなっている。

異世界での能力値が１００倍になる補正が働いている。