第11話 新たな決意

父が亡くなってからも、仕事は充実していた。

責任のある立場にもなったし…

でも、私は知識が無いことに悩んでいた。

保護者と責任ある立場で話をするのに、もっと知識を獲たいと思った。

ま、会社が不正をしていたから、それがバレたら私は終わってしまう。

それが怖かったというのもあるが…


考えて…

新たな挑戦をすることにした。

それは、福祉系の大学に行くこと。


でも、私は高校中退…

その前に、高校を卒業しなければ大学には行けない。

今更…高校に行く?

定時制?通信制?

それで、行きついたのは高校卒業程度認定試験だ…


まず、あの人に

「会社を辞めて通信の大学に行こうと思う」

と言ったら驚いて…

「すごい大変だと思うよ。通信って続かない人が多いって聞くよ。高校卒業程度認定も簡単じゃないでしょ。大丈夫なの?」

と言われたけど…

頑張ると話をすると…

「それだけ考えているなら、応援はする」と言ってくれた。


二男に

「お母さん、大学に行こうと思う。その前に高校卒業なんだよね」と話すと

「今日、まさに学校で年を取ってから高校に行った人の映画を見た…母さんも行くの?」と驚いたように言って来た。

「いや…流石にこの歳で今更高校の制服は着れないよ」と笑って言った。

「高校卒業程度認定試験を受けようと思う」と言うと

二男は「母さん、分数分かるの?」

私は「分数…分数ってどうやって計算するんだっけ?」

言われてみれば…

私は、中学ではロクに勉強していない…

数学なんてルートから教科書を開いてなくて、高校受験の時に焦って勉強したぐらいだった…

でも分数は小学生だけど…

覚えていない…

私は気付いた。バカだったことを…

その日、二男に分数を習った。


それから…色々調べて、高校卒業程度認定の学校に行こうと思い、その学校に話を聞きに行った。

すると…大変かもしれないけど、3か月後の試験も受けた方がいいと言われた。

受かる教科があれば次が楽だと…

それと、もし11月の試験に落ちてしまっても単位を取れば合格になる。

でも2県隣の学校まで行って泊りがけで単位を取ることになると聞いた。


会社に訳を話して辞めたいと言った。

社長は「困るけど決意が固いなら仕方ない引継ぎをしっかりしてくれたらいいよ」と言ってくれた。

一緒に働いていた友達は

「大学卒業するのって何歳なの?本当にいいの?」

と怒り気味だったけど…

結局は、応援すると言ってくれた。


私は、会社で給与や経理の仕事もしていたから、すぐ辞めることが出来ないので

引継ぎ期間を長くしていた。

それから、仕事をしながら

夜、勉強をするという生活が始まった。


最初の試験は

現代社会・国語・英語・数学・科学と人間生活の5教科だった。

今回は、英語は諦めよう。

数学を中心に勉強した。

本当は試験は翌日もあるのだが、仕事は日程的に1日しか休めなかった。


正直、また勉強をすると思ってなかった。

1回目の人生でも、あんなに勉強したのに…

しかも、勉強の事ほとんど覚えていない…


試験当日…すごい緊張した。

試験会場には、思ったより色々な人がいた。

若い子が多かったけど…

制服を着た子、派手な子、オタクっぽい子…

でも、以外にも年齢層が高い人が沢山いた。

結構なお年寄りも…


私は、英語は全く分からなかったので

適当に答えを書いて…11月にかけようと思った。


帰ってから試験の速報で答えが発表されてから

答え合わせをした。

合格は40点以上なのだが…

なんと適当に答えを書いた、英語が40点で合格してしまった。

そしてなぜか…現代社会を落としてしまった…

不安だった数学も合格…

国語と科学と人間生活も合格だった。


残りの試験科目は、4科目…

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