第7話 元夫からの手紙

私は、会社を辞めた…

私の部署の同僚を、会長が辞めさせると動いていることが分かって…

課長が会長に「辞めさせないで欲しい」と直談判に行った。

それでも聞いて貰えず…

会長とも付き合いが長い同僚が、会長に会ってもらおうと思って電話をしたが…

断られ…それをきっかけに課長と同僚の二人も、辞めさせるように異動させられることになった。

結局、三人は退職した…


私とパートの人は会長に呼ばれ、残って頑張って欲しいと言われた。

でも、残る気は無かった…

パートさんも理由をつけて辞めた。

私は、再婚して旦那の仕事を手伝うことになった

ということにして退職したいと告げたが…

引継ぎがあるから3か月待って欲しいと言われた。

一人残され辛かったが、なんとか引継ぎを終えて会社を辞めた…


私は、事務の仕事は歳を取ったら勤められないかもしれない…

と思い、会社にいる間にヘルパー2級を取得した…


週末になると、あの人と家を見に行った。

最初は、遠くでも二男を転校させても安い家を…

と思っていたが、中学3年で転校は可哀想だと話し合って、近くを探していた。


私は、子どもの頃から保育士になりたいと思っていたが、自分が子どもを産むことになってしまった。

子どもに関わる仕事がしたいと思い…

障がいを持つ子どもを放課後に預かる仕事に就くことにした。

オープンから入ることになり…

仕事を頑張りつつ…

あの人と家を探して…ついに家を決めた。


それをきっかけに再婚しようと話した。


引っ越しの準備をしている中…

ポストに見覚えのある字、封筒…

元夫からの手紙だった。

「あの時は本当にすまなかった…(中略)文通をして貰えないか?それと、せめて二男の写真も送って欲しい」

と書いてあった。

確定まで時間が無いので返事は早めに欲しいと…


二男に「お父さんが写真を送ってと言ってきたけど、どうする?」と聞いてみたが…

恐らく、あの人に遠慮したのだろう。

「送らない」と言った…

もちろん、あの人にも手紙は見せて

返事をすると話した。


私は

「再婚することになったので、もうあなたには何もしてあげられません。でも、二男があなたに会いたいと言った時の為に、ちゃんとしたお父さんになっていて下さい」

と書いた…

それを書きながらも…なぜか涙が溢れた…


知り合いに元夫から手紙が来たと連絡した。

すると、元夫はママと離婚していた…

一人になっていると…

結局、一人になっているのか…

罰が当たったんだね…と思った。


引っ越しの整理をしている時に、押し入れの奥から

今まで私が元夫が収監中に送った手紙と

元夫から送られて来た手紙が大量に出て来て…

これまでの歴史を感じて、悲しくなった…


それから、私は引っ越しをして新しい家での生活が始まった。

そして、二男が高校に入る前に入籍して高校に入った時に名前を変えようと

私達は、やっと再婚した。

ここまで7年掛かった…


父たちも乗せてお墓参りに行けるようにと中古の大きな車を買った。

そして、父を家に招待した。

父は本当に嬉しそうで…安心したようだった。

親孝行できたかな…


それから

私は仕事が忙しく…休みには疲れていて

父に会いに行くことが、なかなか出来ないでいた。

年末には一緒にお墓参りをしたのに、父の身体は、いつの間にか弱っていて…

お盆には、一緒にお墓参りに行けなかった。

だから後妻さんと一緒に墓参りに行った後

父の家に行って久しぶりに父に会ったが…


父は、すっかり痩せてしまっていた…

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