第2話フランシスコ講和条約

吉田茂は、サンフランシスコ講和条約の受諾演説をした総理大臣だ。

飼っている犬は3頭。

サン、フラン、シスコと名前を付けた。

吉田茂がサンフランシスコ講和条約の演説に出席するとき、伝説の男、白州次郎を同行させる。

その時、白州は一民間人だが、昔からの仲で信頼していた。

若い頃のジーパンにTシャツ姿は、日本のファッション界に衝撃を与えた。

さて、サンフランシスコ講和条約の受諾演説の文章を演説の2日前に吉田に請われて読んだ白州。

白州はこの文章を読んで、激怒した。

「講和条約と言うものは、相手側と同等の資格で出席するもの。それを占領国に美辞麗句を並べ、相手側と相談し、相手側の言葉で書くバカがどこにいるのかっ!」

と。

急きょ、演説原稿を英語から日本語に直し、外務省は徹夜で受諾演説の内容も書き換えた。

原稿は巻物にされて、長さは30mに及んだと言う。


当日、受諾演説は堂々と日本語で読まれた。

その晩、やっと終わったかと皆でウイスキーを飲んでいたら、白州は号泣したと言う。

晩年、白州次郎はこう語った。


戦後と言うものは一寸やそっとじゃ訪れるものでは無い。

今、声高々に新憲法もデモクラシーも自分たちのモノになったとは言えない。

それが、心から自分たちのモノになったと感じた時、初めて戦後は終わったと言えるだろう。

こう言う人は中々今の政治家にいませんよね。

白州次郎は、新憲法のマッカーサー草案を破棄しなかったのが吉田茂の唯一の間違いだ!と言ったそうな。

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