最終話
「私、湊さんにちゃんとプロポーズしてもらってない…!」
流れで結婚が決まったから…
一生一緒に生きていきたいとか、幸せにしますとか、結婚してください!的な言葉を貰っていない。
「言ってもいいの?そしたらもう、彩花のこと離してあげられないよ?」
そんなの願ったり叶ったりだよを
「離さないでいいよ。だって、私も…湊さんのこと好きだから」
「んぇ?」
驚きすぎて変な声出してる
「ふふ、」
湊さんがそんなに驚いてるところ初めて見た。
「ちょっと待って。え、ほんとに?どういうこと?俺の事嫌いじゃなかったの?」
嫌いだなんて、
「一度だって嫌いって言ったことなかったじゃん」
「いや、それはそうだけど...沢山いじわるもしたのに、酷いことも沢山言ったのに、それなのに、どうして…俺を好き…?」
まぁ、疑問に思う気持ちも分かる。
「まぁ、それはそうなんだけど、」
「すごく疑問なんだけど、前の俺のどこら辺を好きになったの?好きになれるところなんてあった?」
どこら辺…ただ、
「気づいたら好きになってた」
気づいた時にはもう既に、恋に落ちてた。
「…嫌なことした記憶しかないけど、もしかして、彩花ってMなの?」
変な誤解を生んでしまった。
「ち、違うよ!理由もちゃんとある!」
「なに?」
ある。けど、恥ずかしいから言いたくない。
「恥ずかしい...」
「教えて、すごく気になるから」
「…嫌味はすごく言うけど、それでも絶対に手は出さないこと」
「そんなの当たり前でしょ!?」
「もう、最後まで聞いて!」
「はい」
それから、ご飯は残さずに食べてくれるところ。たまに来る仕事の電話に出てる時の湊さんの真剣な横顔。しっかりしてるようで実は抜けてるところ。
「ちゃんと好きだから、大丈夫。湊さんに言って欲しい」
「…好きだよ。愛してる」
「ふふ、私も愛してるよ。私達すごく遠回りしてたみたいだね」
「酷いこと沢山言って、傷つけてごめんね」
「いいよ。その代わり、これからは私の事大事にしてね」
「もちろん。はぁ、もっと早くこうしておけばよかった。すごく後悔してるよ」
「大丈夫だよ」
すれ違って来た期間を埋めるのなんて簡単だよ。
始めるのに遅いも早いも関係ないから。今の私たちなら、きっと上手くいく。
「彩花、」
「はい」
「幸せにします。これからもずっと、俺と一緒にいてください」
「はい。喜んで」
私たちは手を繋ぎ、これからの未来を共に歩んでいくことを誓った。
湊さんの愛と共に、私はどんな困難も乗り越えていけると信じていた。
私の事が大嫌いだったはずの旦那様が記憶喪失になってから、私を溺愛するようになったのですがこれは本当に現実ですか!?〜Season1〜 @hayama_25
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