第42話
「…………美味しかったよ」
ルアが作った料理を食べ終わった私は、ボソボソと小さくだけど、改めてそう言ってあげた。
「良かったです」
……はず、なのに、なんで聞こえてるの。
エルフだから、耳がいいのかな。……だったら、言わなかったら良かった。
「…………これ、あっちに持って行っといて」
そう思いつつ、ルアもちょうど食べ終わったのを確認した私は、そう言って、ルアから顔を見られないようにソファに移動した。
「…………」
直ぐに食器を持っていったルアが戻ってきた……まではいいんだけど、いつもと違って私から離れてる……どころか、さっきまで食事をしていたテーブルの前の椅子に座っていた。
「……ルア、なんで、そっち」
「え? さっきご主人様に隣に座ることの許可を貰えなかったからですけど、また何かダメなことがありましたか?」
私の言葉を聞いたルアは、不思議そうに首を傾げながら、そう聞いてきた。
「……別に、無い、けど、さっきのは、食事の時の話、だから」
「……もしかして、隣に座ってもいいんですか?」
「…………別に、好きにしたらいい」
ルアの方を見ずにそう言うと、その瞬間、ルアはびっくりするほどの速度で飛び込むようにして私の隣に移動してきた。
「……ん」
ちょっと勢いが強くてびっくりしたけど、声に出すことだけは回避した。
声になんて出したら、何か言われそうだし。……ただでさえ、さっきは変な声をいっぱい出しちゃって、それをルアに聞かれてるんだから、これ以上恥ずかしい思いをする訳にはいかない。
「ご主人様、ありがとうございます」
「……ん」
ルアの顔を見るのはまだ恥ずかしい。
そこで、私は思った。
私はご主人様なんだから、さっきの仕返しとして、ルアに同じ事をやってやってもいいんじゃないだろうか? と。
確かにさっき許すと言葉では言ったから、正確には仕返しじゃなくて、お礼? として私もルアーを気持ちよくしてあげるって話だ。
「……ルア」
「なんですか? ご主人様」
私の言葉にルアは笑顔で返事をしてきた。
今からその顔を真っ赤に染めてあげるからね。……さっきの私みたいに、いっぱい辱めてあげるんだから。
もちろん、お礼という形で。
「……そこ、正座して」
「え? せ、正座、ですか?」
「……ん。別に怒る訳じゃないから、早く」
「えっと、わ、分かりました」
ルアは私の言葉に頷いて、ソファから降りて、私の目の前に正座をしだした。
……私としては、ソファに正座をしてもらうつもりだったんだけど、なんで床なの。
いや、奴隷としては正しいのかもだけど、今は違う。
これじゃあ私の方が視線が高くなりすぎて、私がさっきやられたように胸を弄れないでしょ。
……いっその事、足でやってやろうかな。
上手くできるかは分からないけど、足ならルアに私以上の羞恥心を味合わせることが出来そうだし、うん。案がいいいかも。
「……これはご褒美だから、抵抗しちゃ、ダメ、だよ。そこから動くのもダメ、だからね」
「え? は、はい。わ、分かりました」
よし、ちゃんとさっきの仕返しじゃないってことも説明できたし、早くやっちゃおう。
「へっ? ぁっ、え? ご、ご主人様……?」
そう思った私は、まずはつま先でツンっとルアの胸をつついた。ブラを着けてないから、随分と柔らかかった。
その瞬間、顔を真っ赤にしたルアが困惑したように私にそう言ってきた。
ルアを辱めることに成功したみたいだった。
よし、もっとやろう。
「……もう一回言うけど、これはご褒美だから、動いちゃダメ、だからね?」
「そ、それは、う、嬉しいですけど、で、でも、そ、その……こ、これは、へ、変な趣味に目覚──」
「……動いちゃダメ、だからね? 分かった?」
なにか言い訳をしようとするルアに向かって、逃げ場を無くすために言葉を重ねるようにして私はそう言った。
「は、はぃ、ご主人様♡」
すると、観念したのか、ルアは直ぐに頷いてくれた。
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