自殺ゲーム
岸亜里沙
自殺ゲーム
俺は小学生の頃から、
お互い一人ずつ同級生を選び、そいつを自殺させたら勝ちというものだ。
俺が初めて自殺をさせたAには、毎日のように様々な暴言を浴びせ、無理矢理全裸になるよう強要したりもした。
今となってはかなり問題にもなるだろうが、一昔前はいじめなど知らぬ存ぜぬで
実際、学校では優等生の仮面を被っていた俺と
そもそも学校側も、いじめの有無を調査している暇もないので、生徒指導の改善をするなど聞こえの良い事を述べ、自殺を
小学校時代は、
その後、高校時代にはお互いに一人ずつを自殺させる事に成功し、通算で俺の三勝二敗だ。
大学は、お互い別の大学に進学した為、この自殺ゲームは俺の勝利で幕を下ろすはずだったのだが、この前、
「よお
「ぶっちゃけ退屈だな。可愛い
そう言って俺は笑う。
「お前の理想が高すぎるんじゃねか?」
「ところでよ、あの自殺ゲームってどうなった?」
急に
「ああ、あれは俺の勝ちだろ?三勝二敗だからな」
俺は誇らしげに答える。
「そうか。そうだったよな・・・」
「なんだ、どうしたんだよ?」
俺は
「実はよ、今、俺が大学でいじめを受けてんだよ。情けねえよな」
「マジかよ?相手は誰だ?」
「同じ大学の先輩だ。柔道をやってただけあって、
「大学に通報したらどうだ?なんか対応してくれるんじゃねえか?」
「どうだろうな。だけど先輩の報復が怖くて・・・」
「ならよ、俺がその先輩を自殺させてやるよ。そうすりゃ、もう何も問題はなくなるな」
「考えたんだけどよ、これって俺たちが今までしてきた事の罰じゃねえかなって。因果応報ってやつ」
「何言ってんだよ、
「最近さ、俺がいじめられるようになってから毎晩のように、俺が殺した二人が、窓から覗いているんだよ。不気味に笑いながらな」
「そんなの気のせいだ。それに、お前が殺したんじゃないだろ?」
「
「やめろ。そんな話は聞きたくねえよ」
「なあ、窓の外を見てみろよ。お前が殺した奴らがきっと覗いてるぜ。あっ、くそ。また俺の所にも・・・あいつらが」
「おい、
その時、窓の外で不協和音のような耳障りな物音がし、俺は
そして見知らぬアドレスから、謎のメールが届く。
メールの文章は、短い内容で『お前に殺された。償え』とだけ書かれていた。
「違う。俺じゃない・・・・・・」
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