思想と思惑
鮎田 凪
1.矛盾を愛せる人に。
-私は人の不完全な部分を痛く愛している。-
目が覚める。寝覚めは良くない。
ある意味いつも通りで安心するのは、熟睡しきって正午に起きた経験があるからだろう。
目を擦りながら薄く淹れておいてある珈琲を啜る。
両親は数年前に離婚していて、母は4時から仕事に出ている。
今更文句などないが強いて言うのであれば朝は起こしてほしい。
珈琲を飲み干して温度低めのシャワーを浴びる。
シャワーを浴びながら自分の頭を整理するのが日課であり、自分と向き合いながらぼーっとできる大切な時間だ。
-そんなわけないのに、永遠を騙る。よくみる光景だ。ずっと好きだと言ったクラスの彼は2か月後には分かれていた。嘘つきであるはずなのに、一般的だと受け入れ共感される。実に歪だ。-
シャワーからあがり、整髪料をつける。
制服のシャツは第二ボタンまで開ける着崩したスタイルだ。
とても面倒で、本音を言えば寝る時間に割きたい。
これだけ偏った考えを持ちながらこうして人の目を気にしている自分が哀れで笑える。
-私は人の不完全な部分を痛く愛している。-
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