名前をつけよう 2

 なら、いちおー本当にジェンダーレス金魚として…ワイはこの金魚に、オスメスいずれにも使えるような名前をつけることにした。


 いかな金魚とはいえ、またご時世的にも配慮して、である。


「う〜ん…そうだな〜…う〜ん…じゃあ、そうそう…金魚の『キンちゃん』っていうのはどうかな」


 むおっ、ワイがそう言うやいなやキンちゃん(仮)が、なにやら急浮上、

 

 バシャッバシャッバシャッ…!


 と、その尾ビレでもって激しく水面を打ち始めたぞッ。

 

 あ、なるほど。さっきとは違って、この憤りを込めたような激しさは…そう、これは不満を表す行動に違いない。きっと。


 ふ〜む、やっぱキンちゃんじゃダメか。実はワイも、そう思ってたんだけどな。うん。


「…じゃあ…サンタナ…じゃなくって(尾ビレのイメージから)『ひらり』というのはどうかな」


 おっ、そこで今度は、打って変わって穏やかに。ひらり(仮)ときたら、その尾ビレを優雅に振り振り近づいてくるや、なにか訴えるように口をパクパク動かし始めた。


 ふむ、その様子…悪くはないが『もう一声』って言ってる感じだな…って、なんだかエラソーだわい、金魚の分際で。


 とまあ、それはさておき…

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