33話
腕を組み難しい顔をするマスターを、受付二人が見つめる。
「この場所を知られたから、処分するつもりなのか?」
「メリッサを当てるってことはそういうことでしょ。この鬼ジジィ」
マスターが溜息を吐き、首を横にふる。
「お前達が彼女をその気にさせたからだぞ? 私は巻き込みたくなかった」
「はぁ? 私達のせい?」
「自慢したくて下に連れてきたマスターのせいだろ」
「そーだそーだ」
ワーワー騒がしい二人を無視しつつ、マスターはメリッサと対面して尚、笑みを浮かべている謎の少女をジッと見つめる。
……認めよう。口では何と言おうと、店に入ってきた時、一目見た時から、私は彼女の才能に惚れている。
「……この戦闘を見てしまったら、私は彼女を合格にせざるを得なくなるだろうな」
「は? 合格?」
「二人共見ておきなさい。世界は私達が思っているよりも、随分と広いらしい」
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