経済史
人類の経済の歴史を、十八世紀から十九世紀にかけて欧米諸国が大きな富を築いたことに注目してまとめてみる。
欧米諸国が大きな富を築いた理由は何だったのか。文芸復興(イタリア・ルネッサンス)、大航海時代、近代科学、市民革命、帝国主義、さまざまな原因が候補にあがる。しかし、経済史の分析において、欧米諸国が大きな富を築いた原因ははっきりしている。それは、1800年におけるワットの蒸気機関の改良において、つまり、産業革命においてである。
ルネッサンスは、文化としては面白いかもしれないが、大きな富を築くほどではない。ダ・ヴィンチやカラヴァッジョの絵画を見るより、町娘を見た方が楽しいかもしれない。
大航海時代によって、スペインはインカ帝国を征服した。それによって、大きな富を築いたのか、それは私にはわからない。
近代科学。地動説や細胞の発見はヨーロッパ人に対する尊敬を生み出しただろう。しかし、大きな富を築いたりはしない。
市民革命。フランス革命は、搾取される農民を救おうとしたものだ。民主主義を手に入れたヨーロッパが果たして大きな富を築いたか。軍隊は強くなったというが、経済発展がそれで行われただろうか。
帝国主義。ヨーロッパ人は多くの奴隷を連れ去り、砂糖を作らせた。しかし、それでヨーロッパが世界で最も豊かな土地になっただろうか。いや、なりはしなかった。砂糖はインドで作られていたものだ。インド人は、ヨーロッパと関係なく砂糖を食べていたし、インド人の着る木綿は、ヨーロッパ人の着る毛織物より着心地がよかった。
私の経済史の分析は、ヨーロッパに大きな富をもたらしたものは、産業革命によって機械で木綿服を作り始めたことだと結論付けている。蒸気機関で動く機械は、人の二百倍の速度で布を作っていったという。機械で作られた服が格好良かったということもあるのだろう。衣服への需要が爆発したこと、それがヨーロッパに大きな富をもたらしたのだ。
人類は、1800年のワットの蒸気機関をきっかけに、激動の時代を始めた。機械が幸せを生み出すと人類は強く理解した。220年かけて人新世に至るまでがんばった。
農業の効率もあがり、農民の割合は大きく減った。
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