鬼畜社会A
蒼井 狐
副作用
朝の日差しがカーテンに当たって、部屋の中がほんのり明るくなった時に寝ていた。夜はなんだか、自分一人の世界みたいで、それに酔っていた。お酒を飲んだ後は体が重くなるように、抗不安薬を飲んだ後は眠気が来るように、深夜から朝にかけての境の時間になると、社会の人間はこれから動き始めるのだな、と自分が取り残されたように感じる。自分一人の時間を楽しんでいたはずが、返って一人が虚しくなる。そうして重くなった体を眠気と布団に包んでもらう。
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