第11話
「落ち着け。相手の思う壺だぞ」
「ハッ。何澄ましてんだよ」
「まずは客観的に見ろ」
「客観的に、って、何をだ?突っ込む以外にねーだろ」
「この前のことをちゃんと覚えてるのか?」
「覚えてるよ」
「じゃあ一旦はだな…」
実力差ははっきりしている。
相手は“元”海兵で、グレード「D」のブックメーカーでもあった。
このグレードというのは、全部で12階級存在している。
下から順に
K、J、I、H、G、F、E、D、C、B、A、S
となっているが、この階級差における区分は、それぞれの“ACCP“という指標に基づいて計算されている。
『ACCP』とは、
アビリティー ability
キャパシティ capacity
ケイパビリティー capability
パワー power
の4つから構成される、個人の持つ「総合的な能力の数値」であり、ジークハルトは
80 ability
75 capacity
55 capability
90 power
の計300ポイントのACCPを持つブックメーカーだった。
それぞれ4つのカテゴリーの最大ポイントは100である。
ジークハルトの場合は「power」というカテゴリーの数値が最も高く、逆に「capability」というカテゴリーが最も低い数値となっている。
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