第13話 【14/15層】ガチャ三連!【登録者18000人】

「お二人とも、昨日はごめんなさい」


 14階に上がるとすぐにルーナがやってきた。


「なにかあったんじゃないかって心配したよー?」


 アマネが真っ先に出迎える。


「元気の出ない時なんて誰だってあるだろ。俺もクソゲー掴まされた日はテンションガタ落ちするしな!」


「さーて、ダンジョン馬鹿芸人のことはほっといて始めよっか!」


「誰が芸人じゃ!」


 せっかく人が元気づけようとしたというのに。

 アマネはルーナと手を繋ぎ先へ行ってしまった。


「今日も元気にダンばかするよー。前回のあらすじ、カズサ君は宿敵のカイ君に勝ちました。第3部完! でお馴染みのアマネと」


「みなさん昨日はごめんなさい。ルーナです」


 ルーナの調子もまあまあ戻ってきたのか?

 ひとまずは14階を攻略していこう。


「そちらには罠があります」


 軽快に進んでいるとルーナの声が聞こえ、道を引き返す。

 相変わらず、ルーナがどういう能力を持っているのかはわからないままだ。

 あとでこっそり聞いてみてもいいかもしれないな。

 そう思いながらモンスターを片していく。


「そういえば、昨日のコメントに『もうちょっとカズサ君の喋ってるとこが見たい』ってあったからお応えしましょう!」


 ね? と言ってアマネが近づいてきた。

 あまり気が乗らないけど仕方ないな。


「どうも。あー、ところでなにを喋ればいいんだ?」


≪ルーナちゃああああん!≫

≪さすがの予知能力ですね≫

≪お、カズサくるー?≫

≪アクロバット兄貴!≫

≪好きな食べ物は?≫

≪アマネちゃんのことどう思ってますか?≫


「好きな食べ物は……強いて言うならうどんか? で、アマネはなんだろうな。まあ、こうして着いてきてくれて退屈はしないな」


「へー、それだけですかぁ?」


 隣にいるアマネがにやにやしながら突っついてくる。


「あとは……いつも一緒にいてくれてありがとう、とか? さてとそろそろ戻るぞ」


「だって皆、どう思う? なんか私ちょっと恥ずかしくなってきたよぉ!」


 言わなくていいことを言った気がするが、なにかしらの盛り上がりになればいいか。

 再び先陣を切ると、エルダーボックスLv14という箱の形をしたモンスターが飛び出してきた。

 こいつが普通に立ち止まってたら宝箱と間違えそうだな。

 そう思いながら飛びかかると特に問題もなく光になった。


>>獲得:幸運の護符

幸運の護符:アイテムをランダムに1つ獲得する。


>>獲得:幸運の護符

幸運の護符:アイテムをランダムに1つ獲得する。


>>獲得:幸運の護符

幸運の護符:アイテムをランダムに1つ獲得する。


「お、あの時のガチャ? だよね。これはいいもの出るんじゃない?」


 俺はアマネの声を耳にしながら引き返しルーナに手渡す。


「ここはあえて幸運の女神にやってもらおうと思う」


「わたしでいいのですか?」


「ああ、頼む!」


 直後はいと渡されたのはハーブが2枚。

 まあ普通はそうなるよな。

 続けて3回目を引いたようで受け取る。


――アイテム獲得――

SR【祈念きねんのタリスマン】:アクセサリー。1度やられてもその場で復活(ペナルティーなし)。効果発動後消滅


 これは事故った時の保険だな。

 あまり考えたくはないがまずい展開を見越して装備しておこう。


「さすがはルーナだ。見てくれ、なかなか便利な装備が出たぞ!」


 配信が終わり俺達は15階に上がる。

 どこかへ行こうとするルーナを引きとめ、俺とアマネは一度家に帰ると再び戻ってきた。


「ルーナちゃん! 今日はね、私達まだ一緒にいるつもりなんだ!」


「なぜでしょう?」


「最近元気ないみたいだからさ。まあまあ、とにかく座って。皆で一緒に食べよ!」


 アマネは床いっぱいにケーキやスナック菓子を広げルーナの前に差し出す。

 ルーナは初めつつくようにして不思議がっていたが、もぐもぐと食べはじめると笑みをこぼした。


「俺はこれだ」


 携帯ゲーム器を手にしたルーナは首を傾げている。


「これはなにをするものなのです?」


「おい、本当に知らないのか? 一緒に遊ぶものだよ」


「遊ぶ……?」


「やり方わからないなら私が教えてあげる!」


 アマネがルーナに説明をすると操作に慣れてきたようだ。

 ルーナがのめりこみ始め、一緒に協力プレイをしている最中アマネが俺に声をかけた。


「カズサのところはいいよね。いくら遅くなっても怒られないし。私今日は友達のところに泊まるって嘘ついてきちゃった」


「ま、俺んちは放任だしな。人様に迷惑掛けない限りは何しても構わんって感じの」


「でもいつも家に誰もいないじゃない。それって寂しくならない?」


「なんでだよ。家に帰ればダンジョン三昧だぞ? むしろ邪魔されてなくていい!」


「ああ、あんたがダンジョン馬鹿なの忘れてたわ……」


 ゲームを終えてごろごろしていると、ルーナがアマネを見つめる。


「あの、さっき言ってたお友達とは?」


「えっと、友達っていうのはね。こうして遊んだりして一緒に時間を過ごす人……かな。カズサはどう?」


 アマネはそう言ったあと俺の方を見た。


「友達ってのはなんでも言いあえるし、なにかあったら駆けつけてやれるやつのことだ!」


「それでね、ルーナちゃんはもう私達の友達になってるよ。だってここまで一緒に過ごしてきたじゃない?」


「アマネさんとカズサさんは、わたしのお友達なのですか……?」


 ルーナはアマネと俺を交互に見つめ、アマネはにっこり笑って頷いた。


「だからね、その証をプレゼントしようと思います。ルーナちゃんはこれ、カズサはこれ!」


 アマネはルーナに白いくまのキーホルダーを、俺には黒いのを手渡してきた。


「で、私は赤っと。これ全部色違いのお揃いだよ。1人の時はそれ見て私達を思い出して!」


 そうか、アマネはこれがしたくて昨日話を持ちかけてきたのか。

 俺には到底思いつかないアイデアだな。


「ルーナ、なにかあったら俺達に言うんだぞ。約束だ!」


「わかりました。お2人ともありがとうございます」


 ルーナはキーホルダーを大事そうに両手で握り、俺たちに向けて笑った。


【ステータス】

カズサ:レベル16(↑2)

称号:10層の支配者

クラス:アサシン

HP:152(↑20)

MP:76(↑12)

STR:86(↑12)

AGI:18

INT:2

LUK:1

スキル:バスタースイングLv1

ステップカウンターLv1

ハイドLv1

ミラージュダンスLv1


【装備】

頭:

右手:R【デュアルエッジ】

左手:R【デュアルエッジ】

胴:N【初心者の服】

足:R【ウイングブーツ】

アクセサリー1:SR【フェザーマント】

アクセサリー2:SR【祈念のタリスマン】

使い魔:SSR【タイニィフェアリー】

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