第7話 【8/9層】新人カメラマン!【登録者1200人】
「カズサ、見て見て。登録者1200人になってるよ! ルーナちゃん効果だよねこれ?」
授業が終わるとすぐにアマネがやってきて、スマホの画面を見せてきた。
もちろんそれはいつものチャンネル画面だ。
なんだ、知らない間にそんなに増えてたとはな。
「ていうか、ダンジョン馬鹿ちゃんねるってなんだよ」
「いいじゃない、略してダンばかだよ。なんか可愛くない?」
ダンバカ?
ああ、いつも開始直後に叫んでるダンバカってこれのことか。
「そういえば今日は来れないんだろ。またソロしてくるけどいいよな?」
「ふっふっふ……それについては手を打ってあるからお楽しみに! じゃあ部活行ってくるね!」
そう言ってアマネは嵐のように去っていった。
あいつは何か期待させるような言い方をちょいちょいするけど、大体はろくなことにならない。
「ようカズサ。ほら、珍しいやつが来てるぞ?」
すぐにクラスのやつがやってきて、後ろのドアの方を指差した。
俺はその姿を確認するとやれやれと向かう。
「やあカズサ君。噂は聞いているよ」
眼鏡をクイッとあげたこいつは上杉カイ。
いつも俺のすることを真似してくる変人奇人の類で、ダンジョンゲームまで同じものを揃えているほどだ。
ちなみにアマネとは同じクラスらしい。
「ああ……どうせダンジョンの事だろ。で、わざわざ来たりして何の用だ?」
仕方なく溜息混じりに答えてやる。
「そう邪険にしないでくれたまえよ。なに、僕もあの塔に挑もうかなとね」
カイは白い歯を見せて窓の外に視線を向けた。
「そう来ると思ったぜ。ただ、お前がそれだけを伝えにきたとは思えないんだが」
「さすがは話が早い。あの塔ってPKができるみたいなんだよね」
PKというのはプレイヤーキルだ。
つまり他のキャラクターを攻撃することができる。
目的は主に他者のアイテムを奪うことだったりするのだが。
「へえ、偶然出会ってみたいもんだな?」
「僕もまったくの同意見だよ。たまたま出くわしたら、嬉しさでつい斬りかかってしまうかもね」
「ああ、上等だ。余裕で返り討ちにしてやるよ!」
「話はそれだけさ。じゃあねカズサ君?」
ふっとほざきながら髪をかきあげて上杉は去っていった。
まったくいけ好かない野朗だ。
学校が終わり俺はすぐに8階へ向かう。
今日は何を試してみるかなんて思っていた矢先だ。
「カズサさん、3分遅刻です」
入り口にはルーナが待ち構えていた。
「今日はあいつはいないぞ?」
「知っていますよ。そのアマネさんに教えてもらいましたので」
ルーナから、はいと言って手を差し出された。
「握手か?」
手を握ろうとするも拒否され少しだけショックを受ける。
俺は2秒ほど放心状態になってしまった。
「違います。カメラを貸してください」
「え、お前できんの?」
「昨日アマネさんから少々」
ルーナはぎこちないピースをしている。
ああ、これだな。
アマネが手を打ってあるって言ったやつ以外の何者でもない。
今日は変な組み合わせだが8階の攻略を開始していこう。
「こんにちは、ルーナです。アマネさんがお休みのためわたしが代役です。【ダンばか】をよろるーな、です」
誰に似たかは知らないが、こいつもこいつでノリノリなんだよな。
「はい。カズサさんが映ってない? 自撮りになってる? ごめんなさい、間違えてたみたいです……」
なんておとぼけもありながら早速フロアを進んでいく。
するとすぐにリザードマンLv8という二足歩行のトカゲ男が現れた。
剣と盾を持っているうえに硬そうな皮膚をしている。
ひとまず飛びかかり先制攻撃後、通常の乱舞を見舞う。
直後トカゲの斬撃をステップカウンターで反撃。
これ効いてんのか? ってくらい手応えを感じない。
相手の攻撃は大したことはないのだが、こっちの攻撃が通らないのは厄介だな。
何か有効な手段はないかとUI周りを調べはじめる。
>>SSR【タイニィフェアリー】の特殊スキル2が開放可能となりました
>>開放しますか?
そういえば、システムからメッセージが来ているのを見落としていたらしい。
ひとまずOKを押しておこう。
――スキル開放――
特殊スキル2:ストームブレード
>>装備武器に風属性を追加する
>>以降、使い魔との
属性をつけて叩けばダメージが通る可能性はありそうだ。
だがしばらく待ってみてもスキル2は発動しないまま。
試しに属性付与と念じてみると武器の色が緑に変化した。
自動だったスキル1と違って、こっちは手動発動なのかもしれないな。
「カズサさん、がんばって。この中の人達も応援しているようです」
ルーナはコメント欄のことを言ってるのか?
さておき属性つきの通常を振り回すと、トカゲが悲鳴を上げ始めた。
これならいける。
通常とスキルを織り交ぜてぶん殴るとリザードマンLv8は光になった。
レベルが10に上がった途端、システムメッセージが出現する。
――クラスチェンジ開放――
ソードマン:片手剣での攻撃が得意なクラス
アサシン:双剣での攻撃が得意なクラス
ブレイバー:両手剣での攻撃が得意なクラス
シューター:弓での攻撃が得意なクラス
ディフェンダー:盾の扱いに優れるクラス
なんか急にそれらしくなってきたな。
これは多分1次職というやつで、のちに上級職が出てくるに違いない。
>>アサシンにクラスチェンジしました
――スキル獲得――
ミラージュダンスLv1
>>双剣で乱舞する。クリティカル補正あり。消費MP15、再使用5秒
その後9階に到達してルーナと別れた。
そういえば使い魔の同調機能のことを忘れてたな。
【ステータス】
カズサ:レベル10(↑2)
称号:ダンジョンルーキー
クラス:アサシン
HP:102(↑30)
MP:40(↑14)
STR:50(↑16)
AGI:18(↑10)
INT:2
LUK:1
スキル:バスタースイングLv1
ステップカウンターLv1
ハイドLv1
ミラージュダンスLv1
【装備】
頭:
右手:N【初心者ダガー】
左手:N【初心者ダガー】
胴:N【初心者の服】
足:N【初心者の靴】
アクセサリー1:SR【フェザーマント】
アクセサリー2:
使い魔:SSR【タイニィフェアリー】
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