3 植物人間の時代 (4)

 ようやく人類は自分たちの過ちを総括しました。何を間違ったか、何を変えればよいかを。

 ➊生物が争いのできない世界にするため、そして省エネルギーのため、生物と機械の移動の機能を封じるべきである。

 ➋生物の感情に悪い刺激を与え、争いを誘発する、音楽と映像を撤廃すべきである。

 これが彼らの結論でした。当たり前だけど、今回は本気でした。その結果、移動のできない生命が選択されました。動くことはエネルギーを多量に消費します。無駄です。それに移動できなければ、殺し合いはできません。もちろん移動できる機械もすべて廃棄されました。そして音の出る機械も映像を映し出す機械も廃棄されました。音楽や映画もこの世にありません。目と耳の無い生命体を設計しましたから、そもそもそれらは不要です。

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