第4章 魔王決戦No.5

「すいませんでした!!!」


クリフォトは“もう限界なのでは?”というぐらい地面に擦りつけている。

それを見た俺はあまりにも“弱いものイジメした”のように気が引ける。


「なぁ、デーモンキングってそんなに強いの?」


デーモンキングは強いとは思うが、トップに立つ“クリフォト”という大物さえ、土下座してしまうという感じがどうもピンこない。


「……おぬし、、、本当にビックリするじゃろう?ここ数百年もう死んでいるかとかと喜んでいたのに残念じゃわい……」


話はこうだ。

世界は魔王:デビルガゼル

銀色の帝王:シルバードラゴン

大悪王:デーモンキング

の3つに分かれて均衡を保っていた。しかし、時間が経つにつれて3つの均衡が維持できなくなってしまった……それは何故か?

その答えは“不老”ではなかったからだ。

『不死であって不老ではない』

多少は小競り合いはあったものの、均衡は保っていた。

だが弱小と呼ばれる“人間”が大きな変化をもたらしてくれた。弱小である人間は神のご加護において次々と倒していき、やがて世界統一を成し遂げてしまったのだ。


「……なぁ、世界征服ってどんな感じなんだ!聞かせてくれよ!」


俺は“キラキラ”顔でシルバードラゴンの方へ向く。シルバードラゴンも“コイツはアホか?”という感じでため息をついた。


「アホ…世界征服なんぞ、やっとれんわ!……まぁ、実際は遊び半分で世界征服というゲームに参加しとるし……」

「ん?もしかしてデビルガゼル?」


シルバードラゴンは大きくため息をついてしまった。


「そうじゃ……ったく、どうにかならんのか?あのゲームマニアは!?」


俺は確信してしまった!

“あぁ、デビルガゼルは根っからのゲームマニアでゲームをプロデュースをする運営のものであった…だから、コチラの有利になったりしたんだ!”


「……こういうのもなんじゃが、、、アホじゃろう!?」


“本当にアホである”

そもそも“不死”でなかったとしても、痛いのには変わりはない……“デビルガゼルという人物は何もなのか?”改めてため息をついてしまった。


「あの……許しては頂けないでしょうか?」


“コイツ、空気が読めない所でぶっ込んでくる”

俺は話を聞いて半分“クリフォトは許してやろうかなぁ…”という感じになってしまったが、段々とその気持ちが失せてしまった。

ーーそいつを殺せ

久々、デーモンキングからの信号…俺は油断したのか、俺の体は丸ごと『デーモンキング』に乗っ取られてしまった。


「いや〜久しぶりだぜ!?」


クリフォトはそれを察したのか“ガタガタ”震えひざまづいた。


「お、お久しぶりでございます。デーモンキング様」

「おう、早速なんだが、お前にはこの世を去ってもらうぜ」


デーモンキングは静かに、そして当たり前のように淡々と呟いた。


「なんじゃ?カッコイイセリフなんか吐きおって…もしかして、ギャンブルの口封じか?!」

「そんな訳ないでしょ!?」


“それもあるな…”

シルバードラゴンは確信をついてしまったと思っていた。


「あの……ある側近に“私のことが死んだら言いふらして良いよ”と言ってしますから…」

「よし!撤回しよう!」


デーモンキングは自分の言葉を撤回してしまった。

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