第2章 海上の侵入者 No.4

穏やか朝。

ゆっくりと波が揺れる…本当に心地よい気持ちた。俺は尿意をもよおし“小でもするか”と思って、甲板の上を歩き出した。すると突然!


「おはようございます!師匠!」


と元気な声で“ニコニコ”しながらやってきた。

その姿はカミルだ…。


「し、師匠?」


突然の朝、しかもリラックスしている所に俺は呆気に取られた…皮肉で師匠と呼ばれても、心の底から師匠と呼ばれたことはない…凄い違和感だ。


「……師匠と呼ばんでいいよ」


“キラキラ”光る姿が凄い罪悪感があって、申し訳ない気持ちになり“師匠”と呼ばれることを止めた。


「いえ!師匠と呼ばせて頂きます!…けれど、師匠と呼ばれるのは恥ずかしいですよね。では、師匠はどう呼ばれたいですか?大将ですか?ボスですか?もしかしてキングですか!

?」


“いやいや!キングって…偉そうすぎるわ!”と思いっきりツッコミを入れようとしたが、言葉を飲み込んでしまった。


「師匠は恥ずかしいよ…“ガルシア”って言葉があるんだしさ…」

「ダメです!!!」


カミルは真剣な表情で言った。

“コイツ、無理矢理でも“師匠”と呼ばせたいんだなぁ…まさか”


「俺のことを“師匠と呼ばせて、密入国をチャラにしようと思っているんだな?」


ガルシアは冗談混じりで、且つ心の中では本気でカミルのことを眺めていたら、“ギクッ”という言葉に反応した。


「チャラにしようとしているんだなぁ……」

「えっ」


カミルは大量の汗を拭き、口調もしどろもどろになった。


「フーーーッ」


ガルシアは頭を“ボリボリ”しながらため息をついた。


「すいません……けど、心の底から“師匠”と言ったのは、本心ですよ!師匠と呼ばせて下さい!師匠!」


ガルシアは疑いの目で見る。

“いくら、信じようとしても師弟の関係では裏切られたらおしまいだ。しかし、他の国ならシガラミもないし、裏切られた時もほって出ていけば良いし、いいか!”

そう思った、俺はそう言い返した。


「…まぁ、いいか。ただし、条件がある」


ガルシアもドヤ顔をしたくて“ドーン”としてみた。


「なんでしょう?」


カミルも嘘をついたのがバレたのか、不安そうに怯えていた。


「それは、ボスと呼ぶこと!師匠はむず痒くてかなわん!」

「分かりました!ボス!」


カミルはその意外な反応に驚き、すぐさま“パッ”と笑顔になった。


「では、早速!ボスが行くであろうと思う所が、あるので掃除しますね!」


カミルは“キラキラ”した顔して、飛び去ってしまった。

“まぁ、チャンドラのことだ。おそらくはこの侵入者を見て見ぬふりをしたのだろう……チャンドラに対しても真実を発言しても、物証が確証にも関わらず“知らん!”という言葉になるだろう…世間は厳しいなぁ”

俺は窓を開けて、広大な海に持っていきながら、ため息をついてしまった。


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