第2章 砂漠の姫No.4
“チョピン、チョピン……”
薄暗い洞穴。
もう数時間立つ…5人は奥深く進んでいた。この5人の隊形は、まずは先頭に立つのは新人の“サリム”。
サリムは緊張した状態で“キョロキョロ”と見渡す。
「しっかりせんか!」
とクバードが槍でサリムの頭をどつく。これが2番手だ。
「痛っ…勘弁して下さいよ。だったら、一番後ろにも言って下さいよ!」
サリムは一番後ろに指をさす。
「あれは……娘様を守るからいいんだよ!」
クバードは隣のアゼルを見たが、何も問題ないので再び槍でどつく。
「痛っ!違いますよ!一番後ろです!ガルシアですよ!」
頭をさすりながらサリムはクバードに訴えていた。
「何で一番後ろなんですか!?後ろが一番楽だなんて知っていました!?」
「しっ!聞こえるだろう!!」
クバードはサリムの口塞いだ。
「バカやろう!!これは勝手にお偉いさんが決めたことなの?分かる?」
クバードは“姫様が怒って風の精霊ガルーダなんて唱えたら死ぬよ?”と言わんばかりに真剣に目を血走らせた。
「なんじゃ。ゴチャゴチャうるさいのう〜なんなら、わらわが先頭に立って動くぞ」
「いやいや!それはダメです!例えば、娘様が先頭に立つとしましょう。誰が娘様を守るんですか!?……守れないですよね!なので、理想的な陣形を作らせて下さい!」
アゼルは前に出て頭を下げて訴えた。
「なんじゃ、面白くないのう…ちょっとぐらいはっちゃけんか?」
チャンドラは“ニヤニヤ”笑いながら不敵な笑みを浮かべた。
「ダメです!絶対ダメです!」
アゼルは“勘弁して下さい!”という思いで、首を“ブンブン”振った。
「のう?どうじゃ?ガルシアの意見が聞きたいのう?」
そこで現れたのが後方に位置するガルシアだ。ガルシアは、まるでやる気がなく鼻をホジホジしていた。
「緊急の時だった積極的に前に動くけど、今はいいんじゃないの?積極的に動かれたら困るし、仮にも上だし」
“お前がいうなよ!”と全員が思ったが、けれどそのことに関しては同意していた。
“しかし、この洞穴。神がいるって聞いたけど、まるで魔族のような感じだなぁ”
「仕方ないのう。諦めるか。しかし、戦闘が始まったら積極的に行くぞよ」
チャンドラは“フーッ”とため息をつきつつ、歩いていた。
それから俺(ガルシア)は、この洞穴に来て幾度なく戦闘をした。普段なら楽勝で勝つものの、チャンドラのおかげで風の精霊ガルーダをぶっ放しそうになるわ、積極的に戦うわ…それどころではなく、娘様とモンスターで半々で集中しなければならなかった。
“本当に疲れるわ……”
「ついに来たのじゃ!なんか、緊張するのう」
チャンドラは初めての神の派遣らしく、少し緊張しているように見えた。そして、良く見るとチャンドラの肩がかすかだか震えていた。
「どうした?最後の扉だぜ?行かないのか?」
とガルシアは冗談ぽく聞いてみた。
「ふん!緊張しとらんわ!武者震いしとるだけじゃ!」
チャンドラは明らかに不服そうな顔をした。
「冗談!冗談!緊張しているのを和ませようとしていただけ。本当ゴメンね!」
いよいよここが最後と扉である。
ガルシアは真剣に眺めていた。
“もし、邪悪な化身、すなわち魔族だったらみんなを守れるのだろうか。
そしてガルシアは“キョロキョロ”と周りをよく見た。周りを見てもチャンドラが暴れるもんだから明らか疲労感たっぷり“もうこれ以上、巻き込むなよ……”という雰囲気が“ヒシヒシ”と伝わってくる(チャンドラ以外はそうでもないが…)これ以上、争いを避けたくない!”
「何をしている?行くぞよ!」
チャンドラも、から元気で積極的にドアを開けてようとしていた。
そして“ふとッ”サリムを見ると明らかに不満そうで、明らかに疲労感たっぷりの雰囲気で立っていた。
“ご愁訴さまだなぁ……”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます