第2章 ファビアンの異変No.2

「なんじゃ?面白ないのう……」


シルバードラゴンは大きくため息をついた。

ここはファビアン王宮刑務所の牢屋。

今、情勢が安定しているから安心なのだが、昔は情勢が安定していなくて裏切り行為……つまり、すぐに死刑。もしくは人質に取るために側にいなければならなかったのだ…それがこの制度である。


「仕方がないだろう?店主が誠心誠意の謝りで労働10時間に減刑してくれたんだから」

「それが、面白くないじゃ!世界は弱肉強食!コレが常識じゃ!」

「……ちょっとは人間界の常識を学んで///」


俺はシルバードラゴンの言う世界の“常識”はメチャクチャなのでツッコミを入れることすら諦めた……。


「とりあえず明日は早いから、とりあえず寝よ?」

「アホか?とりあえず近く監視員を呼んで……」


俺はシルバードラゴンの後頭部にめがけて思いっきりツッコミを入れた。

“……なんて清々しいツッコミなんだろう?この頃、忙しくてツッコミすら入れていなかったが、改めてツッコミを入れると、こうも気持ちのいいものなんて…”

俺は感動のあまり手がジンジンするのが嬉しくなって全身が震えてしまった。

だが、シルバードラゴンは俺の感動なんかを無視して炎を吐く。


「あぶねーな!!」

「やかましいわ!!今度こそ八つ裂きしたるわ!!」


こうしてシルバードラゴンと俺の対決が幕を開けた。



ーーー数分後


ーードカッ!!!!


俺は牢屋内で喧嘩を納めたかったのだが、それは問屋が下さない……俺とシルバードラゴンは段々、ヒートアップしてしまい壁をブチ破ってしまった…壁をブチ破ってしまったのだから、そりゃ当然、監視員達も急いで駆けつける。それを見た俺も走って逃亡してしまった。


「おい!ここは休戦だ!逃げるぞ!」

「アホか?人間ごとき…グエッ」


一応、シルバードラゴンに言った証拠がある。それも同意した。よって共犯である。

俺は無視してシルバードラゴンを掴み逃亡する……どれぐらい走ってきたのだろうか?

やがて立派なゴツいドアが見えてきた。


「…ここ立派そうじゃのう」

「やはり分かる?」

「当たり前じゃ!!」


“やはりシルバードラゴンでも分かるのか…”

俺も“なんか、怪しいなぁ…”と思いつつ、足踏みをしているとシルバードラゴンが口を挟んできた。


「なんじゃ?さっさと開けんか!?」


シルバードラゴンは悩んでいる俺を無視してドアを開ける。するとそこには“ファビアン3姉妹”と見られる姿がそこにはあった。


「なんじゃ?なんか、騒がしと思ったらソチか?」

「……えーーと、ここは女王様の部屋ですよね?」


“女王なんか1人の人間しかない”と思っていたのだが、あまりにも美貌であまりにも美しい姿に見惚れてしまった。


「そうじゃが?……おぬし、許可なしにきたのではあるまいな?」


女王と呼ばれる女性は冷たい目線で言い放った……俺も思わずドMの境地いきそうになってしまった。


「えっ?ガルシアじゃね?やっぱり、ガルシアじゃねーか!?」


“こういう場面で声をかけてくんな!常識というものはないの?常識は…えええ!!!”

俺も思わず2度見してしまった。

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