第1章 布教の行進No.2

「待ちなさい!!この人は殺してはいけません!」


この女性が目の前に現すとすぐに跪いた。

だが、待ち受けるは目の前の小さな老婆とその周辺の取り巻きである。

俺は“ん?”と注意深く周囲を見る。


「待ちなしゃれ、ラウラ姫。独断と偏見はいけませぬぞ」

「独断と偏見だなんて…オババ!そんなことではありません!ダビオ王には許可を取ってます!」


“キリッ”

と情熱な顔をした瞬間、ラウラ姫?という女は元の笑顔になっていた。


「ほぉ、さすがラウラ姫じゃ。自分の立場が分かっておる…が、ここは分が悪い。ここは引かせてもらうのじゃ…ただし、ダビオ王の許しを得た場合、すぐに再会するぞよ」


オババは年の功なのか?しっかり注文をして、さっさと引き下がった。

俺も何となくだが“生贄”についての対立がハッキリ分かことがある。要は当事者である俺とシルバードラゴンを“生贄”として反対するグループと“生贄”を賛成するオババのグループが対立してる所の攻めぎ合いに遭遇しているのだ。


「ゴメンなさい。旅している人なのに、こんな醜態をしているなんて…なんとお詫び申し上げたら言いのやら…」


ラウラ姫は深々と頭を下げる。それを見たラウラ姫の姿にビックリして、シルバードラゴンは慌てて言葉を口にした。


「いいのじゃ、いいのじゃ、もう少しでここに居った全員丸こげ…」

「ゴメンなさいね!!!このドラゴンは前からオカシイと言われたんですねけどね ハハハ!」


“コイツ頭オカシイのか!?”

と思った俺は両手を掴んで咄嗟に口を塞ぎ、俺が話すのを代弁した。ラウラ姫も“キョトン”としている。


「あのですね……」


と俺が苦しい言い訳をしようと瞬間、ラウラ姫がこちらを向けてこう言い放った。


「シルバードラゴン様?シルバードラゴン様ですよね!!…本当にそうだ!」


“狂喜乱舞”

まさにその通りのラウラ姫に対して、シルバードラゴンは明らかにテンションダダ滑りのような感じがする。

シルバードラゴンが“フーッ”とため息遠ついた瞬間、驚くべきことが起こる。


ギギギーー!!!


と細身のしかも、まだ幼い姫が頑丈で硬い牢を囲っている棒をいとも容易く曲げてしまったのだ…いや〜俺は目が点になったね。実際に普段なら人間を見下され気味のシルバードラゴンも目が点になって“お、おぬし…”と口走っていたもん。


「やっぱり、シルバードラゴン様だったんですね!シルバードラゴン様は憧れていました!」

「お、おう、おぬし、何もんじゃ?」


シルバードラゴンがそう言った瞬間、首が吹っ飛んでしまわないか?と心配する程、首が吹っ飛び牢屋の棒までダイブしてしまっていた。


「や〜ね〜人間ですよ♪に・ん・げ・ん……キャ!!!大丈夫ですか!?」


“コイツ、自分の制御の仕方、分かってねーな…”

そう思った俺は“まぁ、シルバードラゴンなら大丈夫だろ?”と訳の分からない根拠から、今の自分の危機感を始め感じ始めたのであった。

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