第3章 他国の事務次官 No.14
「…ゴメンなぁ。お前がどんなに良い人だろうが、あの王は決して許されない事をしたんだわ」
俺がそれを聞いた時、諦めの境地になってしまった。つまり、ガストンの心は覚悟に染まってしまったのだ。俺は“フーッ”とため息をつきながら腰に置いてあった剣を抜き構えた。
「だったら、力づくで阻止するまでだ!」
俺はガストンに向かって駆け出していた。と同時に剣を構えてどう対処出来るのかを予想した。
カキッン!!
俺はあまりにも予想通りだったので、ガストンは笑ってしまった。
「おいおい、そんなんでいいのかよ」
「うるせ!だったら、これでどうだ!」
俺は剣を構えると、何重倍のスピードで駆け出した。
“カキッン!”
再び、剣の音が鳴り響く。
その音を聞いた俺はビックリして構えるのをやめてしまった。
「お前も……悪魔が憑いているのか?」
「だったら?」
ガストンは思考停止している俺が動かないことを良いことに何重倍ものスピードでガンガン剣を振り続けた。
ーーーヒャハハハ!やっと、気づけたわ!このガストンとか言う少年が悪魔に憑いていたことがな!けっさく!けっさく!
俺は一瞬“イラッ”としたが今はガストンの事が最優先”と思い、無視して“どう立て直すか?”を考えた。
カキッン!カキッン!
ー何時経ったのだろうか?
両者、譲らずお互いが攻防を繰り広げた。と突然“ガチッ”と共に光が差してきた。そして、見渡すと人、人、人…数え切れないぐらい人で被われていた。
「どうじゃ?科学の結晶!光の光景は?オホホ」
その声の主は誰だか分かった。
トゥリオ王とその側近であるカルロスだ。その2人は厳重の為、まるで闘技場を思わせるかのように高い位置に立っていた。
「おいおい、誰も呼んでいないけどなぁ…」
俺はため息をついて剣を下ろしたが、ガストンを見ていると激しい憤りでイライラしているように思えた。
「ん?ガストンではないか?ガストンは無断欠勤の上、1週間、放置した王の責任は重い。よって、そちはクビじゃ。いや、死を持って責任を果たせ!」
ガストンを見るとトゥリオ王はまるで毛虫のような顔つきでこう言い放った。
「いやいやクビは仕方ないと思うけど、死に値するかは別だよ」
「うるさいのじゃ!我が良いと思った良いのじや!ここダマスア王国はわれが法律じゃ。われが死刑といえば、死刑なのじゃ!」
トゥリオ王は声を荒げて言い放った。そして
その周辺“シーン”と凍りつく。
「なぁ、言ったろ?これぐらいの暴言が言っても通る。その理由は周辺の貴族そのものが癒着し、甘い汁を吸う。その下の市民は安全という鎖が縛られ何も言えない。むしろ、おかしいながらも黙って従っていたんだ」
ガストンは虫ケラを握り潰すかのようにトゥリオ王を見ていた。
「おいおい、そんな顔をするではない。かつては、王と騎士団長の仲だったじゃろ?苦しまずにあの世に行くのじゃ。感謝しても仕切れないぐらいじゃ」
“あっ、こいつクソだな”と俺は直感的に思って、トゥリオ王の方に向いて構えた。
「前言撤回。俺もお前の方に味方するわ」
トゥリオ王はガルシアを見て“ムカッ”と来たが、すぐに冷静を装った。
「おや?ガルシアという少年ではないか?そちの味方ではないのか?なんなら、こうするまでよ。おい!」
トゥリオ王は横にいたカルロスに対して手を挙げた。それを見たカルロスは一礼をして奥に引っ込んでしまった。
「ん?何やら怪しなぁ…まぁ、いい。じゃ、こちらから攻めようかな?」
俺は剣を“キラリッ”と光らせて構えた。ガストンも同様だ。
「そう慌てるでない。まだ、夜は先が長いからのう」
トゥリオ王は“ニヤリ”と笑ってガルシアとガストンの方に向いた。
「そんな事言ったって、すぐに終わるはずじゃん…ん?なんじゃこりゃ!」
それもそのはずである。カルロスの持ってきた大きな筒のようなものは、こちらの方に向けて構えた。
「どうじゃ、ダマスア王国で作らせた最新の武器は?サシル共和国にはないじゃろ?これを急ピッチに作らせいけば、世界征服は夢じゃないだろ?」
俺は呆然として突っ立っいた。
“どこまでの威力か?なんて知らないが、メチャクチャかっこいい!どんな武器なんだろ?”と思っていたら、トゥリオ王とカルロス陣はこちらを構えこう叫んでいた。
「わが、最新兵器の誇る“魔導砲!”とくと見よう!放つのじゃ!」
そう言ってトゥリオ王は“放つ仕草をし、カルロスが持っていた“魔導砲”を握りしめた。
魔導砲は徐々にエネルギーを溜め、ガルシアの方に放っていった。
ドゴーーン!!!
一瞬で光と煙が掻き消しツンとするような嫌な匂いが当たりが見渡した。
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