第4章 決戦突入No.7
ーーー深夜。
夜の砂漠は、昼の砂漠と違って凍えるように寒い。
ガルシアは強烈な尿意に襲われて堪らず立ち上がりダッシュをする。そして、誰もいないことを確認をし仁王立ちになり、真ん中から解き放つ。
“ジョジョジョ……”
“なんてことだろう……”
全身の体が力が抜け、膝がガクガク震えるような錯覚を起こす。こんなに溜まって我慢したのに、全身の脱力が体から解き放った瞬間、膝が崩れ落ちこの世とは思えないぐらい感覚に襲われた…
ガルシアは尿意が残り少なく消えた瞬間“ブルッ”と震えた。残念なことにフィナーレだ!
ガルシアは安堵感とどこから消えてなくなってしまった疎外感になってしまった。
“深夜まで、まだまだ時間はありそうだ……けど、一向に眠くならないなぁ”
本来ならUターンがベストなのだが、一向に眠くならないため寄り道をして歩いてみた。
「ザク、ザク、ザク…」
“なんだか、夜の砂漠も気持ちいい…”
砂漠の風がヒンヤリと体に当たって心地よい。そう思わず思ってしまった。あまりにも気持ちいいのでもう少しだけ歩くのを継続した。
そうこうしている内に、ガルシアは山みたいな砂漠がそびえ立ち、立ち止まった。
ガルシアはしばらく腕を組み悩んだが、
“まぁ、こんなチャンスはないんだし行ってみるか!”と両手を“パンッ”と叩き、気合い入れて歩き出した。
ーーー数十分後
山の頂点に立っていた。
風が心地よい…両手を大きく広げ深呼吸をする。
“うん、気持ちいい”
自然と笑顔がほころぶ。
“ふとっ”周囲を見渡すと巨大な建物があった。
サシル共和国 首都:オルール。
砂漠の端に位置し広大な海が広がる。オルールはというと建物が大きく広がり都会の姿を見せる。しかし、まるで街の中は匂いがないようにクリーンで凄く綺麗だった。
…この話は以前の話だ。一週間前は明るく、活気がある雰囲気の街だが、今は雰囲気が重く暗いのが印象を感じてしまった。
「街に活気があったんだよなぁ…」
ガルシアの目には廃墟に似たオルールの姿はそこにあった。
顔がますます真剣な顔になって立ち尽くす。
「まぁ、こんな街じゃないんですけどね」
ガルシアは“ビクッ”と後ろを振り返る。そこにはサリムが眠そな顔でこちらに近づいてきた。
「すいません。起こしちゃいましたか?」
「驚かすなよ」
一瞬、びっくりしたが、ガルシアは再度、街の方に向き直し睨みつける。
”今、自分がやらないといけないこと。それは分かっていたのだ。簡単のようで難しい”
「どうしたんです?なんか、怖い顔をして…あ、今戦闘が始まる前だから緊張してるんでしょ?分かります!分かります!こっちが圧倒的に不利だし、危機状況ですがどうにかなりますよ!」
サリムは“ニコッ”と笑い、明るくなった。ガルシアもその言葉を聞いて“よく、言えるなぁ”と呆れてしまった。
「さ!眠る時間がありますし、戻りましょう!」
サリムは“クルリッ”と戻って来た方に向き直し帰っていった。そのサリムが震えていることを見逃さなかった。
“本当は怖いんだよなぁ”
表向きはサリムは陽気な感じだが、裏では本当は怖いのである。
「なぁ…」
帰りの途中にサリムはこちらの方に向き合って立ち止まる。
「これ、お願いだけど、普段ならサシル軍は全員で戦うと思うけど、俺1人で1時間ぐらい待ってくれないか?」
サリムは“ギョッ”と驚いた顔した。無理もないはずである。もちろん、1人で行くとなると安心なのだが相当なリスクがある。
こればっかりは、すぐに“OK”はいえない。
「すぐには、OKとは言えないッスね…隊長に聞いて見ないと…」
「分かった。アイヤールに聞いて見るわ」
ガルシアは真剣な顔で歩いていた。あと、数時間クーデターと真剣勝負が切って始まる。
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