第一回 さいかわ葉月賞 テーマは「夏」

第一回さいかわ葉月賞 さいかわゴリ推し💪作品

第一回さいかわ葉月賞にご参加いただき、誠にありがとうございました。

主題、各選者による投票結果をふまえながらも、「犀川の独断と偏見と気まぐれ」の結果、下記をさいかわゴリ推し💪作品とさせていただきます。（更新順・敬称略）

浮遊する廃墟、落下する上海／りりあに

夏を知らない僕たちは／篠崎 時博

本当の私(短編・完結)／やまもりやもり🦎

夏時雨／榊琉那@屋根の上の猫部

総評

　上記作品は残念ながら最終選考対象作品には選ばれませんでした。

　しかしながら、わたし的にはなんとか褒めさせていただきたいなと思い、ゴリ推しという形で場を作りました。主催者の勝手ではありますが、ご容赦頂ければ幸いです。

個別評

浮遊する廃墟、落下する上海／りりあに

　地盤沈下する上海を蒸気機関で浮上させるというＳＦアイデアがとても良かったです。これだけの文字数で科学と文学を書き、技術好きなわたしを大いに楽しませてくれました。文章もとても上手でＳＦでは疎かになりがちな感情もよく伝わってきます。お疲れ様でした。

夏を知らない僕たちは／篠崎 時博

　夏自体を知らない世代が夏を作ろうと奔走する青春学園もの。夏を作るというアイデアがとにかく秀逸でした。世界観の設定も非常に的確で、若者らしい振る舞いもリアルに描けておりました。惜しむらくは文字数が足りなかったことではないでしょうか。あと二千字は欲しかったのではないかと推察いたします。お疲れ様でした。

本当の私(短編・完結)／やまもりやもり🦎

　学校とプライベートでは別人にしかみえない女の子の淡い恋愛を上手に描いていて、なんだか微笑ましい夏休みを堪能させていただきました。相手の男子は夏休み中どうなるのかとヤキモキしてたのではないでしょうか。現実と小説の中間くらいのリアリティを持った女の子がツボりました。お疲れ様でした。

夏時雨／榊琉那@屋根の上の猫部

　少年ときれいなお姉さんのひと夏の出会いという男子理想のシチュエーションを丁寧に書いていて良かったです。しかも大人になって振り返るまでセットになっていて最後の一句で読後感を出しています。白ワンピのお姉さんに犀川も癒されたい気持ちになりました。お疲れ様でした。