第604話 仁皇国の戦い。

この日、世界中で黒い化け物が出現した。

そんな中、仁皇国の首都でもワーム、虫、鳥の化け物が出現。

首都に居る人達は最初、ただの地震かと思ったが地中から巨大なワームが飛び出し、建物や人を丸呑みし始める。


すぐさま警察と軍が動き巨大ワームの討伐が始まるが、攻撃してもすぐ再生してしまうワーム。

街中にあるいくつもの道場、そこに通う門下生や師範代達が虫の討伐を始めるがいくら斬っても再生してしまう。

他の国に比べて戦える者が多い仁皇国。

それでも化け物達には苦戦していた。


斬っても再生する化け物。

爆破しても再生する化け物。

侍や魔法使い、いろんな職業を取得した者達がいくら攻撃しても死なない化け物を前に、仁皇国は追い込まれていく。


「ジンク、レンカ、あまり前に出るな!」

「「はい!」」

「あんた、こいつらは何なんだい? いくら斬ってもすぐ元に戻るし、倒せる気がしないよ」

「斬りながら仙刀力を流しても再生する……どこからか力を供給してるとか?」

「はっ! ……それなら原因を排除しないとずっとこのままじゃないか」


オウカが虫の攻撃を避けて蹴り飛ばす。

ホムラとオウカの仙刀力で斬ろうとも化け物は再生してしまう。

他の師範代達が魔力を流しても効かない。

戦えない者を護りながら避難させ、街中で戦ってるがこのままだといずれ消耗して負ける事に。


軍や警察、それに道場の者達が街の一部では巨大ワームと戦ってるが街が破壊されていくばかりだ。

その中には仁皇流の師範代であるケイジも戦っていた。


「クソッ!」


地面に潜ろうとするワームを斬り裂くがすぐさま再生してしまう。

辺り一帯に居た一般人の避難は軍と警察によって既に済んでる。

それでも街が破壊され被害が広がるのを食い止めるため、必死になって戦っているのだ。


もうこの化け物を倒す事は出来ず、このまま街は滅ぼされるのか?

兵士と警察の者達がそう諦めかけた時、どこからともなく突然姿を現した大量の忍者。


「何だ!?」

「忍者!?」


大量の忍者は地上から出て来たワームに張り付き、直刀で斬り刻む。

その瞬間、どれだけ攻撃しても反応を示さなかった巨大ワームが、悲鳴のような声を上げながら痛みを感じたのか身体を捻らせた。


「効いてる?」

「良いぞ!」

「俺達もやるぞ!!」

「「「おお!!」」」


その光景を見ていたケイジの背後に、1人の忍者が姿を現す。


「マナを扱える者はマナを用いて攻撃しろ」

「っ!? ……あなたは、忍者ですよね?」


驚き過ぎて当たり前の事を聞いてしまうケイジ。


「この見た目で違うと言えば詐欺だろうな……ワシらはハンゾウ様の配下だ」

「ハンゾウ……っ!? キジ丸殿の従者!?」

「うむ、おぬしマナは扱えるのか?」

「えっ、あ、ああ、稽古はしてる」

「ならマナを使って斬ればあの化け物共を始末出来るぞ」

「かたじけない。感謝する」


そう言って走り出すケイジ。

それを見ながら忍者が呟く。


「これで良いですか?」


すると忍者の背後に忍者が姿を現し。


「ありがとうサスケ。虫は私達に任せなさい」

「よろしくお願いします」


そう言うとスッと姿を消す忍者。

忍者が消えた場所を見ながらサスケは。


「まさか影の神様、いや、アマネ様から会いに来て頂けるとはな」


化け物が現れた後アマネは、すぐ街へ向かいその正体に気付くとサスケの下へ行き、化け物の倒す方法を伝えて一緒に首都へ来た。


『キジ丸殿、仁皇国に化け物が出現した。現在アマネ様と一緒に始末するためメンバー全員で首都へ来てる』

『アマネが動いたか』

『あの方が会いに来た時は驚いたよ』

『倒し方は分かる?』

『マナを使えば倒せると、ただ……』

『大量のマナが必要になる』

『そう、そこが厄介だね』

『必要最低限を見極めるのは難しいと思うけど、丁度良い訓練と思ってやっちゃって』

『はは、相変わらずだねマスターは……そちらは大丈夫かい?』

『うちの王都は問題無い。ただ帝都がちょっとマズいかな? 他にもヤバい所は多いが、早く本体の所へ行きたいんだけど中々……』

『こちらが終わったらそちらへ行こう』

『よろしくお願いします』


念話を終了するとサスケは、ワームに向かって歩き出すとサスケの周囲に数人の忍者が姿を現し、一緒にワームへ向かいながら全員が直刀を抜き、一斉に姿を消してワームへ襲い掛かる。

その様子を見ていた一般人は、忍者を見た事が無いがその異様な雰囲気に圧倒されていた。


アマネが纏める忍者と異界の里の忍者が一斉に首都へ集結し、化け物達と戦闘を繰り広げる。

その光景を見た老人の中には、未だ言い伝えられている事を思い出す。

『決して忍びの者に手を出してはならない』と。



仁皇国がそんな状態の時遠く離れた東の大陸にあるエルフの国パラテル内には、化け物は一切出現してないがブルライノ軍と戦争していた平地に、大量の虫と巨大なワームが出現し、パラテル軍が化け物達と戦闘を繰り広げていた。

エルフ達は銃による攻撃をしていたが、効かないと分かればすぐ切り替えて精霊魔法で攻撃をすると化け物達は、大きなダメージを受ける。


精霊による魔法は術者の魔力を渡して、精霊自身のマナを使用してるので、化け物にとっては有効だ。

それでも大量に居る虫と巨大なワームを殲滅する程の戦力は無い。

徐々に押され始め、隊列を組んでる兵達に巨大なワームが襲い掛かった時、ワームの身体がピタッと動きを止め、線が入るとワームの全身がバラバラになって崩れ、黒い靄になり消滅。


驚くエルフ達は、土煙が晴れてくると平地の中に1人の男が立っているのを発見。

その男は振り返り、笑みを浮かべて言う。


「大丈夫かお前ら?」

「あなたは!?」


エルフ達が驚くその男は、無精ひげを生やして外套を纏った者。

ゲームではキジ丸の試練を行った男。

そう、使徒の半蔵だった。

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