第13話

ドンドンドン!


煩い騒音によって起きた丹華。


「……睡眠の邪魔は…許されない………」


目がガン開きの状態の丹華。

ポツリと呟いた言葉には恐ろしいほどの怨念が込められている…ように感じられた。


「……睡眠の邪魔をする者には…鉄槌を下すべし…消えろぉ、消えろぉ」


もういっそモンスターと言った方が伝わるかも知れぬ幽鬼の如き丹華。

フラフラとした足取りで、ベッドから降りると。

彼女は呪詛を吐き始めた。


「消えろぉ、消えろぉ。睡眠の邪魔をするものは…消えてしまえ…睡眠を邪魔するものは悪である…我は正義。欲求に従い我は、敵対者の死を願う──────消えちまえ」


訂正。

呪詛ではなく呪文だった。

それも怨念の籠ったとびきり効果のある代物。


……果たして敵対者は生きているのか。

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