第43話



 そのまま、満弾のハンドガンで、モンスターの首の後ろに6発打ち込む。


 打ち込むんだが、この6発で抜け出せなければ、どうにもならない。


 1発目。

 まだ、だめだ。

 

 2発3発目と撃ち込んでいく。


 モンスターってのは、頑丈なものなんだな。


 ほんと、軽蔑するよ。


 モンスターなんぞに賭けにでなきゃいけないなんて事が、腹立たしい。


 何故、僕がモンスター相手に。


 6発撃ち込んでも、モンスターは呻くだけで、鯖折りモーションを途絶えさせなかった。


 この先は、分かる。


 「ィ ラ 」

 

 モンスターは技名を言おうとしてるのだろうが、言えていない。


  鯖折りから、ボディスラムに繋げられ、逆さまにされ、地面に叩きつけられる。


   僕は、身動きがとれなかった。


 やはり、痛みは少ない。


 しかし、どこか恐怖心もゲームのシステムに反してあまりない。


 今はコントローラー入力が受け付けられないので、どうにもならないんだ。


 恐怖とは、自身が動ける状態で、なんとかできる状況で、選択による緊張感というのも大きなファクターだ。


 それが、どうしようもない時ってのは、もう恐怖にもならないんだ。


 分かっている。

 

 このまま、コントローラー操作が受け付けられるまでに仕留められる。


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