第2話 クロムハーツ
息子と一緒に川に行った連中は誰も見舞いに来なかった。
そりぁ、来れないわよね。
あんな奴ら。
気持ちの優しい息子をあんな風に変えた奴らの顔なんか見たくもない。
警察の事情聴取も受けてるみたい。
ざまあみろ。
あいつらとつるむようになったのは、息子が
中学生の頃。
最初は万引きだったわ。
警察から連絡をもらって、信じられなくて。
警察の帰り道。
「ね、はー君は友達に無理矢理にやらされたんでしょう?
お母さん、わかってるから。」
私は慰めたくてそう声をかけたわ。
「はぁーー??
ババア、何いってんの??
あのさ、コンビニやスーパーなんかの棚から
ぜーんぶをダーってカバンに落とし入れるのって面白いんだぜ?
あー、模試の結果が良かった時に買ってくれた
クロムハーツのバックは使いやすかったんだ。
サンキュー。
じゃあな。俺、ダチが待ってるから。」
私、混乱したわ。
あの子は誰なの?
私のはー君はあんな子じゃない。
お勉強が出来て、将来は進学校に行くのよ。
そして、大学も有名国立大。
その為に夫の転勤にもついて行かなかった。
パートのお金は塾に費やしてきたわ。
なのに、どうしちゃったの?
ねぇ、はー君。
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