第6話「一宮東海」

20XX年4月11日17時37分。異能者係オフィス。


「そういえばさ、部長っていつ帰ってくるんだっけ??」

「あぁ、なんか仕事先で結構立て込んでるみたいで明日になるって言われた。」

「明日かぁ。」

「部長さんですか??」

「あぁ、明日ここの支部の部長が出張から帰ってくるんだ。」

「そうなんですね。」

「とっても怖いけど怒らせなければ大丈夫だから。」

「なるほど・・・。明日正装とかした方がいいですかね。」

「あはは。大丈夫よ、トラチャンはあくまで、ここでかくまってる子だから。」

「そういえば、氷川君。白虎君のことは部長に言ってるの??」

「・・・・」

「おまえ、言ってねえのか。今すぐ言おう。」

「そ、そうだね。行ってくる。」


氷川さんはめちゃくちゃ焦りながら電話を片手に走っていった。


20XX年4月11日19時44分。流造荘(氷川の家)。


僕は、氷川さんの家でしばらくお世話になることになった。


「どうだった?今日一日、異能者係で働いてみて。」

「とても楽しかったです。」

「いやぁ、それはよかった。明日は部長がおそらく出勤したらいるから、一緒に挨拶をしようか。」

「はい。・・・。」

「うん???どうしたの???」

「部長さんは、怖いんですよね??」

「そうだねぇ、結構。・・・。まぁ、でもいちばんやさしいよ。安心して。」

「はい。」


しばらく、談笑をしてから僕らは眠りについた。

疲れもあってかすぐに眠った気がする。


20XX年4月12日9時30分。異能者係玄関。


「さて、白虎君。入ったら部長がいるから挨拶をしてね。」

「まぁ、俺らが一緒に行ってやるから大丈夫だけどな。」

「ええ、名前と年齢ぐらい言えばいいわ。」

「わ、わかりました。」


扉を開けると土御門さんが受付をやっておりその奥にとてもダンディーな男性が部長机に座っていた。


「おはようございます。おとといから氷川さんたちにお世話になっております。西野白虎です。年は19歳です。よろしくお願いします。」

「・・・。」

「「「部長??」」」

「・・・。」

「???」

「すまん、こちらこそよろしく頼む。一宮東海(いちのみやとうかい)だ。」

「お願いします。」

「なんで、今黙ってたんですか??」

「いや、やっぱり、2年ぶりだから緊張した。」

「もう~~~部長ったら~~~」

「・・・。そもそもな、氷川。お前が報告が遅いからだ。お前だけこっちにこい。」

「えええ~~~~。」

「あ、西野君。ゆっくりしていってね。いくらでもいていいから。」

「はい!ありがとうございます。」

「よかったな、白虎。」

「まぁ、あんな感じよ。」

「トラチャン。いらっしゃい。」


そんな感じで受け入れてもらえてよかったと感じた朝でした。

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