短い詩集

百合珠紀

1

こんな雷雨の夜に部屋の電気を消して、稲光が一瞬だけ六畳間を照らす時。

小さなこの部屋は私だけの城から無機質な独房へと変わる。

何もかもが丸裸にされて、この手の中には何もなく、そのことにはたと気づく深夜。

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