第3話 あくまでも副業

「さて、お主に伝えなければならんことは全て伝えたはずじゃし…それではお主、この城で我の補佐として働いてみるつもりはないか?」


「………は?……はぁぁ!?え?なんで!?」


え?どういう話の流れ?イミワカラン……


「見たところ今の所お主に悪夢の女王ナイトメア・クイーンの魔力はないようじゃがこの先どうなるか分からんからのぅ、少し言い方は悪いが不穏分子をみすみす放っておくわけにはいかんのじゃよ」


「…………」


「じゃが安心せい、福利厚生も整っておるし生活には困らないないだけの給金も出る、その上年2回のボーナスもあるし交通費は全て城負担。城下の住めば特別手当が出るぞ?何なら城の近くには城詰の者専用の寮もあるぞ、もちろん家賃はタダで光熱費は城負担じゃぞ。それに加えて完全週休二日制(土・日)祝日じゃ、その上お主が望むならさらに」


「ちょっとストップ、ストーップ!」


「なんじゃ?そんなに急がなくても契約書は逃げていかんぞ」


「いや、そういうことじゃなくて…なんっていうかその、急すぎて状況が上手く把握できていないからもう少しゆっくり考えたいというか…」


急展開すぎる…この場に居れば誰だって私と同じような反応をすると思う。

そりゃあそうだろう急に目の前に魔王城が現れたかと思ったら悪夢の女王ナイトメア・クイーンの魔力だなんてかっこいいものが自分に宿ってると思って期待していたら多分ないだなんて言われたんだ、酷くない⁉︎

下手な精神系魔法よりもショックでかいよ…


「ふむ、それもそうか……では1ヶ月の期間をやる、その間に結論を出せばよい」


「え、えぇ……」


「とはいえ期限だけあったとしても実情を知らぬようでは意味がないからな。その間、エスタナを見て回っても構わんし、この城に滞在しても構わん、何なら我の元で体験的な感じで働いてみても構わんぞ?」


「えっと…じゃあ一度国元へ帰るってのは……」


「あぁ、勿論それも構わんぞ過程がどうであれ1ヶ月後に結論を出してくれれば我はそれで構わんからな」


「えっと…じゃあそういうことで」

こいつ、絶対途中でめんどくさくなったな。



後になってなんでこの時特に考えもせずに返事をしてしまったのか甚だ疑問ではあるがこれのお陰(?)で後に大陸全土で語り継がれる程の伝説が生まれるのだから多分黒字なのだろう…‥多分。








───────


結局そのままの流れで会話は進みルーシェは一度国元に帰り準備を整えた後、もう1度エスタナに出向き、城下の様子や城での魔族達の働いている様子などをしっかりと観察した上でシェリルにの勧誘に対して回答することとなった。


話し合いもある程度落ち着いたところでルーシェはずっと疑問に思っていたことをシェリルに尋ねる。


「そういえばなんで私は魔王城の前に立ってたの?確かライサン王国内で手負いのメタリックスライムを追いかけてたと思ったら森を抜けた次の瞬間突然目の前にエストランド城が現れたんだけど……ハッ、特別な魔法とかで召喚されちゃったとか⁉︎まぁ私って可愛いし?美少女だし?見た目麗しいうらわかき乙女だし?召喚しちゃう気持ちも分かるけど許可もなしに私の初めて(の召喚魔法経験)を奪うのはいただけないな〜?」


「なんじゃこいつ、滅茶苦茶ウザいのぉ、しかもあながち間違っていないのがまた癪に障るわい」


「え、まじ?」


「うむ、『まぁ私って』以降のくだりは全く関係ないがお主を召喚魔法でこの城に呼んだのは間違いない」


「誰が?」


「我がじゃ」


「………え?…じゃあなんで私縛られてるの?」


「……それは、その、、、元々呼ぶ予定のない者を突然呼び出したから城の者達に伝えれてなかったんじゃ…それに関しては迷惑を掛けてしまって悪かったと思っている、本当にすまんかった」


そう言ってシェリルは深々と頭を下げる、いやその前にこの亀甲縛りをなんとかしてくれ。


「ちなみにその亀甲縛りはお主を縛ったあの衛兵の趣味じゃ」


え……?


衝撃の告白と共に今日1番の衝撃「魔族の間でも亀甲縛りの需要はあるらしい」





───────

強引で作品の都合に合わせた展開になってしまいました、すみません。

本話以降でも今回のように強引な展開となってしまう場合があるかもしれませんができる限りそのような事にはならないように意識して執筆するので華氏82.4度ぐらいの生暖かい目で見守ってください、お願いします。

また、本作品に対するアドバイス、誤字指摘、ストーリー的に違和感のある場面の指摘などお待ちしております。

筆者の強化ガラス並みのクソ雑魚メンタルで耐えれる程度の優しい言葉で指摘していただけると幸いです。

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