第11話 ダンジョン3
第11話 ダンジョン3
リディアは魔物を次々と倒し、レベル54に到達していた。彼はカンストがレベル上限99でないことを願いながら、ダンジョンを深く進んでいく。地下2階に降りたところで、大型のサソリのような魔物に遭遇するが、事前に手に入れていた猛毒耐性がここで役立つ。
リディアは大型のサソリの魔物と対峙した瞬間、猛毒耐性と麻痺無効のスキルがあることで大きな自信を感じた。サソリの毒針が彼を襲ったが、毒に侵されることなく、まるで何事もなかったかのように戦いを続けることができた。「本当に良かった。猛毒耐性と麻痺無効があったから、こんなに簡単に倒せたんだ。痛みを楽しんでいたわけじゃないからね!」リディアは安堵の息をつきながらつぶやく。サクラが「シャー?」と不思議そうに鳴き、彼の言葉に耳を傾ける。
リディアはダンジョン内での戦闘が、自身のレベル上げにもってこいであることを悟る。高レベルの魔物が多いこのダンジョンは、彼にとって絶好の練習場だった。「実はね、サクラ。このダンジョンでの戦い、右手だけで戦ってみたいんだ。まるであの〇ラゴンボールの〇リーザ様みたいにね」とリディアは冗談交じりに言い、一歩踏み出す。
そして、戦闘の最中、リディアはフリーザ様の有名な一言を口にする。「殺しますよ!!」と叫びながら、サソリの魔物を魔法弾で撃ち抜く。このセリフを言うことで、彼の内に秘めた闘志が一層燃え上がった。サソリを簡単に倒せたことは、リディアにとって大きな勝利であり、その勝利をさらに甘美なものにした。
決して中二病ではないよ…
リディアは2階を隈なく探索し、次に3階へと足を踏み入れた。「このダンジョンって一体何階まであるんだろう?今日は5階を目標に頑張るかな。」と考えながら進んでいく。
3階には骸骨騎士のような魔物が現れ、ダンジョンの魔物の統一性のなさに少し思いを馳せるが、それでも魔法弾の検証には最適な場所だった。リディアは、戦闘の幅を広げるために剣や弓の技術も向上させる必要があると感じていた。「ふふふ、剣道2段の実力を見せてやるぜよ!」と意気込み、剣を振るう際は足腰もしっかりと使うことが基本であることを心に留める。
ダンジョンの宝箱を探しながらも、3階では宝が見つからず4階へと進むことに。4階ではモンスターハウスを発見し、そこでの戦闘で美味しくレベルアップを果たす。
5階に到達すると、そこは階層の主がいるのか扉を発見。「これは、ボス戦以外の何者でもないよね。」と直感する。しかし、戦うべきか、もう少し5階を探索してレベルを上げてから挑戦するべきか悩む。リディアは、「ゲームみたいな世界だけど、死んだら本当に終わりだからな。」と冷静に判断し、もう少し戦闘経験を積んでから挑戦することに決める。「待ってろよ。強くなって帰ってくるから。」
そして、サクラと共に再びレベル上げを始める。アイテムボックスには魔石が満載。そして、気づけばリディアはレベル90に到達していた。
リディアとサクラがボスの扉を開けると、彼らの前には壮大な広間が広がり、中央に圧倒的な存在感を放つ巨大なドラゴンが悠然と佇んでいた。「おいおい、まさかのファンタジーの象徴、ドラゴンとの対峙だよ!」リディアは興奮を隠せずにつぶやく。このドラゴンは火を吐くタイプではなく、冷気を操るタイプで、その証拠に広間は冷たく、息をするたびに白い息が見える。
戦いの舞台は整えられた。「さて、サクラ、いくぜ!」戦いの幕明けとともに、サクラは先制攻撃として獰猛な毒ビームを繰り出す。その一瞬の隙を見計らい、リディアはドラゴンに果敢に接近し、全力で衝撃波を叩き込むことを試みた。しかし、ドラゴンがリディアの動きに反応し、放った冷気の息が空間を支配した。
この冷気の息は、ただの寒さではなく、魔力を帯びた氷の壁のように周囲を包み込み、リディア
の衝撃波を完全に吸収してしまった。魔力の冷気は、リディアの攻撃のエネルギーを瞬時に凍らせ、その威力を大幅に弱める。さらに、冷気はリディアとドラゴンの間に障壁を作り出し、リディアの攻撃がドラゴンに届く前に勢いを失わせたため、ほとんどダメージを与えることができなかった。
「ウロコが固い…」とリディアは心の底から思った。それだけではなく、ドラゴンの放った冷気が予想外の障害となり、攻撃を効果的に阻止したのだ。
「これならどうだぁ~っ!」リディアの声は決意に満ち、空気を震わせた。
「魔法弾ガトリング!」 ガガガガガガと轟音を轟かせる連射が始まった。一発一発が、空間を切り裂くような猛烈な勢いでドラゴンに向かっていく。
何発かは見事に鱗を貫通し、血しぶきが空中に舞い上がる。しかし、ドラゴンもただ黙っているわけではなかった。周囲には、まるで古の呪文が具現化したかのような魔法陣が幾つも現れ、リディアとサクラを狙って、冷酷無比なアイスランスが次々と襲い掛かる。
アイスランスが次々に襲い掛かる中、リディアとサクラは追い詰められる。リディアは必死に魔法弾で破壊していき、サクラは敏捷に動きながらアイスランスを回避しようとするが、数が多すぎて完全には避けきれない。一本がリディアの肩をかすめ、冷たい痛みが体を貫く。
「くっ、これは厄介だ…!」リディアは痛みを抑えながら呟く。サクラも「シャー!」と鳴き、不安と緊張を露わにする。その時、ドラゴンが彼らに迫り、巨大な尻尾を振り回す。リディアは何とか回避しようとするが、速度と力が強大すぎて間に合わない。
どーん!という衝撃音と共に、リディアは吹き飛ばされ、サクラもバランスを崩す。リディアは無慈悲にも地面に叩きつけられたが、痛みを顧みず、ほどなくして立ち上がり、サクラと目を交わす。
リディアの左腕は無様に折れ曲がり、もはや役に立たない。リジェネの魔法でさえ、完全回復には5分から10分を要する。だが、その時間を待つ余裕がないことを、リディアは痛感していた。彼は深く息を吸い込み、サクラに「諦めないぞ、サクラ!一緒に乗り越えよう!」と力強く言う。
サクラを守る責任がリディアの肩にのしかかる。
俺が弱音を吐くわけにはいかねえ。
諦めるなんて、ありえない!
最後に勝つのは俺たちだ!
負けたら何もかもが終わりだ。だから諦めねぇ~っ!!
右手が動けば何とかなる。
サクラに目配せをし、小声で「LED」と呟く。
右手からは想像を絶するほど強い光を放射する。
この光は、サクラも予期していたようで、すぐに目を閉じた。
「ガーーーーーっ!!」
というドラゴンの咆哮が、再び空を裂く。
その声には、苛立ちと苦痛が混じり合い、リディアとサクラに向けられた明確な敵意が込められていた。
その一瞬の静寂を破り、リディアは決死の覚悟で呪文を唱える。「魔法弾ガトリング改!」その声は決意に満ち、リディアの唇から離れると同時に、空間を震わせるほどの轟音と共に、ガガガガガガという連射音がドラゴンに向けて放たれる。
まるで無数の矢が雨あられと降り注ぐかのように、魔法の弾丸が空を切り裂き、その全てがドラゴンを目指して飛んでいく。
そして、その隙を逃さず、サクラも戦場の影から一筋の死を呼ぶ光を放つ。サクラの口から解き放たれた毒ビームは、まるで生き物のようにしなやかに動き、ドラゴンの死角を狙って炸裂する。その光は、見る者の目を奪い、放たれた毒がドラゴンの皮膚を容赦なく焼き付ける。
この見事な連携プレイが、戦況を一変させる。ガトリング改の無慈悲な連射と、サクラの計算し尽くされた毒ビームが交錯する中、ドラゴンの動きは明らかに鈍くなる。その巨大な体は、ガトリング改の連射とサクラの毒ビームの猛威に晒され、苦痛に満ちた怒りを込めて最後の力を振り絞る。
突然、ドラゴンは一際強力なエネルギーを体中に溜め込み、絶望的な反撃を試みる。その目は燃えるような怒りで輝き、一瞬の沈黙の後、全ての力を解き放つ。巨大な口からは、壊滅的な氷の息が吐き出され、その破壊力はまるで天を裂くかのようだ。
しかし、リディアは冷静さを失わない。
彼女はこの瞬間を待っていた。
ドラゴンの攻撃が炸裂する一瞬前、驚異的な敏捷性で攻撃をかわす。時間が遅れるような感覚の中、リディアは空中を舞い、ドラゴンの氷の息を巧みに避ける。
そして反撃の時が来た。
リディアは地に着地するやいなや、全身から溢れ出る魔力を一点に集中させる。
その手から解き放たれるのは、彼女の全力を込めた衝撃波だ。
この衝撃波は、光と音の爆発と共にドラゴンに直撃する。
猛烈な力がドラゴンの体を貫き、その場にいたすべての者が目を見張るほどの圧倒的な力の展示だった。
ドラゴンは、その強大な体が地面に崩れ落ちる。
最後の息を吐きながら、その瞳からは怒りが消え、静かな受容へと変わる。
最後の息を静かに吐き出す中、ドラゴンの瞳からはかつての怒りの炎が消え、深い静寂へと変わっていった。
そして、その巨大な体は徐々に透明になり、やがては完全にこの世から消え去った。
しかし、その場所には何もなかったわけではない。
ドラゴンが消え去った地点には、輝く巨大な魔石と古びた宝箱が静かに残されていた。
リディアとサクラは、しばらくの間、その場に立ち尽くし、戦いの後の静寂を感じ取っていた。
「よっしゃーっ!!」
「シャ~っ!!」
主人公のステータス
レベル:101(UP)
名前:リディア
種族: エルフ(48歳)
性別: 男
魔法:
火魔法 レベル4(UP)
水魔法 レベル8(UP)
風魔法 王級3(UP)
土魔法 王級2(UP)
光魔法 王級1(UP)
スキル:
ユニークスキル「AI」
ユニークスキル「アイテムボックス」
錬金 初級
魔力操作 上級(UP)
身体強化 上級(UP)
麻痺無効
猛毒耐性
痛覚耐性
テイム:
白蛇サクラ
称号:
世界を超えたもの(言語理解、隠蔽、鑑定)
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