エマール王都での戦い
ルシアス達が砦に着いてから6日後聖騎士団とニールの連合軍はエマール王国の東に陣地を構えて、エマール王国各地の諸侯を決起させて王国を混乱させていた。
エマール王国は各地に軍を送らねばならず王都の兵士や騎士達も手薄になっていた。
聖騎士団とニールからの書状を見たクラウディアの指揮する軍とルシアス達はエマール王国の王都へと進軍した。
「セシル、私達が進軍して城内に入ったらお前たちはドラゴンの背に乗って王宮へと向かってくれないか?なるべく我の軍や魔物に騙されているエマール王国の民や兵士、騎士達の生命を散らせたくない。」
「分かりました、将軍。」
行軍していくアルムガルド帝国の軍とルシアス達の先頭の兵士から声が聞こえた。
「エマール王国の王都がみえました!」
行軍を停止させてクラウディアは自らが先頭に向かった。
先頭に立ったクラウディアは軍を左右に展開して王都を囲んでいく、エマール王国軍は突然現れたクラウディア達に慌てて門を閉じて城壁から矢を放つと帝国の重装歩兵達が盾を構えて防ぎ城門へと向かっていく。
帝国兵達は城門を破城槌で幾度となく叩き門を打ち破ろうとする。
「もう少しだ!門を破れ!」
やがて門を打ち破ろるとクラウディアを先頭にして帝国兵や騎士達は王都へと流れ込んだ。
「民や戦意の失った兵達にはかまうな!!」
城門が破れるのを見たルシアス達六人はバルアの背に乗って王宮へと向かっていく。
ルシアス達が王宮につくと兵士や騎士達が出てくるがバルアの炎のブレスで焼かれていった。
城門を破り中に入ったクラウディア達も王都の深くまで入り込んでいた。
「バルア!中庭まで飛べるか?」
「承知した!ルシアスよ!」
上空に上がったバルアは中庭まで来るとルシアス達を降ろした。
「行け!ルシアスよ!ここへと進んでくる敵は我が焼き払ってくれよう!」
「頼んだ!バルア!」
ルシアス達は国王に化けた魔物とカミラ達を探して2階へと進んで行った。2階に上がると謁見の間に続く道をルシアス達は進んで行った。
何十名かの騎士や兵士たちがルシアス達を足止めしようとしたがルヴェーラのスリープの魔法で眠らされた。
謁見の間に着くと玉座には1人の男が座っていた。
「まったく、してやられたな。まあいいあの方が魔族を蘇らせれば私達は再び人間達を蹂躙出来るだろう。」
「お前が王に化けている魔物だな!!カミラとアルバートは何処だ?!」
「アルバート?ああ、その男なら俺の腹の中で死んだよ。」
「カミラは何処だ!」
「あの方のなら古い魔族を蘇らせにいったよ。だが安心しろお前達があの方に会うことはない。お前達は皆、俺の腹の中で死ぬのだからな。」
そう言うと男は姿を変えた。大きさは三倍程に変わり、腕が四本になり腹が裂けて大きな口にになった。
「恐らくデーモンの一族です!」
「戦いを始めようか!人間ども!」
ルシアスは真っ先にデーモンに斬り掛かったが剣を素出で受けとめられる蹴りとばれて肋骨の何本かが折れてルシアスはその場に蹲った
セシルが続いてデーモンに斬り掛かっていくと切られた傷は一瞬で再生し、デーモンはセシルにアイススピアの魔法を唱えて氷の矢を放ちセシルの胸を貫く。
セシルはその場に倒れて動かなくなった。
残っていた四人にデーモンはエクスプロージョンを唱えるとルヴェーラがマジックシールドの魔法で自身と三人を守ろうとしたがデーモンの魔力の方が上で四人は爆風に吹き飛ばされた。
アルマの剣をみたデーモンは呟いた。
「小娘が!厄介な剣を貴様から食らってやろう!」
ゆっくりとアルマに近づくデーモンを見てルシアスは立とうとするが力が入らなかった、セシルの方をみるとセシルは口から血を流していた。恐らく致命傷だとルシアスは分かった。
(セ、シルさ、、ん)
アルマに近づいて行こうとするデーモンの前に起き上がったマナが立ち塞がった。
(、、、マナっ!アルマ、、!)
「よかろう死に急ぐなら貴様から食らってやろう!」
マナがシェイダル神に祈りを捧げるとデーモンの体が光に包まれた。
光に包まれたデーモンは目が眩み動きも鈍くなった、倒れた仲間達を見てマナは思った。
(誰も死なせない、私の命に変えても、、、、!)
マナが再びシェイダル神に祈るとルシアス達は光に包まれて傷が一瞬にして癒やされていく、そしてマナは祈りを終えるとその場に倒れ込んだ。
最初に起きたラルフが弓を射ってデーモンの両目を射抜くとセシルが再び立ち上がり後ろからデーモンの身体を剣で貫いた。
マナの祈り、シェイダル神の力でデーモンは再生能力を失っていた。
クレイモアを手にしたアルマはデーモンに思い切り振り下ろして肩から腹まで切る。暴れ回るデーモンにルシアスが心臓に剣を突きさすとデーモンはゆっくり倒れて動かなくなった。
デーモンを倒した5人は倒れたマナの元へと向かった。
「マナ!」
何度もマナの名前をルシアス達は叫ぶがマナからは何の反応もなかった。
「ルシアス!ここは私達が残ります!貴方はマナをシェイダル教の司祭がいる神殿へ!」
「ああ、ルヴェーラ。頼んだぞ!」
ルシアスはマナを抱きかかえるとバルアの下へと急いだ。
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