企業のトップに立つ彼らが隠し続ける秘密とは? 愛と権力が交錯する中で、果たして真実の愛は勝利するのか――

@minatomachi

第1話 リゾートでの再会

清水コンツェルンの専用リゾート。ロビーに足を踏み入れた美咲は、目の前に広がる壮麗な光景に息をのんだ。大理石の床は月明かりを受けて柔らかく輝き、壁には美しい絵画が静かに飾られている。シャンデリアの光が優しく室内を包み込み、暖かみのある雰囲気を醸し出していた。


その中で、隼人の姿を見つけた瞬間、美咲の心は安堵で満たされた。隼人が彼女に向かって歩み寄り、微笑みながら手を差し出す。


「お待たせ、美咲。よく来てくれたね。」


その声に美咲も微笑み返す。「隼人、来られてよかったわ。本当に素敵な場所ね。」


「ここなら、誰にも邪魔されずに過ごせるよ。さあ、部屋に行こう。」


隼人の言葉に、美咲は頷き、彼の後を追った。廊下を進むと、窓の外には広がる庭園が見えた。月明かりに照らされた木々が優雅に揺れ、風に乗って香る花の匂いが心地よい。


リゾートのプライベートな部屋に入ると、隼人は美咲の手を取り、優しく微笑んだ。部屋の中はシンプルながらも高級感があり、柔らかな照明が温かい色合いで室内を包んでいた。


「今日は特別な夜にしよう。君と一緒にいられる時間が何よりも大切だから。」


その言葉に、美咲の心はさらに温かくなった。「ありがとう、隼人。私もずっとこの日を待っていたの。」


隼人は美咲をソファに誘い、二人は並んで座った。隼人はワインを開け、クリスタルのグラスに注ぐ。ワインの深いルビー色がグラスの中で輝き、二人の間に静かな高揚感が広がった。


「乾杯、僕たちの時間に。」


「乾杯。」


グラスを合わせ、二人はワインを一口飲んだ。隼人は美咲の手を握り、真剣な表情で語り始めた。


「美咲、君と一緒にいると、全ての問題が忘れられる。でも、僕たちの関係が誰かに知られたら…」


「分かっているわ、隼人。でも、私はあなたと一緒にいることを選んだの。どんな困難があっても、乗り越えましょう。」


「ありがとう、美咲。君の言葉が僕に力を与えてくれる。」


隼人は美咲をそっと抱きしめた。彼女の香りと温もりを感じながら、隼人はこの瞬間が永遠に続くことを願った。


夜が更けると、外の景色はリゾートの美しい夜景で彩られていた。月光が庭園を銀色に染め、穏やかな風が木々を揺らす。静かな夜の中で、二人の愛は確かに深まっていった。

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