第5話 東京中央ダンジョン1
Sランク昇格から数日後。
私は再び協会に呼び出されていた。
「会長?何の用?」
「ああ、来てくれたか。とりあえずそこのソファーに座ってくれ」
「それで何の用?協会が呼び出すってことはダンジョン関係だとは思うけど」
「ああ、その通りだ。この間お前配信者助けたろ?」
配信者?あのダンジョンを配信してる人たちのこと?私助けてたの?
「え?そうなの?」
「覚えてない...というか知らんのか。この間お前がSランクに上がった理由のスタンピードに巻き込まれてたやつらがいたはずだ」
巻き込まれた人...あぁあの私逃げろって言ってた人たちのことね
「ん~.........あぁそういえばいたね」
「これは記憶から消しとんどったな。まあいいそいつらがお礼を言いたいって言ってるんだがどうする?」
「興味ないからどうでもいい。断っといて」
「わかった」
「用はそれだけ?」
「そうだな」
「じゃあ私からも一ついい?」
「なんだ?無茶ぶりじゃなければ基本的にいいが」
「Sランク以上のダンジョンに潜りたいんだけどいい?」
「構わないが一つ義務...というよりルールがあるんだがそれを守ってくれるならいいぞ」
「ルール?何?」
「Sランク以上の探索者がダンジョンに潜る時は配信をするというルールだな」
え?なにその変なルール
「なにそのルール」
「まあ、理由としてはもしモンスターが原因でSランク以上が死んだときどのランクならその死因に対応できるか確実に見定めるためだな」
「なるほど、その理由だったらいいよ。アカウントは私のやつ使わないといけない感じ?」
「そうだな。協会のアカウントは一つしかないしそれぞれのアカウントでやってもらうしかないな」
「了解」
よっし許可もとれたし私もこれでいいかな
「他は大丈夫か?」
「うん大丈夫」
「じゃあ帰ってもらっていいぞ。今回はわざわざ来てもらって悪かったな」
「いや、私もいい話が聞けた。またね」
「ああ、またなんかあったら来いよ」
そのまま協会を後にしてダンジョンに向かった
Sランク以上のダンジョンに潜る許可もとれたし潜らない理由はないね!
Sランク以上のダンジョンはこれまでの...というかAランク以下のダンジョンとは格が違うと言われている。
AランクダンジョンとSランクダンジョンを比較してみてみると、結構違いが出て来る。
Aランクダンジョン上層では適正ランクより下のBランク中位のモンスターばっかりになる。
けどSランクダンジョンでは上層でも適正ランクより上であるSランク上位からSSランク下位がデフォルトで出て来る。
だからSランクダンジョンは実力が足りないSランクが潜ると普通に死ぬ。
大抵のSランクはそういう理由があるからAランク上位のダンジョンに潜ることが多い。
まあ私はそんなことしないけどね~
強いやつと戦いたいからSランク以上のダンジョンに潜るのにわざわざ弱くする必要はないよね~
それに私SSランクの不死の王倒してたみたいだし。実感ないけど。
探索者協会東京本部から歩いて10分今日潜るダンジョンについた。
「さてついたし配信付けないとね」
配信機材はもらってたしそれを私のアカウントに紐づけて起動する。
ん~...これでついたのかな?
しばらくその機材をのぞき込んでると反応が返ってきた。
『うおっきれいな顔が近くにっ!』
「あ、これで合ってるみたいだね。こんにちは」
『あ、こんにちは』
「これからダンジョンに潜るから配信付けたよ」
『了解です』
「さて、説明も終わったしさっさと潜ろうかな」
『どこ潜るんですか?』
「ん今日は東京中央ダンジョンに潜るよ」
『...え?SSランクダンジョンに潜るんですか⁉』
「え、うん。だって強いやつと戦いたくて探索者やってるし」
『oh...戦闘狂の方でしたか...頑張ってください』
「じゃあいくぞー」
そう言ってSSランクダンジョン〈東京中央ダンジョン〉に潜り始めた。
おぉぉ...雰囲気がBランクダンジョンとは圧倒的に違う...
これは楽しみだなぁ!
『うぉぉ...配信越しでも伝わる雰囲気初めて見たけどこれはすごいなぁ』
『初見』
『今北』
『ここどこ?』
『東京中央ダンジョン』
『自殺志願者?』
『いや戦闘狂さん』
『あ、早速接敵した』
「お、やっと敵出てきたな。大鎌は...まだいいか魔法でやるか」
目の前の通路から出てきたのはリッチとエルダーリッチが混じった10体くらいの集団
『うわぁ、あれに接敵したら大体の探索者は絶望するなぁ』
『リッチ5体とエルダーリッチ5体か』
『全部Sランクと言えあそこまで集まるともうSSランク必須だよなあ』
『それよりこの人大鎌使ってるのか?もしかして死神?』
『う~ん背も小さいしありそう』
「う~ん氷魔法でいいか。永遠に凍てつく氷の牢獄よこの地に深淵の寒冷をもたらさん!『
迷宮の床に魔法陣が現れる。
それは巨大であり見る人を魅了するほど美麗な魔法陣だった。
大きな円の中にいくつもの円が重なりそれらの円の中央には五芒星が書かれていた。
その魔法陣の領域内のものをすべてを凍てつかせる吹雪のような風が吹き荒れる。
その風はリッチ、エルダーリッチの混成部隊をすべて凍らせ壊滅させた。
「こんなものかなー」
『さらっと最上位魔法放ちやがった...』
『最上位魔法ってこんなに威力高いんだな』
『味方いたら巻き込みそう』
「失礼な味方いたら巻き込まない魔法撃つよ」
『それってこの魔法が味方も巻き込むってことですよね』
『確かにそう読み取れるな』
そうやって視聴者とわいわい話しながらどんどん奥深くへ進んでいった
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