死神少女のダンジョン攻略
シロ
第1話 死神少女無双する
「ん〜今日なんかモンスター少ないなぁもうちょっと下まで潜ろうかな」
私はそうつぶやきながら大鎌で切り裂いたモンスターから落ちたドロップアイテムを拾いながら、この生活を始めたころを思い出していた。
ダンジョン探索者。それは100年前に突如現れた、怪物が跋扈するダンジョンと呼ばれるものを探索する人たちの総称。
ダンジョン探索者は、ダンジョン内のモンスターを倒して落としたドロップアイテムやダンジョン内にしか存在しない鉱石や植物を集めて探索者協会で換金することで生計を立てている。
昔は命が失われる危険性が高いが、ダンジョン内のものはとても高価に取引されていたため、ダンジョンに潜る探索者たちのことを”命をチップに一攫千金を目指すギャンブラー”とも呼ばれていたらしい。
それも昔の話で、今でも命の危険にさらされることはあるが、探索者リングが普及したことによって、いつでもダンジョンを脱出できたり、救援を呼ぶことができるようになったため、昔よりも命の危険が減った上にダンジョンに潜ってしまえば、1回の探索ですごい人で100万以上最低でも10万は稼げたため月に3回潜れば、裕福な生活を送ることができたためとても自由度の高い職業として広まっていった。
それにより、どんどん探索者の数は増えていき、今では探索者は大人気の職業になっていた。
私、雪白 真白もそんな自由で稼ぎやすい探索者に憧れ中学校を卒業したと同時に探索者試験を受けて探索者になってもうかれこれ3年ほど活動を続けている。
ダンジョン探索者にはランクというものがあり、上からEX,SSS,SS,S,A,B,C,D,E,Fの順になっていて、それぞれのランクに応じていろいろな特典がついてくるが、それに伴って面倒なことがついてくるため、私は面倒事が嫌いなのと、あまり目立ちたくなかったため、面倒な義務がぎりぎりついてこなくて、それなりに色んな人が到達しやすいCランクでランクを止めていた。
ちなみにSランク以上の人たちは大体もう人間の域を外れてるレベルで強い。
「それにしても今日本当にモンスター少ないなぁイレギュラーでも発生したのかな」
私がいつも潜っているBランクダンジョンの下層。
いつもなら5分に1回モンスターの群れでエンカウントするはずなんだけど、今日は30分に1回くらいの上群れじゃなくて単体だしなんか雰囲気がおかしいんだよね。スタンピードの前兆か、Sランク以上の人が潜ってるのかな?
そんなことを考えながらどんどん深くに潜っていった。
「ぃゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「!...悲鳴?もしかしてなんかやばいやつに遭遇したのかなぁ?とりあえず助けに行こうかな。あ、けど服は目立たないように赤と黒のローブにしてフード被って顔が見えないようにしておこ」
悲鳴が聞こえた方に向かって走って向かうといくつかのパーティーがモンスターの大群に追いかけられて襲われてるのが見えた。
「あぁ、イレギュラー...スタンピードが起こっていたのね。まあ今日の稼ぎにできるからちょうどいいでしょ」
そう言ってモンスターの方へ向かっていったらこちらに向かって走ってきている一番先頭の男の人が叫んだ。
「逃げろ!!大規模スタンピードだ!」
その言葉を無視してモンスターの方へ歩いていく
「何してるんだ!死ぬぞ!」
「ふふふお兄さんたちは気にせず逃げていいよ...今日モンスターの数が少ないと思ってたら私が楽しめるようにスタンピード起こしてくれてたんだね...」
微妙に今日の稼ぎが少なくて少し焦ってたりイライラして上に普段から力を抑え込んで使っているため、久しぶりに力を出しても簡単には全滅しなさそうな大群に会ったため少しワクワクしていた。
「エンチャントスペル・絶」
普段抑え込んいる死の力を開放して、普段から使っている大鎌と自分にまとわせると自分からは黒いモヤが溢れだして、大鎌は刃の部分に黒いモヤを纏った。
その状態でモンスターの大群に歩いて向かっていった。
「起きて『紅月』」
そうつぶやくと大鎌が刃に纏っていた黒いモヤを吸収して刃が赤色にかすかに光った。
「ふふっ行くよモンスターさん?」
私はそう言うと地面を破壊するつもりで踏み込んで一気にトップスピードまで加速してモンスターの先頭と接敵した瞬間に大鎌を勢いよく振り抜いて先頭集団とその後方10mくらいを一気に切り裂いた。人形モンスターは上半身と下半身に泣き分かれて、動物型モンスターは上下に切り裂かれた。
黒いモヤを残しながら光になっていくモンスターを一瞥もせずにその勢いのまま後続に突っ込んで、どんどん切り裂いていった。
「ふふふ...あははははっ!」
(ひっさしぶりの感覚!これを私は求めてたの!)
久しぶりの力を出す感覚を楽しみながらどんどん進んでいく、斬って斬って斬って斬り捨てて1000体以上斬ったところでモンスターは一体を除いて全滅した。
骸骨の見た目だが、ローブを着て王冠をかぶったザ・ボスといった風貌の骸骨だった。
多分骸骨の王様だろうから王様と仮定する。
「あはは!あとあなた一人だね!...最後まで楽しませてね?」
最後のモンスターに向けて一気に向かい懐に潜って斬ろうとしたらフッと眼の前からいきなり消えて後方に現れた。
「へぇ...転移持ちなんだ。...ふふふ本当に楽しませてくれそうね!」
骸骨の王様が私に向かって各属性の魔法を30発ずつ放った。
私はその魔法の弾幕に向かって突っ込んでいき、すべての魔法をすれすれで避けて、切り捨ててを繰り返していく。
「いい...いいよ!もっと...もっと私を楽しませて!『短距離転移』!」
すべての魔法を切り裂き、骸骨の王の背後に転移して...
「奥義『月影』」
自分の最大火力を叩き込んだ。
ズバンっ!という音とともにその瞬間半径20m以内にあったものがすべて骸骨の王も例外なく半分に切れた。
「...あーあやりすぎちゃったなぁもっと楽しむつもりだったのに...久しぶりに私の一撃で死なない相手にあったのに...楽しみすぎて範囲系奥義最大火力叩き込んじゃった...まあ、やっちゃったことは仕方ないしもう全滅しちゃって用はないしこの王様の魔石だけ持ってかえろ...『転移』」
転移した真白は逃げていた人たちのことをもう忘れていた。
そして、その逃げていた人たちが逃げていった方向に固まってこっちを見ていたこと、その中にダンジョン配信者がいるのを知らなかった。
しかも、配信中だったため真白の殲滅劇が全世界に公開されてしまっていることを知らなかった。
さらに、視聴者によって真白の殲滅劇が切り抜かれて拡散されるなんて知る由もなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます