第3話 「幻の書棚」

(環境音: 書店の静けさ、時折ページをめくる音)


(書店の扉が開く音: カランコロン)


「こんばんは、いらっしゃいませ。またお越しいただき嬉しいです。」


(リスナーが入店する音、扉が閉まる音)


「今日はどんな本をお探しですか?前回紹介した童話集、いかがでしたか?」


(リスナーが頷き、本の感想を述べる様子)


「気に入っていただけて嬉しいです。今日は、もっと特別な体験を提供したいと思います。店の奥にある幻の書棚をご紹介しますね。」


(足音が店の奥に向かう音)


「この書棚は普段は閉じているんですが、特別なお客様にだけお見せしています。」


(鍵を使って書棚の扉を開ける音)


「どうぞ、中へ。」


(扉が開き、リスナーが中に入る音)


「ここには特別な本が揃っています。その中でも、この一冊は特に不思議な力を持っていると言われています。」


(本を取り出す音)


「この本は、開くとその物語の中に入り込むことができるんです。試してみますか?」


(ページをめくる音)


「本を開くと、次第に物語の世界が広がっていきます。目を閉じて、感じてみてください。」


(環境音が変わり、ヴィクトリア朝時代のロンドンの音)


「ここは、シャーロック・ホームズの世界です。ホームズとワトソン博士が活躍する、19世紀のロンドン。霧の中、ガス灯が灯る街並みが広がっています。」


(リスナーが周囲を見回す音)


「この通りを歩いてみましょう。ベーカー街221Bに向かいます。そこには、ホームズが住んでいるフラットがあります。」


(足音が続く音)


「見てください、あれがホームズのフラットです。近づいてみましょう。」


(扉をノックする音、扉が開く音)


「ようこそ、ベーカー街221Bへ。シャーロック・ホームズとワトソン博士が出迎えてくれます。」


「おや、見慣れない顔ですね。どうぞ、お入りください。」


(室内の音、暖炉の火がパチパチと燃える音)


「ホームズとワトソン博士が座っている様子が見えます。さあ、一緒に座りましょう。」


(椅子に座る音)


「君たちがここに来たのは、何か特別な目的があるのでしょうか?」


「ホームズ、もしかして新しい依頼が来たのかもしれません。」


「そうかもしれません。リスナーさん、ホームズと一緒にこのミステリーを解決してみましょう。」


(環境音: 室内の静けさ)


(扉がノックされる音)


「どうぞ。」


(ドアが開き、依頼人が入る音)


「お助けください、ホームズさん。私の宝石が盗まれてしまったのです。」


「落ち着いて、詳しくお話しください。」


(依頼人が話し始める音)


「今朝、家に帰ったら宝石箱が空になっていて、どこを探しても見つからないのです。」


「なるほど。お話はわかりました。私たちがその事件を解決しましょう。リスナーさん、私たちと一緒に来てください。」


(足音が室内から出る音)


(環境音: 街の音、馬車の音)


「まずは現場に向かいましょう。どんな手がかりも見逃さないように。」


(歩く音、家の前に到着)


「ここがその家ですね。リスナーさん、あなたも一緒に手がかりを探してください。」


(ドアが開く音、室内の音)


「さあ、手がかりを見つけましょう。」


(物を動かす音、ホームズの分析)


「この足跡を見てください。泥がついています。犯人は雨の日にここに来たようですね。」


(リスナーが他の手がかりを見つける音)


「素晴らしい。これは犯人が落とした手袋ですね。これを調べてみましょう。」


(ホームズが手袋を調べる音)


「この手袋には珍しい花粉がついています。この花粉はロンドンの特定の場所でしか見つかりません。さあ、その場所に向かいましょう。」


(環境音: 街の音、歩く音)


「この花粉は、この庭園からのものです。リスナーさん、もう少し探してみましょう。」


(庭園を探す音)


「見つけました。この痕跡は犯人がここにいた証拠です。さらに調べてみましょう。」


(ホームズが物を調べる音)


「ここに泥の足跡があります。この足跡を辿ってみましょう。」


(足音が続く音)


「ここです。この家に住んでいる人物が犯人のようです。」


(ドアがノックされる音、扉が開く音)


「ホームズさん、何のご用でしょうか?」


「あなたが今朝、盗まれた宝石を持っていることは間違いありません。証拠も揃っています。」


(犯人が動揺する音)


「すみません、認めます。宝石を返します。」


(宝石を返す音)


「事件は解決しました。依頼人に宝石を返しましょう。」


(環境音: 室内の音)


「ホームズさん、本当にありがとうございます。宝石が戻ってきて安心しました。」


「それは良かったです。リスナーさんもお疲れ様でした。あなたの助けがあってこそ、この事件を解決できました。」


(リスナーが喜ぶ様子)


「また何かあれば、いつでもお越しください。私たちはここで待っています。」


(ホームズの微笑む音)


(環境音が再び書店内に戻る)


「おかえりなさい。本の中の旅、楽しんでいただけましたか?」


(リスナーが感動を伝える様子)


「それは良かったです。物語の中で体験したことは、現実の生活にもきっと影響を与えてくれるはずです。」


(リスナーが本を返す音)


「この書棚にはまだたくさんの不思議な本があります。いつでもまた来てくださいね。次はどんな物語を体験しましょうか?」


(リスナーが店内を見渡す音)


「この書店には、まだまだたくさんの秘密があります。また訪れて、もっと多くの物語を体験してください。」


(リスナーが微笑む音)


「またお会いできる日を楽しみにしています。どうぞ、静かなひとときをお過ごしください。」


(書店の扉が開く音)


「お疲れ様でした。おやすみなさい。」


(リスナーが去る音、扉が閉まる音)


(環境音: 書店の静けさ、時折ページをめくる音)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る