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[はぁ!? オメェ誰だ!?]
「
ヨウジは身構え、むなは
[ヨウジ、むな。やめろ!]
[
「明らかに、人じゃない! 私達より強い!」
[いや、この方は人ではあるが人ではない。だが、むなの言う通り、我らより強い。敵ではない。大丈夫だ]
「さすがです。
[まったく、
二体の妖怪に向け、
「初めまして。小鬼さんに
ヨウジはとんでもないというように
[はっ、はぁぁ──っ!? むこぉぉ!?]
「ちょ、
むなはパニックになる。
「ちょっと、
「……しました」
肯定するとむなは頭を抱えだして、
「ああ、もう世も末かぁっ!
なんで
顔はとっても良いのに、なんか二枚目三枚目みたいなやつと!
こんな得体のしれなさ! 皿屋敷のお菊さんが皿を数える時に、皿を地面に叩きつけて割って数えるか、皿をフリスビーのように投げて割って数えるほどの
「ねぇ、
皿屋敷の内容で評価するそれ。ただのストレス解消だよね?
普通に低評価しない?」
「皆さん、落ち着いて。わかってますよ。自分のしたことがとんでもないことは。なんせ、この結婚は彼女たちを守る為ですから」
聞いた瞬間に、彼らの動きはピタリと止まる。今まで沈黙していた
[……どういう事ですか]
落ち着きを見せると、
聞き終えたヨウジは腕を組み、渋い顔をした。
[なるほど……。祠の封印はしなくなってよかったものの、もう一つの分家がやらかした皺寄せがこっちの
「しかも、
その陰陽師たちは過激な派閥で、なんかとんでもない手段が来るかも!? 何それ!?」
むなは怒りを露わにし、
[しかも、守る為に貴方は囮を買って出たのですか]
「ええ、はい。実際に相手のヘイトは
話していると、渚は恐る恐る聞く。
「先生、会えなかったのはやはり……」
「ああ、考えている通り、囮役をしていたんだ。
君たちを守るために準備やら工作をしつつ、思いっきり疑似餌になった。なぎちゃんが、しばし平穏に暮らせてたなら
しっかりと彼が囮役になっていたようだが、怪我をしている様子がない。余裕さが滲み出ており、疲れも見えなかった。彼は新聞に包まれた花と
「今日はちょっと個人的に用事があるから、途中で
笑顔を保つ
[貴方は、またそのように大変な役を買って出て……]
「ははっ、組織の仕事に比べれば大したことはないですよ。それに、これも
[……
「ええ、
[……
苦しげな
「いいのです。
優しく言われ、
[なぁ、総スカン]
気に食わない意を込めて言ったのだろう。しかし、
「何その呼び名……。いい響き……♡」
[ヒッ……!?]
ドン引いてヨウジは
[何だよ、こいつ。キモイ……!]
キモイと言われた
お世話になった先生にそんな気があるとは思わない。だが、まず友の妖怪にエムの面を見せること。人前で被虐趣味を出すのはやめてほしかった。
「人前や親しい妖怪の前でそれやめてくれますか?
今、私と籍入れているんですよね? 結婚している建前上、そういうのやめてください。この先、これ以上の醜態晒すと本当の総スカンになりますよ?」
「ふふっ、なぎちゃん。その目もなかなか」
ぞくぞくと震えている所、彼女は彼にとって効く言葉を吐く。
「先生を尊敬している私達を幻滅させないでください」
言われた瞬間、
「あっ、なぎちゃん。そ、それは……っ!
……本当にごめんなさい。君の前でとんでもなかったです……。自分の趣味は人前で出しません! 申し訳ございませんでした!」
[は、話を戻すけどよ! これを俺達に話したってことは、何かあるんだろ?]
ヨウジが軌道修正を図る質問をする。
「あ、ああ、その通りだ、御三方にはこの地域に住まう妖怪によそ者の陰陽師の注意をしてほしい。絶対に近づくな。関わるなと」
「……それだけなの?」
むなに聞かれ、
「相手は妖怪も躊躇なく狙う過激な奴だからね。だからこその忠告だ。知り合いの妖怪たちでもいい。少しでも生存確率を上げてほしい」
むなは
[むなよ。信じていい]
「……
「結構だ。けど、怪しい人に声をかけられたらすぐ逃げるんだよ?」
先生のように言うと、むなは舌を出してつっけんどんに言う。
「わかってますよーだ!
むなは変化を解いて
「総スカンなだけに、
「……先生、気に入ってませんか? その呼び方」
「まさかまさか」
冗談を言うように笑っているが、
「やっぱ、父と母に
「すみません。気に入ってます。だから、
すぐに謝る。やはり気に入っていることに、
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