第8話
湯浴みを行なって昨日の汚れを落としたカナタは身体の水気をメイドのリタにタオルで取って貰うと、気持ち良さそうに浴槽に浮いているリムを取り上げる。
「リム、上がるよ。」
『うん!身体ポカポカしてる!!』
器用に身体の周りに付着している水分を吸収したリムを抱っこして浴槽から取り出した僕を今度はメイドのリタが着替えさせていく。
「もうそろそろ朝食ですよ、カナタ様。」
「ちょっとゆっくりし過ぎたかな?」
思った以上にゆっくりし過ぎていたみたいで、時間がいつも朝食の用意がされている時間になっていた様だ。
ギフト【スライム召喚】のお陰で今までは食堂で朝食を食べる日もまちまちだったが、今日はお風呂に入っている間にもスライムの召喚と送還を繰り返したお陰で気怠い感じも無くなって調子が良い。
身体の調子が良く気分が良い状態で僕は隣でピョンピョンと跳ねるリムを連れて食堂へと向かった。
「父さん、母さん、ミスズ姉さん、おはよう!」
「調子良さそうだな、カナタ。おはよう。」
「おはよう、カナタ。」
「カナタ、おはよう。」
顔色が良く元気そうな僕の様子を見て両親や姉さんも頬を緩めていた。
それから朝食の用意も終わって今日はどうするのかの話をしながら食事をしていく。
そして朝食の食事が終わるとそれぞれ食堂から移動する。
父さんは公爵家や領主としての仕事を、姉さんは冒険者仲間の所へ、僕と母さんは昨日の誕生日プレゼントのマジックバックの仲間をリムやスライムたちに食べさる続きをする為に庭へと移動した。
庭には昨日とはテーブルや椅子にパラソルが用意されており、その用意されたテーブルの上にはマジックバックが一つ置かれていた。
テーブルの横に僕の専属メイドのリタや母さんの専属メイドが立っていたので、この二人と他の執事やメイドが準備をしてくれていたのであろう。
母さんが日差しを遮っているパラソルの下に置かれた椅子に座るのが視界に映るなか、僕は召喚リストの中からスライムよりも上だろうミドルスライムを召喚していく。
「あら、スライムよりも大きな子ね?」
「ミドルスライムを召喚したんだ!」
僕が召喚したスライムの事を伝えるとミドルスライムの事を知っていた母さんのメイドがスライムの上位種の一つがミドルスライムだと説明してくれた。
そうして庭にはたくさんのミドルスライムが召喚され、僕の体内魔力が半分以上減って身体の調子がまた良くなる。
それでもまだ濃度が以上に濃い魔力が残っており、まだまだ魔力を減らす行為をしていかないと通常の魔力にはならないだろうが、一つ問題もあった。
それは初めて魔力を消費した事で気付いた事だが、どうやら魔力を初めて大量に消費した事で魔力の回復量が成長した様なのだ。
これもこれで問題だが、これの影響で身体への負担が増えるのは魔力消費が行なえない睡眠時くらいなので死ぬ様な事はとりあえずはないのは安心材料の一つである。
「食べさせるから一列に並んでね。」
召喚したミドルスライムたちに一列へと並ぶ様に指示を出す。
『みんな!マスターの言う通りに並んでね!!』
それを隣で聞いていた僕の召喚する全てのスライムの頂点に立つリムもミドルスライムたちへと伝えると、ミドルスライムたちは一斉に動き出した。
そうして一列になるのを確認するとマジックバックの中にある物を取り出していく。
三つ目のマジックバックの中身は薬品と鉱石類に武器や防具に魔道具や魔石が収納されているのが分かった。
薬品類、鉱石類、装備類、魔道具、魔石の順番に並んでいるミドルスライムたちへと渡していく。
そうして昼食までの間に誕生日プレゼントとして貰った全ての素材やアイテムなどをリムとミドルスライムに食べさせたのだった。
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