人間合格プロトタイプ
道草与作
第1話
人間合格
ナカノ・サル・ノブナガ
やはり主と詩音とえりかに
――ああ、あの人は死んでしまいました。
――イーヨー、太宰は本当に死んじゃったよ。残念だったねえ。
ブレット・イーストン・エリス「アメリカン・サイコ」明名書房刊
――ヒーローを描け
デレク・ハートフィールド「ベストセラー小説の書き方」
――明日には、明日にはすべてが明らかになるだろう
ドストエフスキー「ザ・ギャンブラー」
――正々堂々とやろう
ヘミングウェイ「老人と海」
――私は、(中略)その一族、輝く明けの明星である
創主「ヨハネの黙示録」
――強い者も弱い者もいない
遠藤周作「沈黙」
――自由、新しい生活、死よりの復活……なんというすばらしい瞬間であろう!
ドストエフスキー「死の家の記録」
前書き
この物語はフィクションである。ドストエフスキーの「地下室の手記」にならい、俺は日本人に代表される人間合格の思想を叫ぶ主人公を大衆の面前に引き立ててみたかった。この主人公はヒーローである。滑稽であるにせよ。ヒーローであることをやめない。俺はヒーローの思想をクーンツに学んだ。第一部の人間合格の手記のあと、第二部の物語が展開される。四百字詰めで二百枚を目指している。ワープロ用紙一枚当たり四枚だからワープロ用紙で五十枚書けば二百枚ほどになる……。ここで最新の死海文書の一節を掲載しよう。「神よ」サタンは言った。「わたしは悪魔になった。だが全能なる神よ。これはあなたの計画ではないか。昔々、人間に嫉妬し、天界の天使を三分の一引き連れ、神様に反逆したわたしは、悪魔の皇帝サタンとなり地獄を支配していたが、悔い改め、天界に戻る決心をした。さてわたしには人間が理解できるか?」
最高の出だしだ。
第一部 人間合格の手記
描き始めて、まるで0だった、零点だ。字余り。俺は無職の46歳だった。いや無職にして無限に読まれる本を書いてる生き神仏だった。五芒星のある北海道の函館という片田舎で小説を書いていた。派遣労働で子供が産まれなかった。アジアやアフリカでは飢えた子供や大人がいた。俺はそんな中でもがいていた。ユニセフに月五千円、ふたつきに一回にはさらに五千円募金する共産主義者だった。人間失格に負けない小説を描こうと。それは人間合格だ。共産主義だ。音楽を聴こう。まるで無音から初めてもいいし、運命を聴きながらでもいい。運命、オオ、神よ! 無、円、背景、道、至高の達成、オウム、炭素、パン、パン、パン。アマウン。ヘル・パ・クラアト。双極性障害一型の狂言回しとしてそんなことを考えていると無が無限になり無限光が生まれた。そんな怪しげなクロウリーの知識の中で、俺は黒い髪、白髪も混じった髪をキューティクルに気を配りながら今度はリンスも買ってこようとくるりと回し、人間合格とはなんだろうかと問うた。運命だ。それは自殺しないこと、生き抜くこと、寿命で死ぬこと……殉教しないこと。単純な原理だ。今は23時23分。50分には一休みしてヨガと瞑想だ。今日はこの一文でやめて、推敲しよう。俺は絶対ロスチャイルドを倒し共産主義を成し遂げるんだもんね。正確にはロスチャイルドを巴投げして共産主義に寝技で勝つ。
ゼロがゼロになるゼロハチモンメ。回って回ってゼロに戻る。零点から百点へ! 百点。字余り。
プロット 9点、人物描写9点、テーマ10点、アクション7点、ムード9点、一目をひくイメージ8点、気の利いた文章7点、背景7点ぐらい まあこんなもんだろ。
「人間合格」とは何だろうか? それは自殺しないこと、生き抜くこと、寿命で死ぬこと、長生きすること……殉教しないこと。単純な原理だ。「人間失格」それは今のコーネリアスだ。彼はウンコを障がい者に食わせて、高笑った。だから、「人間合格」はコーネリアスがスカトロ・ビデオに出て踊りながらギターを弾き、くそを食らい、俺が悪かったと何度も土下座することだ。俺は元国家公務員、無職、四十六歳。作家志望のそううつ病、正式名称双極性障害一型患者ニュータイプワンである。憧れの群像新人賞と芥川賞、ベストセラーに挑戦したい。幸い、日本には生活保護と障害年金というセーフティ・ネットがある。自分は勉強して制度を利用し、現在、障害年金二級である。月に十二万円ほどもらえる計算になる。生活保護より貯金ができるという利点がある。ハリー・ポッターの作者も生活保護だった。とりあえず食うに困らない環境にあるのだから、就職よりも作品に集中する。なぜ作家を目指すのかというと、全知全能の神の子になって登場人物を思うがままに支配したいという願望がある。それと、双極性障害を抱えた憧れの作家が多い。太宰治、遠藤周作、ヘミングウェイ、トルストイ、ゲーテ。双極性障害はミュージシャンも多い。ベートーベンは双極性障害と聴覚障害のダブルハンデだった。政治家にも双極性障害がいる。リンカーン、チャーチル、フルシチョフ。忙しい政治家のトップにもなれるのだから、作家の頂点くらい軽いもんだろう。
ノーベル賞を、目指す。
ここで躁転チェックをしよう。ノーベル賞は村上春樹さんを見て思うのだが、人気作家で海外進出し、35年ほどたっていれば可能である。年齢的には十分狙える。ただ人気作家になるのは難しいので、冷静にそれを見極めておけばよいだろう。まあ操転というより高望みだな。これは俺の戦略で、東大合格を目指して、落ちこぼれから無理目の法政大学に入った。あと大学も遊んでひどい成績だったが、国家公務員の時受験の時、国家二種を狙って目標どおりはいった。要するに高い目標を決めて、現実的な戦略戦術を練れば高望みは十分現実的になると思う。ちなみに今作では、新人賞受賞と芥川賞受賞なのだけど、芥川賞の「コンビニ人間」や「限りなく透明に近いブルー」と、この作品を比べてみて、両作品に負けない、むしろテーマでは各段優れていると思ったので現実的だと思った。ノーベル文学賞も要するに春樹さんみたいに海外進出して、海外のノーベル賞の登竜門の賞を取れば狙えると思う。ノーベル賞でも傾向があって、現時点のデータでは日本の美を追求すると、取れると思う。川端とか大江とか。それで俺は社会派作品を書いて、その建設的なテーマの美をもって、これがナカノ・サル・ノブナガの日本の美ですとアピールしたい。その意味では村上龍さんの後継者なんだけど、龍さんみたくダチュラとかとか毒ガスとかテロとかファシズムとか戦争とか破壊オチをしない。ビラとか選挙とか自由民主主義とか平和とか建設的でポジティブなオチを目指す。龍さんの「55歳からのハローライフ」は建設的だからミリオンセラーだと思う。建設的なものは受ける。短編では破壊オチもやるが建設的な破壊オチをやりたい。元国土交通事務官の血がそうさせるのだ。なぜノーベル賞を取りたいかというと、アメリカ大統領やロスチャイルドやローマ法王にいたいことがあるからだ、ノーベル賞作家の肩書があれば手紙ぐらい目を通すだろう。平和と募金の基礎は俺の生きているうちにけりをつけてやるわ。笑われるのは気にしない。うつけだから。さて、双極性障害、統合失調症、うつ病は一生ものだが、付き合っていける病気だ。自殺したら負けだ。双極性障害の十パーセントは自殺するというデータがある。太宰やヘミングウェイは実際には自殺したが、自分から言わせると健康管理が甘い。双極性障害の九十パーセントは生き残れるし、クスリと心理療法を組み合わせるとまず死なない。死ぬやつは甘い。はっきり言う。精神病で死ぬやつは甘い。アーメン。自殺方法を遠ざけ、薬をしっかり服用し、認知行動療法を試み、鬱の時はしっかり休養すれば、百パーセント生き残ることができる。日本は、腐っても先進国だ。医療や福祉は優れている。これを活用しない手はない。やはり小泉首相は無能で構造改革は大失敗だった。護送船団方式の一億総中流社会が良かった。自民党や民主主義、官僚システムは独学で勉強している。単純な原則、改革が恐ろしく難しい。日本は格差や少子化があっても潰れないと思うし、移民を受け入れて立国するならそれでもいいと思う。だがはっきりいておくが構造改革は人間失格だ。一億総中流社会こそ人間合格だ。「群像」というと村上春樹さんと村上龍さんが目標だ。調べて見ると興味深い。春樹さんは国語の英才教育を受け、学生結婚と伝説のジャズバーを経て、群像新人文学賞を取り、幻想文学の長編小説を書き続けた。ついにはノーベル賞候補の世界的作家になった。龍さんは群像新人賞と芥川賞を取った。政治経済を独学で勉強して、小説と評論、エッセイで話題作を多作している。世界中で成功している。はなしは飛ぶが、函館東高卒のラノベでは後輩で弟の友人の、滝本竜彦だ。彼の「超人伝説」でクーンツを覚えた。感謝している。「二十一世紀の太宰治」は滝本に取られてしまったから、「二十一世紀のパンクなドストエフスキー」は俺でいいんじゃないかと思う。川端、大江、村上、ナカノとノーベル賞をにぎわすことだし。ドストエフスキーは大ファンで、彼の作品は全部神棚にしまってある。東大法学部を中心にした学歴社会の勉強法にもずいぶん詳しくなった。有名な受験本の和田秀樹著「受験は要領」やテリー伊藤の「お笑い大蔵省極秘情報」。そして実際にノンキャリ国家公務員に受かった経験から、すべての国家試験合格法は過去十年分の過去問をこなし、それを理解する基礎力を身に着けるだけなのだということだ。マインドマップや一分間記憶法、ピークコントロール、七回読み、速読などもすべてマスターしていて、司法試験だろうが東大法学部だろうが国家総合職だろうが首席を狙える自信がある。年齢が許すなら東大法学部や司法試験、国家総合職にも挑戦したいが四十六だし文学賞に集中しよう。七回読みの山口真由は財務省をやめてしまったが東大法学部トップが主税局じゃいやになるよな。なぜ主計局に入れてあげなかったんだろう。人間の能力は学校教育と独学、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで決まって、組織や個人営業のノウハウはどこも以外にも共通点がある。作家の世界と財務官僚はよく似ていて競争社会で、点数と賞と売り上げのデット・ヒートである。ノーベル賞を目指すのなら若いうちに作家になってノーベル賞コースなのだろうなと思う。まあいい俺は中年からノーベル賞を目指す。まず群像新人賞、芥川賞を受賞、ベストセラー、海外二十四か国語に翻訳だ。要するにベストセラー海外翻訳二十四か国、海外でのノーベル賞の登竜門を受賞すればいつかはノーベルなのだろう。取るぞ、ノーベル賞。そして目指すぞ世界最高齢現役作家。歩いて筋トレして、足モミしなきゃ。ロックバンドも成功する道は似ている。若いうちにロック・エリートになってビックになって同じことを繰り返してということだと思う。有名なローリング・ストーンズ、ビートルズ、スミスもよく似ていて、やはりインディーズで先輩の曲をパクってインディーズで売ってメジャーと契約して、いいものを売って売りまくって爺になって体を鍛えてひたすら生涯現役なのだが、ジョン・レノンは陰謀なのか頭のおかしいファンなのか知らないが身辺警備が甘かったな。有名になったらセコムに入らなきゃならないようだな……。アメリカの政治、ビジネスなども調べてみたいが要するにどの国も市場経済なのだからどっこいどっこいだ。ミクロ経済学というのは恐ろしい学問で、市場があればどこにもどっこいどっこいの品質や組織をあらゆるところに作ってしまうということがわかる。主流派経済学、マルクス経済学、複雑系経済学など経済学の世界も、財務省主計局のマネをして、点数やエッセンスを学んだ。独学でマネをして覚えたが、財務省主計局にしかないという相互監視システムというのは個人ではマネできない。組織はすべてこのユニット相互監視システムを取り入れればいいのにと思う。営業一課なら営業一課のために命を懸ける相互監視システムがあれば組織が活性化されるのではないか。個人的な認識では総理大臣より財務省事務次官の方が権力を持っていると、「お笑い大蔵省機密情報」が教えてくれたので知っている。構造改革は十点。その改革のレベルは下の下なんだな。民主主義上、官僚をチェックしなければならないから、国民が官僚をチェックし投票すべきだと思う。財務省改革案は簡単で、分割もいいと思うが、要するに国民が関心をもって財務省主計局キャリアを投票でチェックする仕組みを作ればいいと思う。文学に話を戻すが、太宰治の「人間失格」は双極性障害を抱える太宰が小説形式で自分の思想を叩きつけた傑作である。やはり死ぬオチであるが。べらぼうにうまい。高校生の頃、太宰治の人間合格を読んで感動した。やはり俺はこの作品で文学に打ちのめされた。中学校まで俺の住んでいた田舎は文化がないのだ。都会育ちには信じられない世界だろう。いわゆる郡部といわれる町である。漫画ばっかり読んでいた。勉強が娯楽だった。読書はラノベだった。それが函館という小都会に出て小説という文化に触れた。作家になる人間を見ると圧倒的に都市部、小都会出身の人間が多い。読書が好きで早熟で、文学賞に向けて独学だろうけど、結構日常的な題材の小説が多い。面白い。かたや経験を経た中年はそれとは違う戦略をとる、若くして作家になったエリートに書けないものがある。さて繰り返すが、人間合格とはなんだろうか。太宰治は人間失格という傑作を書いて死んだ。人間恐怖の主人公が自殺未遂を繰り返し、廃人になる。だから廃人が人間失格だという太宰の結論だ。俺がいう人間合格はそれを超える。まず廃人に自殺未遂をやめさせる。廃人を閉鎖病棟に叩き込み、精神を病んだ廃人を治療し、克服し、寿命までご飯がうまいと生きさせる。全ての精神病は治療可能で、完治はできないが付き合っていける病気である。そして精神を病まない健常者は人生を楽しみ、苦闘し、寿命で死ぬ。ほら太宰、全ての人間は人間合格じゃないか。非常に簡単なオチだが真理とは非常にシンプルである。ここに宣言する。全ての人間は人間合格である、と。いやいや、待て、人間なんて生きるクズだ。核爆弾もってこいとマンチェスターの詩人モリッシーは歌う。いやモリッシー、君はザ・スミスが解散してソロ・アーティストになってしまい、労働者階級を裏切り、極右になっても、やってることは人間合格だ。自殺せず、生き抜き、歌う。寿命で死ぬ。人間合格。文学青年ならイギリスかアメリカで俺の本読め。俺は必ずイギリスとアメリカで本を売る。モリッシーとジョニー・マー。あと誰だ?
尾崎がいた。
尾崎は本好きらしいから天国で俺の本読んでくれ。覚醒剤に負けたのは非情に残念だけれども。あとは人間ではないが悪魔の聖飢魔IIにもこの本を読んでもらいたい。ヘビメタで日本一素晴らしいバンドだ。地獄の図書館には俺の本を推薦する。あとメタルといえばBABY METAL、神バンドにもボーカルにもダンサーにもこの本を読んでもらいたい。もう一つメタルといえば筋肉少女帯、踊るダメ人間の自分なりの解釈としてこの本を書いた。俺はばかで小説の書き方がこの年までわからなかった。いつも群像の一次予選で敗退した。よく傾向と対策を考えたのだが、要するに群像新人賞を取った過去問、「風の歌を聴け」や「限りなく透明に近いブルー」と同じレベルのものを描けば群像新人賞は取れる。そして「限りなく透明に近いブルー」と同じクオリティに仕上げれば、一作で芥川賞も受賞。ついでにベストセラーも可能。国内でベストセラーになれば、「コンビニ人間」と同じく二十四か国に翻訳可能。この小説は有名なドストエフスキーの「地下室の手記」を下敷きにしている。文豪ドストエフスキーはやはりベストセラ―作家だった。日本語に翻訳され、函館でも入手することができた。ドストエフスキーの作品は全部アマゾンで入手し、神棚に飾ってある。恐ろしいのは、ドストエフスキーの小説レベルの作品が俺も書けてしまうという事実である。この小説の元ネタの一つは言うまでもなく太宰治の「人間失格」である。太宰はドストエフスキーに追いついていた。それを愛読していて、ドストエフスキーを目指していたら、すごいことに四十六歳で追いついてしまった。ナカノ・サル・ノブナガというペンネームも練りに練って考えた。やはりペンネームは目立つことである。村上龍、村上春樹、ナカノ・サル・ノブナガと書けば絶対日本の作家の中ではぴか一に目立つこと請け合いだ。笑われるけど、うつけだから気にしない。俺の本名は中野太郎というのだけど、これではだれも見向きもしないだろう。やはりノブナガは教科書で知っている。中学か高校の教科書でほぼ日本国民百パーセント知っている。本屋に芥川賞取って、ノブナガとあればだれでも手に取ると思う。自信はある。サルをミドルネームで追加した。秀吉のあだ名だ。高校時代はサルと呼ばれていた。リズムがいい。ナカノ・サル・ノブナガ。フランス人みたい。日本統一コンビだ。あとはベストセラーは運だと思う。「人間合格」は井上ひさしがすでに書いているが、文学好きなら「人間失格」はほぼ百パーセント知っている。本好きは太宰が大好きだと思う。そこに群像新人賞、芥川賞を取った「人間合格」がポンと出たら思わず本屋かアマゾンで買いたくなること間違いなし。この小説は人間合格という素晴らしいヒューマニズムを歌い上げる。世界文学の名作だと思うが、エロすぎて教科書には絶対乗らない問題作だと思う。まあ「走れメロス」みたいのも書いてみようと思う。教科書にもノーベル賞作家を目指すから挑戦したい。まあデビュー作だ。楽しくやらなければ。すごい、二百枚ってこんなに長く第一部が書けるんだ。「地下室の手記」は一部が圧巻だ。あれもやっぱり引きこもって、あれこれロシアの思想をあれやこれや書いているけど、どうでもいいことをあれこれおしゃべりして、読んで楽しくて、面白かったというオチのような気がする。まあ文学ってどうでもいいおしゃべりの側面はあるけどね。はなしは飛ぶが、俺は日本共産党員の子供として生まれた。親父は高校教師で、よくいる左傾化した教員だった。俺は天皇や共産主義日本の政治についてもっと知りたかった。自分の家は左翼なので右翼についても保守についても知りたかった。なんというか自由がほしかった……。小学中学と学校の成績は良かった。高校時代に落ちこぼれ、一浪して法政に入った。一応卒業して、印刷会社の営業になった。労働環境が悪かったので、公務員になろうと思った。試験が楽な国家公務員のノンキャリアを受けた。本省は忙しいので、国家公務員の地方部局のノンキャリアなら余暇もあるし、上司をだまして作家を目指そうと思った。国土交通省の地方部局に潜り込んだ。甘かった。国土交通省の三年目で双極性障害を発症。メンタルクリニックに担ぎ込まれ、以来メンタルさんとして日陰者になった。やはり地方部局全体に自分のメンタルがばれている。異動のたびに冷や汗をかく。でも国土交通省は素晴らしい役所で、俺はだめ職員ながら職務に誇りを持ち、作家になる夢を忘れ、十六年、そこに勤め、やがて……転機がやってきた。双極性障害は鬱状態がひどい。メンタルクリニックで薬を調整しても治らなかった。結局休職を繰り返し、限界を感じ、辞職した。それからメンタルクリニックを変えた。入院施設のある総合病院に変えた。やはり食っていくためにセーフティー・ネットを勉強し障がい年金二級にした。いわゆる閉鎖病棟に三度入院した。徹底的に病気と向き合い、薬を変えた。そうして最低限食っていける金と、今後の人生をどうするか考えた。答えはあった。作家になろうと思った。ウィキペディアで研究すると双極性障害を生かせる仕事の一つは作家だった。信じがたい話だが、チャーチルやリンカーンやフルシチョフも双極性障害だった。政治家という激職も可能なのだ。さすがに今更自民党総裁は目指さない。作家なら俺にもなれる。群像新人賞を取って、芥川を目指せばいいのだ。複雑怪奇な出版システムはわからないが売れればいい。そして信じがたくラッキーなことに入院施設のある精神科にはデイケアという施設がある。仕事に就けない精神障がい者のリハビリ施設だが、やはり一生ここにいるものが多い。ほとんどがそうだ。精神障がいをもって再就職するのは難しいのだ。初めはいくのが嫌だったが月曜から金曜まで電車に揺られてデイケに通ううちに友達もでき、毎日がたのしかった。働かない生き方もこの世にはあるのだという貴重な人生経験をした。そして、デイケアで信金の支店長の元妻に出会い、やはり双極性障害Ⅱ型だったのだが、「転落人生だ。人生がつらい」とこぼすのを見て違和感を覚えた。チャーチルやリンカーンやフルシチョフはそんなことをこぼしただろうか。彼らはエリートだ。庶民ではない。だがやっていきようはいくらでもある。ここで彼女の愚痴に対して公平な視点を提供すると、精神障がい者の再雇用ルートがひどい。B型作業所という場所があるのだが時給二百円だ。これは障がい者の搾取だ。そのあとはA型作業所という障がい者のバイトがあり、やはり数が少ないので、一般雇用のバイト、一般企業への就職に進む。障害をオープンにして、企業の理解を得てプロとして働くのがいいと思うのだが、そこまで中年からやれれば、大したもんだと思う。デイケアでワイワイやってる仲間もやはり就職希望のものが多い。それはそれで人生だからいいだろう。俺は、デイケアに残り、作家を目指す。バイトの許可は医者からでてるので、デイケアをやめ、コンビニで働いて作家という道もある。まあ、だが俺はばくち打ちなので、このデイケア生活をつづけ、一球入魂で一作投稿することに決めた。ニートと言われようがカスといわれようが構うもんか。たぶんハリーポッターの作者も似たような経験したんだろうな。イギリスも福祉は日本と同じようなものだと思うがナマポたたきとかあるんだろうなと思う。この人生経験はきっと何かの役に立つ。共産主義について、書く。マルクス・エンゲルス、いわゆる共産主義文献に触れたのは公務員になってからだった。ふつう、大学生時代。法政大学時代に読んどくものだと思うが、いいわけだが理由がある。俺は法政大学府中寮という寮に二年間住んでいたのだが、この寮は学生運動で勝ち取った寮で、法政らしいのだが、学生運動を俺もやる義務があった。若い俺はそれが大嫌いだった。要するに子供だった。結局二年で喧嘩して退寮した。法政大学の市ヶ谷キャンパスにはいわゆる中核派がいて革命を起こそうとしていたが、若い俺は革命は無理だろうし、マルクス・エンゲルスに興味はあったが、とりあえず食っていく職を探して、あとで探求しようと思った。まあリアリストだった。それで、その夢のマルクス・エンゲルスに触れる機会は。国家公務員の地方支部に勤めた時だった。残業は少ないし、週休二日だ。本はアマゾンでいくらでも手に入る。全部は読めないが、マルクスの代表作。それに主流派経済学、複雑系経済学の書物を大人買いした。恥ずべき黒歴史だが、よせばいいのにミクロ経済学の大学院テキスト・マスコレルも読んだ。全部ではないが一般均衡論のとこだけ読んだ。ああいう書物には読み方があって、入門書、中級所、上級書とレベルを上げていき大学院テキストを読むと読むだけなら読める。だが結局、読んでも忘れてしまうし、専門書はプロに任せて、素人は中級書までにとどめ、エッセンスをぬすむべきなのだと思う。アマゾンには大散財をして一千万は散財してしまった。マルクスの「資本論」も、「まるくする」という入門書、「社会経済学」という中級書から順に読み。「資本論」も四巻の「剰余価値学説史」まで読んで、ほぼ忘れてしまったが、要するに、マルクスが当時の古典経済学を全部学んですごい書物にまとめただけで、基本的勘違いが多い。マルクスは市場の情報処理能力について知らなかった。時代的制約もあるが、革命家なら点数は「十点」だ。複雑系経済学が明らかにしたが、市場の情報処理能力はスーパーコンピューターよりすごい。だから計画経済はソ連東欧中国と全部失敗し、資本主義国に戻ってしまった。要するにそれだけのことだ。マルクスは暴力革命を唱えたが、それも大失敗だった。やはり暴力革命は、奇形的権力機構を生み出し、計画経済の失敗の飢餓や大虐殺でソ連中国で一億人以上の死者を出した。共産主義は明らかに大失敗だった。日本の共産党もソ連のコミンテルン日本支部として生まれ暴力革命路線が失敗し、議会制民主主義に路線変更したのだと知った。だから公安にマークされているのだ。だから、日本の共産党に提案なのだが、学者のシンパが多いと思うからシンクタンクを作って、国家の消滅、貨幣の消滅などという共産主義のビジョンを徹底的に知的に練り上げるビジョン作成研究機関を作れば共産主義復活の芽もあると思う。それはやってほしい。共産主義者ではないが共産趣味者でありたいと思う。憧れの共産主義も大失敗、やっぱ資本主義で混合経済がいいんだという夢も希望もあるんだかないんだかわからないオチだが、そういうわけで日本経済の研究を始めた。自民党と財務省には足を向けて寝られない。ここがすみよい日本を作ってくれたんだ。でも構造改革ってやっぱり大失敗だった。護送船団方式の総中流社会にもどすべきだ。構造改革のおかげで、格差社会、少子化で国力ダウン、自慢の経済力も世界第三位ってどう考えてもおかしい。要するに構造改革ってアメリカのパクリだと推測するけど、ここまで国力を弱体化させて何考えてるんだろ? やはり繰り返しだが派遣労働が出てきて少子化がおきて、あたふたって、政策つくった奴は無能なんじゃないのか? 間違えてるだろ? やはり小泉竹中のラインが出てから日本国傾きましたねという感想だが。その時の財務省事務次官は赤点じゃないのか? まあアベノミクスはクルーグマンもほめてたし、効果は認めよう。でも構造改革前に日本を戻さないと赤点じゃないのか。構造改革、痛みの押し付け、少子化、経済弱体化。国家総合職の試験内容は、主流派経済学と法律のエッセンス試験だと思うが、そこから政治経済法律のエッセンスを集めたのが財務省主計局のエリート。何でも知ってるが専門は大学教授ほどではない。それが同じ程度の頭の政治家の出す構造改革案を受け入れたら国家が傾いた。だから、元に戻せばいいのに。だが、話を変えよう。俺はノーベル賞を目指す。川端康成、大江健三郎はほとんど読んだことがないが村上春樹は好きで全部読んでる。幻想文学は苦手でもっとリアリズムな小説が好きなんだけど、とにかく海外の文学賞もらわねばダメらしいが、俺も目指そう。こう考えた。芥川賞までは何とか素人でもわかる。まずここを制覇する。次回作、次次回作でベストセラーを連発、海外翻訳進出、二十四か国に攻勢をかける。海外で賞を取る。長いこと続ける。するとどこかのノーベル賞の登竜門が「ナカノ・サル・ノブナガ」にポロリと賞をサービス。でノーベル賞候補になってラッキーで受賞。ほおおお、面白い。俺には夢がある。まずベストセラー小説家になったら可能な限り、ユニセフに募金したい。だって、アジアやアフリカの子供たちが飢えで死ぬの可哀想だ。日本はまあ経済大国だからまだいいとして、帝国主義で国土をスタズタになったアジア・アフリカの人々が食うものも食えない、しかも先進国には食料があふれているのを見ると「人道上送ってやれよ、先進国」って説教したくなる。多少借金しても人の命だぞって言いたくなる。そこでノーベル賞の出番ではないか。スウェーデンのノーベル賞受賞式でこうスピーチする。「アジアやアフリカの飢餓に興味を持ちライフワークで調べていますが、まず慈善レベルで世界中の人民が募金し、あとは企業レベルで、安価な食糧輸出企業を作ってアジアやアフリカに食料を輸出しないと、この問題の解決はないんじゃないですか。もちろん、そのころまでには具体的な資料や政策案を書物にして訴えます。だってさア、正直に言っていい? 春樹さんのさあ幻想小説ってテーマがすっからかんだよ。幻想小説自体は悪くない。総合小説で「カラマーゾフの兄弟」目指すなら「1Q84」ももっと重厚にテーマを練らないと。ドストエフスキーを見習うべき。だからノーベル賞を何度も逃すんだよ。まあ、それが風の歌だけど。カフカだけはちょっと違うけどね。俺にはわかるんだな。それで、ノーベルの小説賞って賞金が一億円ですけどユニセフに募金すりゃいいのにって思いますが大江さんとか春樹さんとか何に使うんでしょう? 家買うんですか? 貯金すんですか? ナンセンスですなあ。俺さあ金持ちになったことないからわからないですけど、ロスチャイルドからノーベル賞作家まで食うだけの金と、ちょっとした贅沢をしてですね、残りの金はみんな社会的弱者にプレゼントしちゃえばいいとおもいますよ。金儲けはビジネスだし面白いんですけど、そんなもんはしょせんは資本主義のゲームですから、自分で最小限使ってあとは社会に還元。それをやれば資本主義はもっとうまくいくと思うんですけど」。ここまで書いてきて思った。俺、鬼才なんだ。ロスチャイルドや春樹さんはわからないんだ。たぶん頭のどこかで、ちらと考えたことはあるのかもしれないが、金持ちという環境はそれを忘れて贅沢しちゃう。俺はぜいたくは否定しない。それは文化だから。だが贅沢におぼれてはいけない。金に使われる亡者になってしまう。カルロス・ゴーンが逮捕されてたけどさもありなん。ああそうかノーベル賞を取ればいいんだ。そしてロスチャイルドはじめ世界の金持ちに訴える。金銭はプチ贅沢して残りは社会的弱者に気前よくあげましょう。ノーベル賞作家の発言ですよ。ユダヤ教の皆さん。そうすると主がお喜びになって、天国にいけますよ、と。わかった。俺はイエス・キリストの生まれ変わりだ。ユダヤ財閥に説教しないとな。ユダヤ教の皆さん、アジア・アフリカの兄弟たちを救いましょう。食えなくて飢餓で大変ですよ。それはロスチャイルド財閥が後ろ盾でやった帝国主義の結果ですよ。ちゃんと自分のやったことに責任を感じて荒れた国土を再建しましょう。もっと汚い言葉でいえば、おいユダ公、そういう責任とらないからヒットラーに六百万人も虐殺されたんだぞ。確かにあれはヒットラーがおかしい。だが金持ちの責任をしっかりとってれば防げた歴史だったんじゃないかと思うけどな。まあノーベル賞は四十六歳からじゃきついかな。でもベストセラー小説家にはなるわけだから、ロスチャイルドを主人公にするベストセラー小説を書いて、ロスチャイルドの家に送ろうかな。こんな話だ。主人公はロスチャイルドの跡取り、たまたまテレビでアフリカの飢餓について見て、自分の生活に疑問を抱く。かれはのちに銀行家として食品会社のスポンサーになり、飢餓国に食品を輸出する会社をプロデュースすることになるというあらすじだ。この小説は書きあげたら英語とフランス語に翻訳してロスチャイルド家に送りたい。いろいろ書きたいことがあるが、女の話をしよう。女は若くてスレンダーに限る。今無職でナンパができないので、風俗、函館で一軒のソープランドに通い詰めてるけど、ここの風俗嬢、沙羅のスレンダーな貧乳がベスト。おまんこやアナルもおいしい。この次の日曜に行くか行かないか迷ってる。貯金が百万しかなくて一万五千円はきつい。十二月に障害年金がはいったらにすべきか悩むけど、やはり行くことにしよう。B型肝炎を持ってるので上半身しか愛撫できないけど、今度は下半身も愛撫を目指す。挿入もコンドームを使えばできると思うのだが。ソープ嬢しだいだ。やはり彼女は高校からいるのが理想で、高校ではできれば週に二回、大学では同棲して毎日セックス出来ればいいと思うけれども。残念なことに彼女はできず、かわりにB型肝炎キャリアであることが分かり、ショックで鬱になった。B型肝炎は難しい病気で、セックスはワクチンを打ってもらわないとできない。正確にはコンドームを使えばできるのだが、おまんこやアナルをなめないほうがいいなどの制限がある。だがペッティングと手コキはできるので、風俗にも行くことは可能である。できれば理想はB型肝炎キャリアであることを風俗嬢に打ち明け、感染しない性交渉を行うことである。現在はこれを行っている。カミングアウトするが二十代の営業マン時代、辛抱たまらず、風俗に行き、おそらくはウイルスをばらまいたと思う。すいません。刑法上も時効であるが、個人的にも何とかしなければと思っているので、性交渉マニュアルをつくりたい。いろいろ調べるとやはり血液と唾液と精液にウイルスはいるので、ワクチンを打ってもらうことが理想だが、ワクチンを打ってくれなくて性交渉する際には、キスを軽いものにとどめる。ディープキスはしない。血液と精液と唾液が触れないように気を付ける。ようするに、おっぱい等はすってもいいが、おまんこやアナルは粘膜なのでなめない。指マンや指アナルにする。フェラチオはしない。挿入はコンドームを使う。手コキがベストだと思う。どうして、性交渉マニュアルを作らないのかがわかなない。医療関係者は犯罪だから一辺豆腐に頭をぶつけて死んだらいいと思う。人間失格だ。不思議なのだが、これだけ情報が出回ってるのだから日本の政府や、風俗店が働きかけて風俗嬢に全員B型肝炎ワクチンを打てばいいのにと思うが、なぜしないのだろう? 脳みそにボウフラでも沸いているんじゃないかと思う。俺のオキニの嬢もなんかいいってもワクチンを打ってくれない。みんなあたまがおかしい。人間失格だ。本当に風俗もわけわからんわ。性病検査はやってるのに肝炎ワクチン接種を怠るとは何事だ。ソープランド函館は俺がさせよう。でも風俗もみんな人間失格だと思う。今日はデイケアについて書く。デイケアから人間合格だ。W病院のデイケアに月曜日から金曜日まで通っている。デイケアは精神障碍者が自立や、自らの一週間のリズムをつける施設である。今日はおしゃべりやバンドの練習、お昼はただの弁当を食べて、午後はカラオケで締めである。今日はイマジンを歌い百点を取った。うれしかった。デイケアに通う障がい者はたいてい生活保護か障害年金である。働く者は去っていくが、ここにずっといても人間合格じゃないかと思う。うっとおしいのもいる。学歴のことは言いたくないけど函館大学しか出ていない男でマニアックな自慢話しかしない男だ。まあ頭がおかしい。ともあれ、デイケアには様々なプログラムがある。七宝焼きやレジンアート、手芸などである。俺は面倒くさいので、おしゃべりと、ギター練習とカラオケである。おしゃべりは主に午前中ホールでしている。雑談も楽しいが午前中でたいてい飽きてくる。お昼はただの弁当で、今日はカレーライスだった。午後はカラオケが一時半から三時まで。たいてい六人ぐらいで、五曲か六曲は歌える。今日は「恋人よ」「まつり」「兄弟船」「チャンピオン」「イマジン」あとは忘れた。たいてい九十九点か、九十八点。イマジンは百点だった。今人の英語は適当だった。うれしかった。月曜と火曜の午前中はギターを練習している。デイケアには音楽室があり、一万五千円のエピフォンの黒いレスポールとシールドとピックとピグノーズの迷彩色のアンプを置きっぱなしにしている。ほかには俺のものではないがキーボードが置いてある。誰も盗まない。どういうわけかちょくちょくチューニングが狂う。家にはオービル・バイ・ギブソンのチェリーレッドのES―335とフェンダー・メキシコのクリーム色のストラトキャスターと中国製のエレアコがある。ギターはもうこれでいいと思っている。デイケアの音楽室でアクエリアスを飲みながらエピフォンの黒いミニ・レスポールを爆音で弾きまくる。コードを弾いて、ペンタトニック・スケールでブルージーなソロを弾きまくるととても気持ちよく、飽きない。コードを組み合わせ簡単な曲を何曲も作る。ソロはペンタトニックで作る。音を聞いて即興で合わせる。結構循環コードを組み合わせると名曲もどきができる。ボーカルもカラオケで鍛えてるのでずいぶんうまくなった。曲のテーマはソープとか女の名前のラブソングである。結構よくできる。レッド・ツエッペリン、スミス、椎名林檎、相対性理論、ポリス、クリーム、ビートルズの順でコピーも挑戦している。一日一曲、一時間だけやれば全曲制覇できると思う。金曜日はバンドの練習である。キーボードの田中さんが作った「ウィンディ」という曲を練習した。田中さんの作る曲はあまり好きではないがさわやかだ。歌詞はフワフワしている。俺も「ユリ」という曲を早く完成させたい。ユリ、細身だね、きれいだね、君と寝たいんだがどうすりゃいいかな? 「小百合は転落女」も作りたい。さゆりは転落女、信金の支店長の元妻、うみまち信金から転落なんて大したことないと思うけど。バンドの悩みはボーカルが歌詞を暗記できないことだ。俺がボーカルをやろうかな。スミスのリフにクラプトンのブルースソロを組み合わせたら面白いと思う。俺の作る歌はエロい歌が多い。セックス、フェラチオ、69が常套文句だ。だがやはりエロはスパイス程度にしたほうがいいのだと曲作りを重ねてわかってきた。キスと寝たいくらいで十分だ。エピフォンのレスポールもよく鳴るので、マーシャルにつないで爆音で弾きまくったら面白いと思う。やはり家にあるES―335とストラトキャスターの方が8万くらいしたのでいい音が出ると思う。でもギターはやはり腕だと思う。一万五千円のレスポールも全然困らない。学校ないし家庭もないし仕事もないしかっこつかないし……。無職で働かなくて、こんなに楽しくていいのかなあ? バンドは楽しい。楽しいからずいぶんギターもうまくなった。武道館でライブもできると思う。ライブハウス武道館へようこそ! NHKへようこそ! 小説も書きまくったらうまくなると思う。文学へようこそ! ノブナガ文学へようこそ! 小説もうまくなるコツは書いて書いて書きまくることだと思う。今、過去問に「風の歌を聴け」と「限りなく透明に近いブルー」と「コンビニ人間」を繰り返し読んでる。そしてこのレベルの中編を書いて、書いて、書きまくれば、群像新人賞も芥川賞もちょろいのではないか? 書け、書けあらゆる文章を。ご飯について書く。人間合格な好きな食べ物はカレーライスだ。やはりインドカレーが大好きだ。好きだ。よく自分でも作るが、トマトをざく切り、羊肉を細かく切って、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎをひと口大に皮をむいてきって、オリーブオイルでざっと炒める。そして弱火で煮込む。野菜から水が出るので、水はいれない。煮て水が出てきたら、カレースパイス、ガラムマサラ、塩で味付けて、ご飯にかけて食べる。我ながらとてもうまい。おかわり! 人間合格! テーオー小笠原のパボッツの横の通りを函館駅に向かうと「ラムズ・イヤー」がある。歩いていくと大変だが、ここのカレーはまるで羊の麻薬である。上質のヘロインのようにうまい。羊肉ととろみのあるコクのあるカレーがうまくて幸せだ。ラッシーを飲むのも忘れてはならない。人間合格。本通の駒場通りには「豪めん」がある。二郎系ラーメンでボリュームたっぷりである。すぐそばに「さんぱちラーメン」があって、ここと「味の時計台」はつぶれてしまったけども、「豪めん」だけは絶対つぶれてくれるなよと思う。味噌ラーメン大盛をいつも頼むけど、スープの最後の一滴までうまい。人間合格。カレー・ラーメンの次は女の子だ。女の子から人間合格を語りたい。母校の函館東高校にはセックスしとけは良かったなって思う子が何人もいて、一人もやれなかったのはすごく悔しい。まず東高校で学年一番の美少女だった彼女とは、付き合って週末にいつも俺の部屋でセックスしたかった。所属していた漫画研究会の後輩二人とも、ラブホテルで3Pやりたかった。十代なら回復力もすごかったから二人をノックアウトするセックスができたはずだ。予備校の時は同じ東高校のクラスメートの細い子とやりたかったです。同じ予備校の寮の東高出身の男と付き合っていて、いつしかやってたんだろうけども、とてもうらやましかったです。法政大学では、テニス・サークルの子リスみたいなソバージュの女の子とすごくやりたかった。法政大学府中寮の一室に連れ込んで、一晩中セックスしたかった。一つ年上の美人の先輩ともしたかった。フェラチオで何度も顔射したかった。法政女子の同期の女子ともすごくやりたかった。同期のいつもタートルネック着てる文化系のこともすごくやりたかった。風俗たくさんとわずか二回のみのセックス経験は大学生として何か間違えていると思う。印刷会社では同期の事務の女の子がのっぽだけどえらく美人でやりたかったです。肝炎ウイルスを持っているから、ペッティングだけして、ワクチンを打ってもらうプレイがしたかったです。あと得意先のエール・フランスのパンフつくっている広告会社の別嬪さんがいて、本気でつきあって結婚したかったです。フラれました。国土交通省では、これまた同期の東高校出身の高卒の公務員の女の子がすごくかわいくて、すごく彼女にしてやりまくりたかったです。公務員だから結婚して中だしして、子供を産ませたかったです。腹の大きな奥さんにフェラチオしてもらうのも最高に燃えるだろうなあ。あと、八雲町の焼肉屋の若奥さんとはぜひやりたかったです。結婚しているのですが奥さんなら不倫で旦那に慰謝料百万円払ってもいいです。彼女ができて普通にやっていたけど双極性障害でデート中ぶっ倒れて捨てられたのは悲しかったなあ。自殺しないでねとか言われちゃった。しないけど、人間合格だから。風俗は本当にいったなあ。週末になればデリヘルかソープランド函館でしょ。このころは遊び方が下手で、受付で細身の子希望と言ってスレンダーとプレイしてた。札幌の研修や出張に行ったときはすすきののシティ・ボーイズ・ビルかシティ・ガ―ルズ・ビルにいったなあ。なぜか全部ファッション・ヘルスで時には挿入もしたけど。昔からあんまり挿入にはこだわらないから大体一回の出張で二件ははしごしてたなあ。アナルもここで覚えた。いきなりなめられてびっくりした。あと全国用地課で出張した際、御当地風俗に行きまくった。エロ部の上司より行ってたと思う。エロ部はいいよなあ。人間合格だなあ。東京風俗の思い出は外人風俗だ。白人美人と一万円上乗せで挿入することが一回。ただのヘルスが一回、素晴らしく感動的な夜だった。渋谷だったよなあ。今はつぶれたのか。印刷会社に待ち時間に風俗行って、肝炎持ってるのにデリヘルよんではめまくってたのはわるいことしたなあと思います。肝炎向けペッティング・マニュアル本を出して罪を贖いたいです。今日は終わり。一応第一部は二十五枚まで書けばいいことにしている。さすがに枚数オーバーはしないと暗算してるが四百字の四倍だから、ワープロ一枚あたり四百字詰めが四枚。二十五枚をかけると百枚だ。あってる。今日はサラリーマンについて書こう。営業は若いころやって方から印刷営業の話をしよう。営業はとても面白い仕事だ。若いころ、新人研修で印刷の仕事を叩き込まれ印刷について覚えた。あとはオン・ザ・ジョブ・トレーニングだ。本音を言えば若いころもっと勉強すればよかったと思う。忙しかったが週末は暇だから、アマゾンはなかったが東京に住んでいたので、電車で大きな本屋に行って、営業のノウハウ本や会社の経理や仕組みの本などを大人買いして、夜遅く帰ってきたらとか、週末に読んで勉強すれば、地獄のブラック企業も有意義に過ごせたと思う。仕事がブラックだったと思うのは、サンロク協定と組んで労使の合意がないと時間外労働は割増賃金を払わなければならないのだが、定時が五時で、いつも深夜まで労働してたが、一円も残業代は出なかった。あれは明らかな違法だ。会社もバカだと思うのだが利益から残業代くらい出せば士気も高まり、辞める人間も多かったので人的資源の浪費を防げたと思う。一年で五割やめる会社はおかしいと思う。俺は一年半で引き継ぎもろくにせず逃げたし、ほかの同期も半数は逃げた。みな優秀な若手でもったいないと思うのだが、やはり一番の原因は夜が遅いことだと思う。これは簡単な話で深夜はバイク便を使えばいいのだ。正社員は七時か六時に帰る。こうすればコストは製品にのっければいいし、一社だけではコスト高になれないというのなら、労働基準監督署や厚生労働省に頭を下げて、人的資源の深夜残業を防ぐ市場携帯に行政指導してもらえばいいのだ。こうすればブラックな職場を業界ごと撲滅できる。五時までは営業だから会社に帰らないのは当然として、集中力で七時まで事務処理をして雑談して帰る。残業もこのくらいなら定年までやれるだろう。やはりベテランの印刷マンは素晴らしく、何でも知ってる。印刷は十年やらないと一人前にはなれない世界なので、若い人材をつぶす企業のやり方はバカで間抜けだ。七時まで帰れれば利益から残業代もフルでつけられるだろう。クオリティも高まる。体力がやはりものをいうので、肉体派が多かったが七時で帰って飯を食って、体を鍛えて週末にみんなで野球でもやればいいのだ。文学が好きな営業部長がいて新人賞を取ったと自慢していたが余暇があれば文学も楽しめる。あと労働組合を作ればよかったと思う。ちらっと昔いた会社にも組合ができたと2ちゃんねるで見たが、頑張ってると思ったが、俺は組合は使用者側にもメリットがあるので全社で導入すべきだと思う。あと一番大切なキモはストライキはやらないだ。俺はストライキには大反対だ。プロはやらないほうがいい戦術だ。お客様に迷惑をかける労組は絶対伸びない。毎週金曜日、七時から九時までは組合の日と決めて、営業所で飯を食いながら、時には向上の人間を交え会議する。あとは土曜日がいいだろうが現場の組合の声を社長や経営者に伝え会議する。三か月に一日でいいと思うから、三時間くらい、労使で会議すれば経営の思わぬ盲点が見えるだろう。労働者だけではなく経営者にも組合は役に立つ。安易に逃げてやめてしまったが、やはりとどまって自分の力で道を切り開く道もあったなということだ。中小のお客様は広告代理店が多かったが、そこも労働時間が長かった。営業をしてると、問題意識は売り上げと納期と商品の質と給料と女とだったが、営業の味方は下請けや得意先の営業だ。だからお前は営業に向いてないといわれて名刺を投げられたりしたが、営業なら交渉して、得意先や下請けに労働組合や労働基準監督をさせることもできたのになと思う。作家のプロに手が届いて思うのだが、やはりプロならばまずできないというよりできる方法を考えたほうがいいと思うのだ。だから俺は若いころの無念を晴らすべく執念で労働環境改善の運動はやろうと思う。簡単なことだ。厚生労働省の労働局や労働基準監督署に協力してもらい、中小企業の業界ごとに長時間労働の傾向や業務改善案をまとめ、業界ごとに指導、罰則すればいいのだ。ミクロ経済学の基礎の基礎で市場が失敗してるなら政府を使えばいいのだ。それに今までの政府が失敗していたからこの天下人ノブナガが乗り込んで世直しをするのだ。俺は公僕だったからよくわかるが、よい国道を作りたいとかいつも考えていた。厚生労働省の労働局や労働基準監督もよい労働基準監督をしたいという潜在欲求がある。あとはアイディアだけだ。綿密に調べ上げる必要がある。まあ、ここでベタな打ち明け話をすると俺のモチベーションの一つに失恋がある。広告代理店には美人の営業が多い。みなおしゃれな私服を着ている。黒い革パンにやはり黒のタートルネック、おっぱいプルンプルンの営業アシスタントの彼女が俺は大好きだった。しかし食事に誘ったがフラれてしまう。はっきりいえばやりたかったのだが、売り上げを上げてるくらいじゃ手が届かないと思う。一時は一年半戦争の営業成績で一位だった。その時も高根の花だった。だが会社を辞めずにアタックし続け、(今思うのだが一度食事を断られたくらいでくじけてはだめだ。)そうして広告印刷業界の労働環境改善の立役者となり、営業としてもトップであれば、彼女もきっとデートして付き合ってくれ結婚もできたのになあと思う。「できないってすぐ言わないの」といつも彼女に叱られる若い日々だったが、その通りだ。逃げ出さず出来そうもないこともやってみれば「ねえできたでしょう。素敵よ」とあのおっぱいを独占できたのに、ああ、もったいない。彼女のあのおっぱいはもう老いてしまったんだろうなあ。まあいい。若い日の借金は交通事故で百万会社に損害を与えたことではない。労働基準から逃げたことだ。ブラックな業界で、あがかずそこから安易に逃げたことだ。ソロモンよ。私は帰ってきた。まあ失恋はどうでもいい。あんな上玉はきっと結婚して子供がいるんだろうし。今日はこのくらいにしとくか。
と言いつつ、大江健三郎の短編を一つ読んで、思ったことを書く。ノーベルってこんなんでいいの? 大江健三郎の代表作は読んでないから、公平な評価ではないが。短編で、イーヨーという障害児の子供が出ている。障害を持った子供というテーマは素晴らしい。だがもっといいものが書けたと思う。これ単なる日記じゃねえか。大江健三郎はノーベルを取った作家なのでもちろん気合のこってり入った打表作が図書館にはずらりと並んでいるのだろう。週末には図書館で大江健三郎を借りよう。また人生によろこびができた。俺の子猫のぬいぐるみのペットは信長くんという。のぶながくんは俺の軍師で親友で副官だ。信長くんに俺は聞いた。
「なあ、キルヒアイスじゃなくて信長くん。大江に可能だったノーベルは俺に可能だと思うか」
「ノブナガさまにできずしてだれにできるというのでしょう」
話は変わる。失恋の話の続き。あの広告代理店のお姉ちゃんが熟女の人妻と母親になる。俺の作品を読む。俺が広告代理店や印刷業界の労働環境を改善する。彼女は感激する。
「夫や子供には内緒よ。ご褒美よ。抱いて」と迫ってきたらどうすればいいのだろうか?
たぶんそのころにはたぶん俺には妻も娘もいるだろう。まあこっそり密会してやっちまえばいいや。あっけらカーのかーだ。バレたら妻子に土下座しよう。今は女に困って、風俗で土下座してペッティングの毎日だが作家になったらモテるんだろうなあ。太宰とかモテる自慢はする。だが女をふる方法を熟知しないと身が持たん。世の中うまくいかないなあ。大学生のうちに告白してくれればいいのに。さて大江健三郎の短編をまた途中まで読んだ。今度はすこぶる面白い。大江の作品を読んでいるとブレット・イーストン・エリスの「アメリカン・サイコ」を思い出した。洒落て冒頭にイーヨーとベイトマンの会話を挿入してみた。出版はやはり明名書房だろう。ドストエフスキーの最高傑作「賭博者」も思い出した。明日こそ明日こそすべてが明らかになるだろう。カチリと明日になったらすべて楽になるのだった。死ぬことはない。「ザ・ギャンブラー」もいいが日本版だと「パチンカス」だろう。詩織は転落女、元旦那はうみまち信金の支店長。彼女は今は転落して生活保護で、パチンコが趣味で辞められない。生活保護費をパチンコに全部突っ込み、命からがらタンス預金している。ある日、でるはずのパチンコが出ない。財布から万札を投入するがパチンコ台に札と球は吸い込まれていく。ちーん。ジャラジャラジャラ‥…。アッと今に無一文になった彼女パニックになる。アパート代がない。デイケアで作家志願の太郎に泣きつく。「お前はバカだなあ。」賢い太郎は市役所に彼女を連れて行き、一時金を借りて、何とかしたのでした。めでたしめでたし。競馬の人間合格の話をしよう。競馬はビール代とつまみ代さえ用意すれば競馬新聞も買う必要がないし、賭ける必要もない最高のスポーツだ。まず朝一番に競馬場で並ぶ。大勢の汚いおっさんと若い女がちらほらいる。ゲートが空いたらあわてずに、一階の受付で競馬プログラムをもらって、テレビ中継の備え付けの椅子の最後尾に座席を作る。ビールと昼飯とつまみだけは払って買う。よっぱらいすぎず、ビールを飲みながら、テレビ中継の馬を見て適当に三着まで予想する。鉛筆は馬券売場の緑の備え付けの鉛筆で、競馬プログラムに予想を書く。あとこれを忘れてはいけないのだが、せっかく最後尾に座っているので、あそこに座っているおっさんは当てる。あいつは外すと人間観察をしながら人間競馬も予想する。そしてこれを小説に書いて儲ける。バカだなあ。ギャンブルを知らないなあと、「くくくくくく……」と王様になった気で人間競馬と競馬を楽しむ。やはり競馬も一度は賭けてみたいので一レースだけ単勝で百円の掟でかける。いまだ金をかけた競馬は当たったことがないが、人間競馬と金をかけないエア競馬はたまに的中する。すごい金額になることもある。だが騙されない。決して買わない。競馬の基本姿勢だが買わないことかけないことだ。胴元が確立的に勝つのがギャンブルだから絶対勝負はしない。エア競馬と人間競馬で楽しむ、馬鹿にする。でビジネスで儲ければいいのだ。小説や漫画は努力すればもうかる。千円の本で百万部売れば印税は一億だ。
ざわ……
ざわ……
小説のベストセラーの方法を書く。まず「ノルウェイの森」だとか「人間失格」だとか作風の傾向をぬすむ。過去問は多ければ多いほうがいいが、あまり手を広げず絞ることが大事だ。絞ったらそれらを分析し、コピーして、オリジナルにする。例えば「人間失格」を「人間合格」にする。「ノルウェイの森」を死なない青春小説にする。「プリーズ・プリーズ・プリーズ・レット・ミー・ゲット・ワット・アイ・ウォント」というスミスの好きな曲があるので「プリーズ・プリーズ」とでもして「これは人が一人も死なない俺のノルウェイの森です」と帯にでも書けば相当売れると思う。あとベストセラーで忘れてはならないのが海外進出だ。「コンビニ人間」が海外二十四か国に翻訳と聞いて喜んだが、この作品も、そのほかの作品も全作品ベストセラーにするつもりなので全作品二十四か国語に翻訳だ。あとスマッシュヒットを一つ出せば固定客がつくので一つ当たれば連鎖的に売れるが油断してはならない。すべてベストセラーのクオリティで書くのだ。そうすれば失敗しても生き残れるだろう。あとは長生きだ。ノーベル受賞までは長い。幸せは、歩いてこない。だーから歩いていくんだよ。散歩と筋トレと足モミ健康法で百まで生きたいがたぶん可能だろう。この前、村上春樹とミック・ジャガーの真似をして五稜郭公園をとにかく歩いたら、足の裏が水膨れになって、痛くて大変だった。まず適量歩くことが大事だと覚えた。それより早急に筋トレを開始して筋肉をつけねば、筋トレは上半身と下半身を毎日交互にやればいいだけだ。無理なく散歩して、無理なく筋トレして、足モミ健康法やって、食事をバランスよく取れば百まで生きれると思う。一応百二十を目指す。それで挫折しても八十か九十までいけるだろう。俺のおばあちゃんは九十九まで生きてる。ボケてない。その血をひく俺はたぶん百越えも可能だ。おふくろは六十五でがんで死んだが、おふくろは食事と運動と足モミがあまかった。あと貯金をためておき。がんになったら東京の名医に手術してもらえばいい。おふくろは函館で手術したのが失敗だったと思う。四億手元にためて、あとはユニセフに募金しよう。ユニセフもゲン担ぎだが、たぶんいいことをするとがんになりにくいと思う。ユニセフは運がつく。さて筋トレと足モミ終わり。とりあえず目標だが二百歳を目指す。そしたら機械の体にプログラム手術して百万歳を目指す。明日は機械の体だ。メーテル! 俺は思うのだが、世界中にいま生きてる人とすでに死んだ全人類に機械の体を与え、百万年生きさせたらすごい文明が築けるのではないか? はなしはまたすごく飛ぶのだが見た夢を挿入する。何か点滴を受けている。精神科医から電話がくる。次の赤旗祭りについていく。君が女性に同声をかけるのか観察する。すると俺は怒る。医者め。医大生のうちから、肩書で女つれ放題のくせして。公務員の上司に報告する。同僚の女性に愚痴をこぼす。ここで目が覚めた朝の五時だった。ここでふと思った。無職でナンパしないでいいのかなと。実は作家になったらバーでナンパしまくろうと計画していた。作家です。芥川賞持ってます。ベストセラーです金持ってます。という肩書で女を吊るいやらしいナンパだ。しかしせっかくの無職だ。来月、障害年金がはいったらバーでナンパを決行することにした。無職の作家志望です。セーフティ・ネットで食っています。芥川賞を狙ってますが小説で行きづまりまして、金はないけどいっぱいおごらせてください。まあ話くらいならできそうだ。これはすごい。無職でナンパ。確かに絶対やるべきだ。機械の体の話。俺は頑張って二百歳まで生きてみようと思う。そうするとAIが進化する。ノーベル賞を取った頭脳をAIにインプットしませんかとアメリカにラブコールを送る。たぶんオーケーが出る。そこでAIノブナガ君の出来上がり、あとは肉体は死んでもAIとして生き、事故進化させ時を待って、ほかの死んだ人類もみんなAIにしてしまえばいいのだ。本当かよ。でも百万歳生きることも可能だと思う。あとキリスト教に改宗だ。教会はめんどくさいのでいかないし、墓も禅宗の墓だが、毎晩聖書読んでイエス様にお祈りする。機械の体と永遠の生命を下さい。イエス様と創主さまは全知全能の神だからたぶんかなえてくれる。本当かよ。と突っ込む。しかし百万歳生きてたらどれだけ小説が書けるんだろう。ロックミュージシャンにもなってみたいが夢が叶っちゃいそうだ。ワクワク長生きランド。はなしはまた飛ぶ。そういや、大学生のころ人並み以上にデートばかりしていたが、勝負デートしなかったなあ。まずキスまで自然にして次で夕食とホテルの勝負デートでセックス。勝負デートがなれたら寮かアパートでセックス三昧、B型肝炎が暴露したら、ペッティングとワクチンに切り替えて性生活。しまったああ、あのこともこのこともセックス出来たんだああ、かわいい子も結構いたし、そうでないこともセックス出来たら結構続いたよな。彼女みたいのもいたが、キスもセックスも仕掛けなきゃ自然消滅するな。何考えてるんだこのサル。まあ昔話はいいや、来月障害年金はいったらバーでナンパして携帯番号きこ、で、キスデート、勝負デートしてやろう。金がないから二か月おきだな。大失敗したあ。大失敗したあ。もっと早めに気づけばよかった。そうかあ結婚してる人や、彼女いる人はみんなキスデードや勝負デートをこなしてたわけかあ。でも四十六歳できづけて良かった。まだ間に合う。俺の結婚。村上春樹は早稲田の学生時代にキスデートと勝負デートと結婚式か。むきー悔しい。まあいや四十六から頑張ろう。奥さん見つけよう。しかしみんなどこでこの事実に気が付くのだろう? 「モテる技術」を熟読してたのかなあ? ホットドックプレスにも載ってなかったと思うなあ。「デートの技術」とか売ってみたらおおもうけするかもな。人間合格だから四十六歳からでいいんだい。俺はナカノ・ノブナガと名乗っていたが、この大失態からナカノ・サル・ノブナガと改名した。すごくいい。秀吉と信長のスーパーコンビだ。家康はいらん。信長だけだと明智光秀に本能寺で撃たれてしまうわけだ。秀吉を名前に入れることで日本統一まではもらった。トクガワ・サル・ノブナガはくどい。幕府はいらない。ナカノ・サル・ノブナガで勝負しよう。狙うは世界制覇だ。世界制覇といえば軍事力・戦争だ。だが戦争などシミュレーションゲームとサバイバルゲームで十分だ。人を殺さない戦争というのも理論的には可能だと思う。戦争については軍事オタクだったのでいろいろ考えた。それで、人を殺さない戦争というものが可能であるという結論に達した。要するに将棋だ。チェスト将棋はインドで発明されたものだが、ある戦争好きの王様がいて、戦争ばかりしていた。家来が無駄な流血を避けようと将棋を開発し、献上すると、王様は将棋を愛好し、戦争をやめたので平和になったという話である。この話を現代に応用するとまず核兵器は人類を絶滅しかねないので段階的に軍縮撤廃する。オバマがノーベル平和賞をもらったがこれは理論的には可能だと思う。それで各以外の通常兵器を各国が持ち均衡させる。自衛隊も必要だと思うし、実戦力をこの世からなくせないだろう。だから全世界軍事力を持つ。そして各国で和平条約を結び実戦力では戦闘しないようにする。そして実戦力のほかにサバイバルゲーム部隊を各国は実戦力に加えて持つ。実戦力の人や兵器をサバイバルゲーム用に帰るように工夫してもいいだろう。加えて、コンピュータにシミュレーションゲーム用のソフトとインターネット回線を世界中につなぎどこの国とも戦争可能にする。それで受薬を結び国家間の戦争はこのシミュレーションゲームとルールを厳守するサバイバルゲームでのみ行うことにする。ジャッジ役に中立国を使ってもいいだろう。この未来の将棋戦争の第一の利点は人命を損なわない。町や人を損なわないということだ。事故死でシミュレーションゲームやサバイバルゲームで死亡者や負傷者が出る可能性があるが、少数だろう。今日では全面戦争は難しい。局地戦争や代理戦争になるだろうそれはシミュレーションゲームやサバイバルゲームで十分である。小林よしのりのいうような人類の戦争欲みたいなものはこのしくみで昇華できる。軍産複合体も相変わらず利益を上げることが可能である。まず戦わないが持っている通常武力の代金、コンピュータシミュレーションの代金、サバイバルゲームの代金、ロスチャイルドや三菱などの軍需産業も毎年濡れ手に粟の巨額の利権を得ることができる。そしてこの将棋システムの利点は人命や物品を損なわないので国際紛争を解決する手段として、何度でも全面戦争でもルール次第では思うが儘だ。要するに戦争をスポーツにしようというのである。この戦争の欠点は試案の悪い内乱の国やテロリズムなどには効果がないということだ。内乱やテロを実戦力で繰り返す国にはやはり、実戦力で治安と秩序を取り戻さざるを得ないだろう。そこでは人命や民間人も犠牲になるのは不幸だが避けられないだろう。全世界が将棋システムになればよいと思うのだが。まあこの小説では第二次世界大戦から将棋システムで仮想現実の世界を繰り広げる。仮想現実といえば機械の体だが、ノーベル賞を取ったら可能だと思うが、アメリカのAIIロボットに生まれ変われるならぜひお願いしたい。そして地球の歴史上すべての人類をAIロボットにして、地球に住むのは数が多すぎるのでスペースコロニーや他の惑星に移住すると面白そうだ。銀河にはたくさん惑星があるので移住先はいろいろある。宇宙人と出会うこともあるだろうが、その時は将棋システムの戦争や平和裏に交流すればよいのだ。それで銀河鉄道とモビルスーツをぜひ発明していただきたい。俺はメーテルと握手とハグとほっぺにちゅしながら銀河鉄道で旅し、赤いシャアザクに乗り、アムロの操るガンダムと宇宙将棋システムでバトルするのが夢である。ガンダムはアナハイム・エレクトロ二クスではだめだと思う。ロスチャイルド・エレクトロニクスでないと、赤い盾だから。それとエヴァンゲリオンである。銀河鉄道にシャアザクとエヴァンゲリオンを搭載し、アスカやレイやミサトさん、赤城博士、マリと握手とハグとほっぺにちゅしてエヴァに乗って使徒と将棋システムで戦う人生が夢である。エヴァのシステムだがお袋にシンクロするのは気持ちが悪いので、マリア様にシンクロするとか俺の六号機は改造してもらえないだろうか。本音を言うとオンナキャラとセックスしたいのだが訴えられると困るので握手とハグとほっぺにちゅである。バック・グラウンド・ミュージック。握手とハグとほっぺにちゅはバック・グラウンド・ミュージックが必要である。スミス、ビートルズ、ストーンズ、レッド・ツエッペリンを呼んで、死んでるやつはAIロボットにして引きずり出す。銀河鉄道生ライブでBGMである。邦楽だと相対性理論、えっちゃんと握手とハグとほっぺにちゅである。それとピチカート・ファイブ、カヒミ・カリイ、コーネリアスくらいか。だがコーネリアスは人間性に問題がある。ウンコ食わせ障がい者いじめである。しょうがないなあ。まずスカトロビデオにコーネリアスを羽交い絞めにして出演させ、ウンコいじめを謝罪してチャリティコンサートを開かせるくらいの落とし前でよかろう。本当にこんなろくでもないアーティストは珍しい。さてカヒミやの野宮マキとも握手とハグとほっぺにちゅである。カヒミ、野宮マキ、椎名林檎、仲間由紀恵、スーメタル、上戸彩、えっちゃん、ヴァネッサ・パラディ、セイラさん、ミサト、リツコ、マヤ、メーテル、レイ、アスカ、マリ。さあ握手とハグとほっぺにちゅ。音楽の時間です。コーネリアスが前座です。まずスカトロ・ビデオ出演、謝罪、しまらないオタクだな。カヒミ、ピチカート・ファイブ。俺もES―335で参加します。新しい曲ができます。相対性理論の時間です。俺もES―335で弾きまくります。スミス、ストーンズ、ツエッペリン、ビートルズ、BABYMETALともジャムります。ようし新しいロックバンド作るぞ。俺はデイケアでデイケア・グラジオラスというバンドを組んでるんで、信長・アンド・デイケア・グラジオラスで一曲歌います。メイン・ボーカルとリード・ギターは作詞は俺です。作曲はジョニー・マー、サブ・ボーカルドラムとギターとベースはバンドの数だけいます。
歌います。「人間合格」
ダ―メダメダメダメ人間、人間、人間。僕らみんな精子と卵子だった。生きてる。
つらくても死ぬな。自殺するな。長生きしろ。百万年、百万年が当たり前。
人間、合格、人間合格。合格、おうおう、合格、おうおう。
この人間失格からの卒業。(太宰のギターソロ、一生懸命練習した)
明日には百点取ろう。(ジョニー・マーのアルペジオ)
デイケア・カラオケで兄弟船で百点出した。(ジミー・ペイジのギターソロ)
さあここでまたハグコーラスタイムだよ。
カヒミ、スーメタル、マキ、えっちゃん、ハグして
(コーラス)
アンアンアン上海アン
アンアンアンアンアンアンアン
すべての人類はセックスで生まれた。
人間(合格)
人間(合格?)
人間(ごうかく!)
失格?いやいやいや合格!(ぱちぱちぱちぱち、おめでとう、子供たち!)
(俺のギターソロ七時間五十二分)
ご清聴ありがとう!!!
鐘の音(キンコンカンコンキンコンカンコン)
百点満点!
財務省主計官採点「素人のど自慢」
第二部 生きろ!
俺は双極性障害の無職四十六歳の作家志望、村上春樹のマジックリアリズムで壁抜けをして、太宰治の自殺現場に急行した。超能力でもよかろう。猫が連れてきてくれる。(自殺しそうな作家がいるよ)猫が言う。ダムだった。太宰と思われる男と女が二人入水自殺しようとしている。壁抜けして、自殺現場に現れた俺は、太宰に近づくと羽交い締めで太宰を止めた。女が叫んだ。筋肉が軋んだが、虚弱な太宰を組み伏せるのは簡単だった。
「弱虫!」
「俺は弱虫でもない人間失格だああ」
「生きろったら」
「死ぬことが俺の正義だあ」
「神に魂を売れ」
二、三、太宰のほっぺたをなぐって、力づくで精神病病院にひきづっていった。途中で道を尋ねて大変だった。やはり太宰は文学と双極性障害とダウン症子供のことで悩んでいた。大江健三郎という障害者の子どもを持った偉大な作家がいて、太宰はそのことを知らないだろうから、熱心に語った。双極性障害ということでは平成日本の俺は太宰よりもベテランである。やはり昭和の精神科医療は遅れているし、猫に連れられマジックリアリズムで壁抜けして、平成の抗うつ剤やリチウムなどをタイムスリップして熱心にやった。戦友太宰を一作家として寿命まで生きさせ、寿命まで生きさすというのはエゴだなと思ったけれども、まあ小説だからよかろう。平成日本の抗うつ剤、リチウム、心理療法はやはり最強である。太宰の場合、双極性障害の二次障害であるパピナール中毒の治療が最優先だと思ったから、平成日本の精神科医に頭を下げて、薬物治療と双極性障害の治療を熱心にやったら、時間はかかったが、双極性一型の太宰も、リチウム、認知行動療法、それと持論の心理療法、目的療法でケロリと寛解した。あとは太宰に禁酒を進め、嗜む程度にビールで乾杯し、文学論を戦わせた。東京大学出身の太宰はやはり、学習能力が高い。大江健三郎、村上春樹、村上龍を教え、当たり前のことだがダウン症や双極性障害の克服や社会福祉利用ノウハウを教えて寿命まで生きさせた。お茶目な太宰は理解した。指切りげんまんをして、サインをもらった。歴史を変えちゃった。小説だからよかろう。あと太宰はベストセラー作家になるだろうからユニセフと赤い羽根に募金するように進めた。つまらない金の使い方をするな、共産主義者を志したのなら、金に支配されるな。太宰は照れて笑った。
「君には敵わないなあ、やっぱり庶民の生まれだからだろうか、たくましいし、坊ちゃん生まれの自分には思いつかない事を考える。ユニセフか」
「太宰も共産主義者だったらしいけどこれも親父が日本共産党の党員で、赤旗を読んで育った。ソ連とか子どもの頃は応援してたけど高校時代にソ連は暗黒の帝国だと知って、衝撃を受けた。中国や東ヨーロッパ、キューバ、北朝鮮などもひどく貧しい国だと知って、自分なりにマルクス・エンゲルスから主流派経済学を咀嚼して、一応の結論にたっした。まずマルクスは暴力革命を唱えたけど、それは誤りだと言うことだ。民主主義で粘りづよく改革しないと秘密警察や粛清、飢餓を引き起こすのでよくないと言うことだ。あと経済学的に、計画経済は誤りだ。市場は複雑系経済学によると、スーパーコンピューターでも敵わない情報処理能力を持っている。市場も失敗するから、そこは公務員制度を作って、官民の混合経済がベストだろう。ソ連や中国は一党独裁だが、マルクスやレーニンが考えたプロレタリア独裁はやはり間違えている。民主主義で多党制がベストだ。やはりマルクスを読むと勉強不足だなと思うところがあって。まあ時代背景もあったんだが。日本共産党に物申すと、やはり国家の廃止、貨幣の廃止、市場の廃止などと言う共産主義のアイディアは、社会科学上、面白いからシンクタンクを作って、学者を集めて研究し、ビジョンを作ればいいと思う。不破哲三などちゃんちゃら可笑しいが、やはり勉強してないし、ビジョンがない。あと日本共産党は戦前、戦後の一部暴力革命を目指した政党だから公安のマークがついてるが、やはり暴力革命路線は間違いだったと自己批判し、赤旗で暴力革命路線の間違いと謝罪の特集連載をやればいいと思う。」
「ずいぶん、長いセリフだな。君は資本論は読んだか? 僕は非合法共産党の学習会で読破した」
「資本論は入門書中級書を読んで資本論第四部、剰余価値学説史まで読破した。資本論を読んで思うのは剰余価値学説史初めからマルクスは間違えてると言うことだ。いわゆる安く買って高く売ると否定したが、古本屋に行ったことがなかったのだろうか? あと市場について知らない。これは時代的制約があったのだろうが、市場の情報処理能力はスーパーコンピューターでも敵わないことを推理で看破することはできたと思う。資本論で有意義な貢献は有機的構成の高度化だ。これは競争が進むと、搾取という利潤を得れなくなって、資本主義が瓦解するというようなことだが。俺は次のように考えている。いわゆる人工知能などで機械化が進むと、人間の働く場がなくなって。やがてベーシック・インカムで分配する共産主義もあるのではないかと思う。若い人に言いたいのだが、入門書でいいから資本論を読むべきだと思う。『マルクスる』という入門書がわかりやすくてベストだ。」
「君は共産主義オタクなんだなあ。これは驚いた」
「太宰はどんな本を読んだ?」
「俺は思想書や聖書も好んだけど、オーソドックスな文学をやはり好んだよ。芥川やドストエフスキー、フローベルはやはりいい」
「小説の書き方みたいな本は読んだ?」
「昭和にも文学理論の本はあって可能な限り読んだよ。でも文学はやはり読書したら真似て書いてみて同人で批評されると上手くなるよ」
「若くしてあれだけの傑作を書いたのは羨ましいなあ」
「それは運もあるんだけどやはり努力だと思うよ。若い頃の君は努力が足りなかったんだろう。」
「太宰は次回作は何を書く?」
「人間合格は君にやられちまったから、健康失格か健康合格を書こうかなあ。君が教えてくれた村上春樹くんは面白いね。俺も彼に習ってジョギングを始めたが健康はいい。大江健三郎くんに習って障害児者は面白いと思うね。君は独身だから育児は知らんだろうから書けないだろう。ギロチンギロチンシュルシュルシュ」
「太宰はユーモア小説うまいよね、あと悲劇名詞、喜劇名詞とか」
「双極性障害だからかなあ、双状態の時に面白い考えが浮かぶ。あとは勉強だよ。やはり喜劇や滑稽噺をよく読むことだよ」
「人間合格ってトラかなあ。悲劇名詞」
「トラ・トラ・トラ、寿命で死んだらお葬式がやはり悲しい」
「トラか。太宰せっかく昭和に来たんだから、カフェに行って、飯屋で湯豆腐食べよう」
俺と太宰はてくてく歩いて三鷹のカフェに入った。女給が来てメニューを聞いた。メニューを見るとコーヒーと紅茶とソフト・ドリンクがある。太宰がコーヒーがオススメだというので、コーヒーにした。
「太宰はメイド・カフェ知ってる?」
「なんだそりゃ、女給はみんなメイドじゃないか」
女給が二人分のコーヒーを運んできた。和服姿だった。昭和だなあ。
「そうなんだけど、大財閥の屋敷のメイド服を着たカフェで、オタクが集まって、萌え萌えする」
「ほー、女給にキスしたりするの?」
「いや見てるだけ」
「行ってみたいなあ。俺はメイドにキスするぞ。あとインターネットって見てみたい。湯豆腐奢るからお前の特殊能力で平成に連れて行け、あとこの時代の風俗も連れってってやる」
太宰についててくてくと湯豆腐を食べにいた。シンプルでダシが効いて絶品だった、太宰とビールを飲んで平成談義に花が咲いた。湯豆腐を食べ終わると昭和の赤線に太宰に連れられて行った。やはり指名制で飾り窓から娼婦を選ぶ。和服姿なのでとても色っぽい。泊まりで前金だったので太宰に払ってもらい。明日なと別れた。やはり太宰も面食いでいい女を選んでいた。個室に通された。
「まあ、お茶とお菓子どうぞ」
「ありがとう。お姉さん美人だね。名前と歳は?」
「名前はよし、二十四よ」
「とりあえず催してきたのでキスしていい?」
チョンと抱き合ってキスをした。二階の個室だったのだが、一階の浴場に行ってくるように言われ、階段を降りて案内図を見て浴場に入った。脱衣場で全裸になり。まず体を備え付けの石鹸とシャンプーで洗って、洗面器のお湯で流した。湯に浸かり、熱いので早めに出た。タオルで体を拭き、服を着て二階に戻った。備え付きの冷蔵庫からよしがビールを出してくれたので飲んだ。
「俺、下手くそだけどよろしくね。女性上位がいいなあ、はじめは69して。コンドームはこの時代もあるよね。俺は未来の平成から来たんだ」
未来? とよしが質問するので色々平成の世の中を語った。いよいよ始める時間になり、和室の布団になだれ込んだ。蛍光灯をつけといてくれるよう交渉し成功した。よしが和服を脱ぐ。ふっくらと背は短いが白くなまめかしい裸身が目に入り、俺は勃起し興奮する。俺もジーンズとパーカーと下着を脱いでたたみ、裸でよしと抱き合った。キスをする。舌を入れて舐め回して唾液を交換した。よしが裸で横たわる。俺も布団に潜り込み、よしのおっぱいを吸い、もみ、上半身隈なく愛撫した。姿勢を変え69の体制をとりよしにくわえてくれと告げた。よしの白い太ももを舐めて、マンコと肛門を舐める。肛門を舐めるたびよしがピクピクを動いた。肛門は苦く美味しかった。よしは俺のチンポを加え美味しそうにしゃぶった。あまりによしのフェラチオがうまかったので射精してしまい、一回戦はそこで終了となった。よしが水道に行きコップで精液を流した。布団に横たわり二回戦をしようと決め、よしとベットトークした。よしは生まれ故郷の青森の話をした。貧乏で苦しく。東京に売られてきたという。五人兄弟で長女で、兄弟皆貧しく苦労しているという。よしに肛門は好きか? と聞いた。肛門? とよしがいう。肛門にチンポをいれるというのも気持ちいいぜ。よしが興味を示したので、二回戦は肛門セックスにした。よしをバックの体制で肛門にチンポを挿入する。コンドームもつけた。何回か腰を振ったが悲しく中折れした。よしにごめん弱いんだ。よしが上になって女性上位で行こうと言い。コンドームを外しよしに口でしゃぶってもらい勃起した。横たわり、コンドームを付け直し、よしの膣に挿入した。よしの乳房を揉みながら腰を触り合い。俺は声をあげ射精した。よしに行ったかい? と聞きオルガスズムはまだよ、というのでクリニングスでいかせてやることにした。よしの太ももを開き膣と肛門をまんべんなく舐める。クリトリスにやがて集中して、ペチャペチャと根気よくなめるとよしは体を震わせて、オルガスズムの喘ぎ声をあげた。布団に横たわり、よしと話した。
「肛門は気持ちよかったけどやはり恥ずかしいわ」
「セックスは文化だ、なんでもありだよ」
「あまり、絶頂に達することはないの、下手な客ばかりで、あなたのセックスよかったわ。また来て指名してね」
「俺は思うけど本番でイかすの難しいと思うんだ。本番後にクリトリスを責めると女をいかすことができる」
「どこでセックスを覚えたの? 奥さん?」
「いや結婚はしてない。やはり平成日本の風俗で覚えた」
「あたしは結婚したいわ。誰か身請けしてくれないかしら」
「俺もしてやりたいけど、未来人なんだ。」
「そう、残念ね、あなたいい旦那になりそう」
「俺も早く結婚したい。四十六だけど彼女もいない」
「好きな人いるの?」
「いるよ。風俗で働いている、子供もいる。女の子」
「子供は欲しい?」
「B型肝炎で薬を飲んでるから、子供ができない体なんだ、残念だけど」
「あたしは五人くらい子供を産みたいわね。」
眠くなったのでよしの乳首を吸う。よしよしと頭を撫でられて、眠りに落ちた。次の日眼が覚めるとよしがもう着替えていた。服を着て一回の食堂から運んできた朝食をよしと食べる。納豆と海苔とご飯とわかめの味噌汁。出汁は鰹出汁。よしとさようならを言い、太宰と待ち合わせる。
「楽しかったかい?」
「昭和の女も情熱的だなあ。フェラチオまでしてくれるとは思わなかった」
「じゃあ早速平成に行こう、インターネットがあるところと、メイド・カフェとうまいものと女が抱ける場所に行こう」
俺は壁抜けして太宰を函館に連れて行った。五稜郭からテーオー小笠原とパボッツという総合遊戯施設に向かった。エスカレーターを登ると二階にインターネット・カフェがある。まず太宰と一階の餃子の王将で定食を食べた。セルフサービスに慣れてない太宰はぶつくさ文句を言ったが餃子は抜群にうまいと感激した。二階のインターネット・カフェに向かう。隣の席にしてもらい、太宰のブースに行きパソコンの使い方を教え、初心者向けの5ちゃんねるを教えた。太宰は文学板のスレの我輩は太宰治であると何やら書き込んだ。スルースキルがないので、ネットでバトルになり論破といってよしを繰り返した。怒り狂ってパソコンを殴ろうとしたので止めた。次はメイド・カフェだ。五稜郭まで歩き、丸井の裏側にメイド・カフェがある。メイドがひらひらの服を着ている……。
「これが萌えなのか?」
「そう」
太宰は感心してうなづいた。チョコレート・パフェを二つ頼んだ。太宰はチョコパフェをぱくつきながら、メイドに声をかけた。
「君、可愛いメイドだね。萌えっていうのかい?」
「ご主人様ありがとうございます」
「ご主人さまじゃないが俺はいい男だろう?」
「とっても素敵です。和服似合いますね」
「ありがとう。俺、太宰治っていう有名作家なんだぜ。タイムスリップしてきた」
「えー走れメロスは読んだことあります。人間失格も好きでした」
「平成に来た記念にキスしていい? ついでにタチマキミサキで心中しようか?」
「心中は嫌だけど、太宰ならほっぺにキスはいいですよ」
太宰が笑ってひらりとメイドのほっぺにキスした。まだ時間があるので先にソープランド函館にしけこむことにした。携帯で予約して俺は沙羅、太宰はみゆだ。早番のソープはいいことが多い。松風町まで五稜郭から電車で一本。松風町で降りて、パチンコ屋を超えてソープランド函館に着く、受付で田中ですがと偽名を言い。二人分三万円払う。待合室で待って。みゆが迎えに来たので太宰がいく。沙羅が迎えに来たので二階の個室に向かった。
「お久しぶり、元気にしてた?」
「元気元気。沙羅ちゃん元気?」
「元気、B型肝炎大丈夫?」
「大丈夫、今日はセーフ・セックスをしたい」
「B型肝炎怖いからセックスは嫌」
「じゃあ上半身愛撫するから手コキで抜いて」
沙羅と俺は全裸になり、シャワーを浴びて浴槽に浸かる。俺は歯磨きをした。ベットに沙羅を横たえておっぱいを中心に上半身を徹底的に愛撫した。交代してローションをつけてチンポをしごいてもらった。射精して、シャワーで流した。店を出て太宰と合流し、太宰を昭和に送って行った。
「太宰最後に詩を書くから、見てくれ」
「お安い御用だ」
『人間合格の野生の馬 ナカノ・サル・ノブナガ
燃え上がる
地獄の炎を超え
俺は見た
野生の馬が人間合格と叫ぶのを
俺は馬を飼いならし軍馬とした
今川軍を奇襲した
斉藤軍を蹴散らした
浅井朝倉蹴散らして
武田軍を鉄砲で破る
毛利軍を破ろうとして
裏切りに会い本能寺で消える
地獄に落ち
地獄の野生の馬が叫ぶ
人間合格
人間合格
俺も叫び続けていた
人間合格、と』
「スゴブル良いじゃないか百点あげよう」
次は誰の自殺を妨害しよう。コスパを考えると一度ではできないから、「ノルウェイの森」の直子を救う事にした。子猫がまたこの時代に連れてきてくれた。子猫は白くてかわいい。(美人のお姉ちゃんが自殺しそうだよ)、やはり壁抜けをして、自殺現場の森に急行し、美人の直子を力づくで止め、ベタなセリフであるが早まるな、と言った。
「美しく死にたいの。はなして。なんで邪魔するの」
「生きるんだ今はつらくても、気合付けにキスしてやる」
「うわあああああああん。おかあさああああん。キズキ君」
「ガキが死んでんじゃねえよ」
号泣。あとは繰り返しである。平成日本の統合失調症の薬物と心理療法を六十年代に持ち込み、精神科医と協力して直子を治療した。統合失調症は一生ものである。付き合って生き抜けばなんとかなるが厄介だがなんとかなる。やはり直子の場合キズキの自殺が大きい。そこで考えてキズキをマジックリアリズムで救って、ワープして連れてくる。膣が濡れないという体質はローションでよかろう。それで挿入できなくても性生活はどうとでもなる。ワタナベは緑とくっつくし諦めろ。本命のキズキとくっつけとアドバイスした。やはり作家として、直子とハグしてほっぺにちゅした。玲子さんともした。三人でギターを弾いて歌った。エレキギターもあったので俺がソロギターを弾いた。
「これで自殺自体のお葬式をしましょう。ナカノクンのギターはまだまだだけどね」
「いったなあ」
ふふふと、玲子さんはワインを飲み、たばこを吸った。ヘイ・ジュード、ペーパーバック・ライター、エリナ・レグビー、ノルウェイの森、「四曲」ヘルプ、イェスタデイ、ヘルタ・スケルター、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド、カム・トゥゲザー。「五曲」やはり直子とハグしてほっぺにちゅした。玲子さんともした。
キズキを救わねばならない。こいつは典型的な鬱だなと思ったので、猫に連れられ自殺現場に急行してガスでもうもうの自殺現場をぶち破り、力わざで自殺を妨害した。死ぬんだ美しく。醜く生きろ。号泣。若いなあと思った。抗うつ剤は傑作、SSRIを持ち込み、閉鎖病棟にぶち込んで、平成日本の薬物、心理療法、を叩き込み、やはり直子のことで悩んでいたのは見え見えだから、マジックリアリズムでワープして、直子と再会させ、再び付き合わせた。するとなんとかなった。人の自殺を妨害するのはどうかという思いがあったが、いいだろう。それが俺の人間合格だ。精神病は一生ものだが、付き合っていける病気だから、そうした。それがリアリズムだ。あと性指導が大事だ。直子は濡れないので、一生69と愛撫で行けとキズキと直子にアドバイスした。オーバー・ミー。
次はハツミさんだ。やはり自殺現場に猫と急行して全裸の彼女のカミソリを取り上げ、力ずくで彼女の部屋のベットに連れて行った。
「疲れたの。はなして」
「疲れろ。生き抜け」
「うわあああああああん」
「いきろったら」
抗うつ剤治療と心理治療をすることを約束させ、全裸だったので、記念に握手してハグしてほっぺにちゅした。ハツミさんとはしばらく付き合った。この時代の精神科医に連れ添い、平成日本から抗うつ剤を取り寄せ、服用させ、認知行動療法を教え、キャリアの外交官は諦めた方がいいですよ、ノンキャリア地方部局の公務員が狙い目です。僕は未来から来たのでいずれは別れますがと言った。定期的にデートをした。地方ノンキャリアの合コンに彼女を向かわせ、ノンキャリアの公務員の彼氏ができたときは、別れが辛かったが、長いキスをして、さようならハツミ、君が幸せになるのを祈る、といった。
次は、俺の大学生頃の寮の先輩だ。猫に連れられマジックリアリズムで現場に直行し、納屋で首つりしそうな彼を羽交い絞めした。ふりほどかれ、ボクサーなのでストレートを放った。俺のクロスカウンターが決まり、彼は気絶した。俺のメガネが吹き飛んで、拾うと片方のレンズが割れてしまった。
「先輩、起きてください。俺です、ナカノです。親の離婚や鬱くらいで死んじゃだめですよ。無理やり精神科に連れて行きますからね」
「よせ俺はもう死にたい」
「バカ。弱虫」
「うわああああああん」
「病院に連れて行く。反論は許さない」
わめく彼を無理やり精神科の閉鎖病棟にひきづっていった。平成日本からSSRIをもってきて投与し認知行動療法を教え半年入院させると先輩の鬱はしっかり寛解した。通信教育の大学を中退した彼に、やってみたい職種を聴き、就職活動とボクシングの再開を世話した。ボクシングのスパーリングをした。この前はマジックリアリズムの力でクロスカウンターが決まったので、今度のスパーリングはぼこぼこにされた。しばらくけがが治るまで休んだ。反論は許さない。
次は高校の漫画研究会の先輩だ。猫に連れられ、バーで首を吊るところをマジックリアリズムで近づくと無理やり抱き着き、バックドロップした
「疲れた。死ぬ」
「ダメだ生きろ。」
「うわあああああん」
「オタクの根性を見せろ」。
精神科に連れて行き、SSRIを飲ませて寛解させた。バーは経済的にやっていけなかったので示させて失業保険と生活保護の手続きをし、デイケアに通わせ、みどりの窓口で再就職の世話をした。オタク……。
次は本通のラーメン屋の親父だ。自殺しそうなのを、猫に連れられた。(ラーメン御馳走になろうよ)マジックリアリズムで近づきげんこした。
「まずいラーメンなんだ俺は」
「死なずに作り直せ」
号泣。精神科に連れて行き抗うつ剤と飲ませて心理療法をやったら寛解した。働きたくないというので、生活保護の手続きをして、デイケアに通わせた。ラーメンと女たち……。
次は誰の自殺を妨害しよう。三島にした。自衛隊に立てこもっている三島に、猫とマジックリアリズムで近づき、日本刀を取り上げ、妨害しようとした森田必勝を一撃必殺の空手で昏倒させ。警官隊に応援を要求した。
「切腹の邪魔するな」
「うるさい右翼のくせに弱虫」
「うわああああん」
「手間がかかるな」
三島はテロの実行犯なので、医療刑務所にぶち込まれたが、やはり鬱の毛があったので、平成日本から持ち込んだ抗うつ剤と心理療法がてきめんに聞いた。三島は右翼なので、俺の右翼思想と左翼思想と、やはり生まれた命は最後まで生きろという思想を連日ディベートした、議論ばかりの毎日だが俺のしつこさが勝利した。あとやはり三島はノーベル賞候補なので、ノーベル賞を狙えと助言した。
「三島さんの文学は読んだことがないのだが」
「それは人生を無駄にしている。傑作揃いだ」
「今度読む。憂国が良いか」
「それでいいだろう」
「三島さんというともう一つ興味があってボディ・ビルだ。ぜひ教えてくれ」
いいだろうと三島に連れられ、ジムに行った。ベンチプレスに初挑戦する。もともと筋トレは趣味で鍛えていたから、ベンチプレスの一番軽いものはあっさり持ち上がった。それをメニューを決めて繰り返し、筋肉を鍛え、重さを調整して、負荷を増やし、最終的には三島レベルまでやって筋肉モリモリになった。
「三島さんの短編集を読んだ。憂国の入った奴。卵という短編が面白かった。一部読み飛ばしたけど、図書館の返却期限までには全部読むよ。三島さんは小説がうまいね」
「当たり前だろう、ノーベル賞候補だ」
「『月』という短編と『新聞紙』もよかった」
「君たちの世代にも面白いだろう」
「『詩を書く少年』は傑作だった。詩を書かなくなるんだな」
「君も小説をさぼるなよ」
「『憂国』は僕も書いてみたいけども長編で」
「やってみたまえ」
「三島さん、憂国という詩を書いた、見てくれ」
「いいとも」
『憂国 ナカノ・サル・ノブナガ
構造改革ああ失敗
俺は心配だ
日本が総中流社会を忘れてしまうのを
自民党
自民党
総中流社会を取り戻せ
構造改革前の社会に戻すんだ
少子化がマジでやばいぜ
格差が恐ろしいぜ
竹中、小泉を島流しにして
どうかやり直せ
赤点だ
今の日本と財務省は
卵焼きの刑にしろ』
「すばらしい。百点をあげよう」
次は、三島の「憂国」の中尉だ。猫に連れられ、マジックリアリズムで自決現場に向かい、刀を巻き上げる。
「男なら、文学上だが、こぶしで語ろう。せっかくボディ・ビルしたし」
と庭で喧嘩をする。中尉は拳闘で、俺は骨法だ。パンチに手合いで掌底を合わせ脳を揺らす。中尉はぶっ倒れた。
「切腹するう。」
「生きろ。」
「ぐふっうわあああああん」
「生きろ、それが定めだ」
中尉に三島の主人公なら憂国の小説家になれ、死ぬまでかけといい、介抱する。奥さんの麗子さんと記念にハグしてほっぺにちゅした。中尉は友軍の盗伐の任を避けるべく、北斗神拳で一か月眠りにつかせよう。中尉の経絡秘孔をついた。手応えあり。これでライオンの夢を見て一か月後目覚めるであろう。
次は芥川だ。猫に連れられマジックリアリズムで芥川の自殺現場まで飛び、カルモチンを取り上げ、精神科に連れて行った。
「死ぬう」
「薬のめ」
「うぐわああああん」
「泣けたじゃないか」
やはり俺の見立てでは鬱だから、平成日本の三拍子、抗うつ剤、心理療法、運動療法をやらせた。芥川はメキメキ回復してジョギングする芥川になり、抗うつ剤と心理療法を欠かさずやるすごい作家になった。
「芥川というと羅生門しか読んでないんだけれど」
「やはり全部読め、傑作揃いだ」
「俺は人間合格という小説を書いたけど」
「タイトルからして面白そうだな」
「詩を書いたからみてくれ」
「よし来た」
『人間合格の門 ナカノ・サル・ノブナガ
朝に京都でローリング・ストーンズが聞こえたのでふらふら行くと
羅生門が人間合格の門に代わっている
トロッコで死体を片付ける作業員
人は全裸でブルースを歌う
お、お、お、お、人間合格だ
お、お、お、お、人間合格
俺がペンタトニック・スケールでソロを弾くと
何処から出てきたキース・リチャーズ
弾くぜ、ブラウン・シュガー
ワイルド・ホーセーズ』
「すげえ、百点をあげよう」
次はカート・コバーンだ。アメリカまで猫に連れられマジックリアリズムで飛び、自殺現場の銃を取り上げて、銃社会はいけないと呟き、ブロークンな英語で精神科医に連れて行った。
「疲れたんだ」
「ヘイガッツを見せろ。アメリカン」
「うわああああん」
「いい曲作れよ」
この時代に双極性障害の治療は確立されていたが、やはりカートは薬の服用が甘かったので、閉鎖病棟に入院させた。個人的な経験からリチウムと抗うつ剤の組み合わせがベストと知っていたので、アメリカの精神科医に伝えると賛成してくれた。閉鎖病棟で薬を調整するとカートも寛解した。
「カート、俺もギターは弾ける。一緒に曲を作らないか?」
「命の恩人のいうことは聞くぜ、ベースにドラム、スタジオにライブ会場は完備してる。ぜひやろう。」
俺はマルチ・エフェクターGT―1を利用して曲を作った。リフはクリーン・トーンとコーラスでネオアコのザ・スミス調で、ギターソロはディストーションで歪ませエリック・クラプトンやジミー・ペイジ調で、詩はポジティブで前向きな歌。使用ギターはオービル・バイ・ギブソンのES―335。カッティングを工夫して、カッティング、スミスリフ、メタルリフ、ブルースソロとした。エフェクターを最大活用した。詩だ。
『生きろ! 作詞作曲 ナカノ・サル・ノブナガ
生きろ
生きろ生きろ
俺は寿命まで死なないぜ
十代の地図を聴いてこう思う
よし死なないぞ
百代に地図を書くぞ
(ソロ)
女とやれなかったこともどうでもよくなってしまう
これからやるんだ
ナンパで
風俗で
前途洋々じゃないか
(ソロ)
やってみな
俺はそう思うんだ
やりたかったら
やってみな』
こんな感じの曲を十曲ほど作ってカートに聞かせると凄くいいというので、まずレコーディングしてバンド名ノブナガ・アンド・ニルヴァーナでアルバムを作った。CDセールスは好調で全米、全世界で爆発的に売れた。日本語だけど。俺は印税の十パーセントをインターネットでユニセフと赤い羽根に募金した。いよいよライブ・ツアーである。俺は普通のパーカーとジーンズで赤い羽根を胸にさし、ポケットにユニセフのクリスマスカードを突っ込んだ。ドラムが始まりベースが加わり俺のクリーン・トーンとコーラスのスミスリフが加わる。カートのヴォーカルが会場を支配する。ギター・ソロはディストーションでブルースソロを弾きまくる。受けた。MCで俺は英語でユニセフと赤い羽根に募金しよう。アメリカには赤い羽根がないので何か探せという。それから全十曲。会場は盛り上がりまくりですごい。それを全米で繰り返した。バンドは俺が未来に帰るので解散。ニルヴァーナに戻った。長生きしてロックし続けろと約束し未来に帰った。
次もアメリカ人だ。ヘミングウェイだ。憧れのパパを死なすもんか。まず猫に連れられマジックリアリズムで自殺現場に急行し、猟銃を取り上げ、精神科医に連れて行った。
「老人で鬱で電気ショックが効かない、もう嫌だ。」
「抗うつ剤を試せ」
「うぐほはあああああん」
「生きろよ」
精神科では電気ショックをやっていたらしいが、平成日本のリチウムと抗うつ剤、認知療法の方が効くだろうと、この時代の精神科医をタッグを組み治療した。ヘミングウェイは大鬱の傾向があったのでとにかく休養させた。あと自殺も予防が大事だから、自殺は絶対にしない。自殺道具は絶対に買わないと教育した。平成日本の精神医療は最高だ。三年でヘミングウェイは寛解した。
「パパ、ハードボイルドは結構俺も読んだけれども秘訣はなんですか?」
「詰め込み過ぎずシンプルにやることだ。スリー・コードのロックンロールのように」
「そうですね。『老人と海』は最高ですね。ライオンの夢というオチがいい」
「そうだな。君が助けてくれたから今度は『老人と鬱』という傑作を書く。今度はキリンの夢で終わる。」
「俺も負けないで『百代の地図』を書きますよ。百二十まで生きて、最後は猫の夢を見よう」
「『日はまた昇る』は読んでくれたかね」
「あれはインポの小説ですね。オチがまた痺れます。『そう考えるだけで幸せじゃないか』しびれますね」
「『キリマンジャロの雪』は?」
「あれもオチがいいですね。あれは死にオチでしたっけ。今度読み返してきます」
「『武器よさらば』は?」
「普通ですね。『戦争と平和、副題、武器よさらば』という小説を俺も予定していて、本当の意味で武器とサヨナラする物語です。次回作で書きます」
「『キリマンジャロの雪』は死にオチだが寿命だからね。怪我落ち」
「『函館山の雪』を肉体の死の時は書きますよ。でも俺はAIロボットですぐ復活して『復活、信長くん』をかきますが」
ヘミングウェイとは一緒に釣りを楽しみ、やはり未知の世界、老人の世界について教えてもらった。自分が歳をとり、あちこち老化するのは想像がつくんだけれどやっぱりやってみねばわからない。楽しみだ。老後。人間合格。
「パパ、詩を書いたので読んでみてください」
「いいとも、朗読したまえ」
『老人と山 ナカノ・サル・ノブナガ
老人はホイホイホイ
山に登るのさ
若いころはヒマラヤも制覇した
思い出して地元の山に登るのさ
ホイホイホイ
山には花が咲いていて
風で揺れるのさ
老人はホイホイホイ
山に登るのさ』
「(・∀・)イイネ!!百点だ。いっしょに曲をつけて歌おう」
ヘミングウェイとブルースをうたった。眠くなって、子猫の夢を見た。
アメリカに来たついでに、自殺はしてないが猫に連れられマジックリアリズムでナッシュにあってみた。
「ナッシュさん。統合失調症だったんですね?」
「そうだよ。一時は妄想と幻聴で大変だった」
「ゲーム理論のナッシュ均衡は単純だけど当たり前のことなんですよね」
「そう、アイディアはシンプルなんだよ」
猫に連れられて、藤圭子の飛び降りを止めた。統合失調症の治療と鬱の治療をした。宇多田ヒカルとほっぺにちゅ。歌えよブルース。
同じく猫に連れられて親湯Pの女友達の自殺を止めた。抗うつ剤で治療して、主人公の親指ペニスを全指ペニスにした。ほっぺにちゅ。
猫に連れられて、ジョン・レノンを助けに来た。ジョンが撃たれるのを阻止し、いい曲いっぱい作ってくれと言って別れた。セコムに加入させた。
次はXJAPANのヒデだ。死なせてなるものか。やはり猫に連れられドアノブで首を吊ってたヒデのロープをほどき、精神病院に連れて行った。
「死ぬう耽美に」
「あほか」
「うがああああああん」
「生きろよ」
抗うつ剤と心理療法はこの時代あるから。医者で標準的な治療を受けさせ、寛解させた。ヨシキの大ファンなので、サインをもらった。やはりX JAPANとはバンドをやりたい。ノブナガ・アンド・ニルヴァーナはヨシキも聞いていたので同じ方法論で曲を新たに十曲作ってノブナガ・アンド・X JAPANでアルバムを作り日本で打ったら、爆発的に売れた。印税の二割をユニセフを赤い羽根に募金。いよいよ東京ドームと武道館でライブだ。
『命あげない
命あげないだ
死なないぞ
死にたくなったら休養さ
抗うつ剤飲んで
認知行動量療法やってまったりさ
自殺方法は全部捨ててしまおう
治ってきたら散歩するんだ
五稜郭公園はごきげんさ
筋トレもいいね
好き嫌いせずバランスよく食べるんだ
これで寛解
生きててよかった』
Xジャンプした。
ニルヴァーナとのライブでライブ度胸はできてたので、納得のいくプレイができた。インストルメンタルにもチャレンジ。ブルースとハードロックを引きまくった。バンドは未来に帰るので解散。X JAPANに戻った。彼らのバンドはユニセフと赤い羽根に募金する募金ジャンプをXジャンプの前にすることになった。
尾崎も救った。猫に連れられ尾崎がシャブを投与して事故死する前に飛んだ。
「自殺したいのが分からないのか」
「全然わからねえ」
「うわああああん」
「わからねえよ」
精神科に入院させシャブ中毒と鬱を治療させ、二十代、三十代、四十代、五十代、六十代、七十代、八十代、九十代、百代の地図を歌えと約束した。尾崎とも曲を作った。
『百代の地図 ナカノ・サル・ノブナガ
盗んだノーベル賞で募金する
百まで生きてやったぜ
百二十まで死なないぜ
健康管理だぜ
耳もまだ聞こえるぜ
足モミは最強だぜ
ギターもバンドも続けてるぜ
カラオケではいつも百点
年寄りをなめるなよ
セックスもするぜ』
次は、次はが多い、川端だ。猫に連れられ自殺現場に急行し、ガス管を取り上げて、精神科に連れて行った。
「老い先短いんだあああ」
「長生きしろ」
号泣。老後鬱だと思ったので、平成日本から抗うつ剤と心理療法と運動療法を教えたら、寛解した。川端には文学を教えてもらった。俺の文学どう? と指導してもらった。いけるいけるノーベルはいけるといわれた。川端は老人なので老人の世界を教えてもらった。やはり目や歯や内臓や皮膚や脳みそが老化して生きるのは大変だ。とりあえずアンチエイジングで食と運動に気を配り、あとは自分が老人になった時のお楽しみだ。川端もそれでいいと言った。
「川端老人、俺は不勉強で『雪国』しか読んでないんですけど」
「それは人生を無駄にしてるよ。ぜんぶよまなくちゃ」
「『雪国』の入った全集くらいは読みたいと思いますが」
「君が、ノーベルを目指すなら、函館中央図書館の僕の本を全部読みたまえ、三島君や大江君や、ヘミングウェイの文学も全部読みたまえ。小説家という人種は暇はあるからね。ノーベルをとっても、僕のように自殺しないよう、目標を持つことが大事だと思うよ」
「世界最高齢の現役作家であることが夢なのですが」
「とてもいいと思うよ。僕もきみに命を救われたので『鬱国』という作品を書いて死にたいなあ」
「ぜひ読みたいです。『雪国』でも最後が火事ですね。三島の『金閣寺』も最後は火事ですね。俺は火事はいやなので煩悩の火で火事になるにしてみたいです」
「いいじゃないか。才能あるよ。いいか才能ってのは努力して作るもんだ」
川端にも詩をみてもらった。
『雪国 ナカノ・サル・ノブナガ
雪国で雪が深々降っている
しんしんシンバルなりだして
8ビートが聞こえてきたよ
えっちゃんが歌う
車掌さあん、車掌さあん
銀河鉄道に乗せてって
キラキラキラキラ天の川
メーテルとハグしてほっぺにちゅ』
川端に百点の賞状とノーベル賞の記念品をもらった。
次は漱石の「こころ」の、自殺した男Kの自殺現場に急行した。猫に連れられ、壁ぬけして、刃物を取り上げ、精神科医に連れて行った。鬱なんだあ。なおせ。号泣。やはり鬱と就職不安だと思ったので、平成日本の抗うつ剤、心理療法、運動療法をやらせ、就職活動をさせた。こころの場合、先生という男も鬱で、ニートだから同じく治療して就職活動させた。
ご存知の通りこころはお嬢さんをめぐる三角関係なので、年長者として先生と男にネルトンをさせた。お嬢さんは先生を選んだので、Kはやはり落ち込んだが。女の口説き方やセックス術を男に叩き込み、明治青年の恋愛を応援し、彼女ができるまで面倒を見た。
次はイアン・カーティスだ。イギリスまで猫に連れられマジックリアリズムで飛び、首吊り縄を挟みでちょん切って、精神科医に連れて行き、平成日本から抗うつ剤と心理療法と運動療法をやらせて、うつ病との付き合い方を丁寧に教えた。うわああああん、ロックスター疲れた。休めばいいだろ。号泣。二年で寛解。やはりジョイ・デビジョンとバンドを組みノブナガ・アンド・ジョイ・デビジョンでCDを作ってUKチャートでナンバーワンを取り、イギリスとアメリカをツアーにて会場を乗せまくった。
『ペテルブルグ ナカノ・サル・ノブナガ
ペテルブルグで人間合格
ドストエフスキーに会えるかな
ワクワクしてたら
地下室の手記の男に出会う
地下室でボルシチ食って
人間合格歌ったよ』
バンドは解散してジョイ・デビジョンに戻りユニセフに募金を訴えるパフォーマンスだけが引き継がれた。
ちょっと疲れたので、ソープに行くことにした。B型肝炎があるので、セーフティー・セックスをおきにの嬢の沙羅に申し込んだが、感染が怖いと断られたので諦め、代わりに全裸でペッティングし、手コキで抜いて満足した。作家になったらこの女を口説き、デートし結婚しようと決めた。
次は大物だ。猫に連れられ戦国時代の織田信長の自殺を止めに行った。本能寺に火がかけられる前に、信長の切腹を、合気道で止め、マジックリアリズムで現代日本に連れてきた。信長の部下も全員連れてきた方が理想だと思ったが、疲れるのでゴメンした。四十九歳の信長は鬱ではなかった。実家にかくまい。食事と運動と教育を与えた。さすがに天下人に小学校教育からやり直すのはどうかと思ったが、さすが信長だ。現代日本の仕組みを貪欲に吸収して家庭の読書教育で小中高校大学までを学習し自民党の中堅議員になり天下に影響を与える政治家になった。
「信長にとって理想の政治は何?」
「わしはやっぱり平和で税金が公平で、階級が流動的で、それぞれ仕事に夢を持ち、助け合える世の中かな」
「戦国時代より今の時代はいい?」
「最高だ。平和は軍事的才能がないとできないし軍隊は必要だと思うが、各国自衛のための軍隊を持ち均衡させ、不戦条約を結べば平和は可能だ。やはりアフリカは帝国主義の犠牲で治安がダメだから、それは先進国が派兵して治安を回復させる義務があるが。核兵器も条約を結び全廃することは可能と思う」
「あと気になることは?」
「構造改革のやり直しだ。それとアフリカとアジアの飢餓問題だ。やはり始めはユニセフベースで慈善がいいんだろうが、各国の人道予算を回して食料支援も考えていいと思う。そして食料メジャーに採算と企業理念を両立させ食料ビジネスをするべきだと思う」
信長と記念に相撲をとって負けた。秀吉は天下を取ったので、朝鮮出征は家康に寝首を取られるもとだぞと忠告しておいた。あとしらない。
次は白虎隊だ。まず猫に連れられマジックリアリズムで切腹現場に飛び、真剣白羽取りで全員の命を救った。切腹させてくれえ。死ぬな。号泣。北海道に連れて行き農家をやらせた。置戸町。俺の生まれ故郷だ。
猫に連れられ、東条英機、ヒットラー、ムッソリーニ、チャーチル、ルーズベルトと名前は知らんが連合国の首脳を集めて、全員ハリセンでびんたした。
「実弾と実包の平気で戦争することは作者の俺が許さない。シミュレーションゲームとサバイバルゲームで一兵も殺すことなく、将棋戦争をしたまえ」
ロスチャイルドと三菱ほか軍需産業にコンピュータとサバイバルゲームの技術を与えそういう兵器を生産させ、それで戦争させた。戦争が全部シミュレーションゲームとサバイバルゲームで行われた。南京でもゲリラ殺害が六千~五万行われたらしいがサバイバルゲームなので実際には死者は一兵もなかった。ヨーロッパ戦線。ポーランドでもスターリングラードでもノルマンディーでもかんでもシミュレーションゲームとサバイバルゲームなので軍人も民間人も一人も死ななかった。ユダヤ人の殺害もシミュレーションゲームで行われた。コンピュータ上で600万人がアウシュビッツに集められデータ上はガスで死んだが、リアルではユダヤ人はみんなぴんぴん生きていた。太平洋戦争。ハワイでも、サイパンでもインパールでもミッドウェーでも、シミュレーションゲームとサバイバルゲームで行われ間人も軍人も全員死ななかった。大東亜共栄圏とアメリカ民主帝国主義の激突はアメリカ民主帝国主義が勝利を収めた。日本国全土が爆撃され広島と長崎に新型爆撃が落とされ。大規模なサバイバルゲームが行われ東京、広島、長崎、その他の都市で爆撃のシミュレーションで日本国民が三十秒ルールで死んだふりをし、全員生きていた。真珠湾でもどこでもアメリカ人も一人も死ななかった。沖縄上陸作戦でも沖縄県民はシミュレーション上犠牲になったが全員死ななかった。どうだ小林よしのり。人を殺さなくても戦争はできるんだぜ。日本降伏であとは歴史の通りだ。ちなみに特攻隊もいるがシミュレーションなので実質、犠牲者はゼロだ。
「死ななくてもいいですよね。特攻隊の皆さん。仕事は何をやりますか?」
「まだ若いので、起業するか、サラリイ・マンか、農民になります」
しらゆり部隊の皆さんも、ひとりもしななかった。
「ジャンジャン恋愛して子供をたくさん産んでください」
「あなたいい男ね」
記念にハグしてほっぺにちゅした。さあ、第二次世界大戦を一人も殺さなかった信長ワールド。無敵だ。史上最強。どうだ人類。これが人間合格な戦争だ。俺は日本の戦国時代や戦乱の数々、世界の戦争すべてにマジックリアリズムで将棋戦争システムを教えた。
猫に連れられ、オウム真理教の浅原をぐーで思いっきり殴って、サリンの代わりにビラを作らせ、霞が関でまかせた。
「しょうこ、しょうこ、しょうこう、思いがあるいなら文学で戦え」
「ポアはやめます」
ビラには盲人にも総理大臣になる権利をと書いてある。人間合格なオウム、ビラ事件。
次にネコに連れられマルクス、エンゲルス、毛沢東、レーニン、スターリン、ゲバラにやはりハリセンでびんたした。
「共産主義革命も全部シミュレーションとサバイバルゲームでおこなえ。小説で作者は絶対。反論は許さない」
「仰せに従います」
世界の半分が共産圏になった革命戦争、大粛清、大飢餓、大崩壊、みんなサバイバルゲームとシミュレーションゲームで行われ死者は一人もいなかった。これが人間合格な共産主義革命だ。いいことをした。風呂に入りぐっすり眠った。悪夢を見た。俺は司法試験の勉強をしていた。要するに司法試験もシケタイというテキストと過去問をそろえ、まず過去問を十年分研究し傾向をつかみ、あとは出るところのシケタイを重点的に読んで、回答を書いて練習すればいいのだ。伊藤塾の答練口座に通うリアルな夢だった。ところが司法試験を何度受けても受からないバーカ、バーカ、松前育ちのバーカというはやし声が聞こえる。小林よしのりにこの左翼めと漫画でボロボロに描かれる。村上龍に説教される。司法試験で生活を安定させる方法をあきらめ、ストレートで作家を目指す。ところが作品がいつまでたっても書けない。どうしてもどうしても書けない。遂にはなぜかトイレにもひとりで行けなくなりみんなに馬鹿にされて小便を漏らす(ちょっと違う)また悪夢を見た。公務員時代の窓際生活のルサンチマン、俺なんかそれだけじゃないか。一年目で躓き、三年目で双極性障害発症、以来仕事はそれなりにこなしたしできるといわれたが、鬱でどうにもならず、休職を繰り返し、窓際のトットちゃんとなる暗黒人生、経済学もそこで覚えた。さらに悪夢を見た。ソープランド函館に病気をもってるからとNGされた。沙羅俺たちの信頼関係は? 絶望したが気を取り直し、デリヘルを呼ぶと風俗業界にNGの写真が出回り断られる。すすきのに行っても東京に行っても、京都に行ってもニューヨークに行っても北京に行っても、モスクワに行っても、ケニアに行っても世界中どこでもダメなのだ。俺は一生オナニーなのか。絶望が襲った。これは、SSRIの副作用か……。
『破滅の歌 ナカノ・サル・ノブナガ
僕はダチュラとサリンをまいていた
僕は小説が書けない
2134回自殺して自殺者の森でまた自殺
ゴジラに世界を滅ぼさせた
僕は戦争が好き
僕は小説が書けない
死にたい。安楽死したい』
悪夢を見た。俺はイエスだと思ったら偽預言者になるところだった。地獄にいた。サタンがここで暮らそう。かわいい子もいるぜと言った。かわいい悪魔とエッチした。好きだなあとサタンがたか笑った。三千年が過ぎた。神が愛せない。イエスのあほと歌っていた。神は死んだ。神は死んだ。やっぱり直子は自殺し(「大丈夫よ、信長くん、それはただの死よ。気にしないで」)、キズキと再会する。だけど、俺は人が死なない小説を書くんだ。死んだほうが受けるけど、俺は殺さないんだ。寿命で必ず死ぬ。でも小説が書けない。俺は破滅した。小説が書けない。すると不思議なことが起きた。猫のぬいぐるみの信長くんが生きている猫になった。猫はこっちをみてついてこいといった。俺は猫についていくと映画館に連れてかれた。「旅猫リポート」だった。映画を猫と見る。映画は良くあるガンで死んじゃう主人公が猫に癒される話だった。猫はまたついてこいと言った。猫についていった。ダンスホールだった。尾崎がいた。ダンスホールを歌う尾崎とともに。猫じゃ猫じゃステップを踏んだ。するとサタンの声がした。俺に任せれば、この小説を一億部売ることができる。俺は目が覚めた。さがれサタン。俺は実力で一億売る。次にネコはがん病棟に連れて行った。がん病棟の田代悟という名の書いてある病室に入ると老人が寝ていた。部屋に入ると老人が目を覚ましていった。
「お前は悪魔の使者か?」
「目覚めたから神の使者だと思うけど」
「神の使者なら聞いてくれ。悪魔の王サタンに身を売り渡し百五十の寿命を得たはずがが、このたび天罰で九十でがんに倒れた。地獄に行きたくない。助けてくれ」
「いいことをすれば、助かると思うよ」
「それでは誰かが自殺するものを止めよう。わしは動けないお前たち変わっていってくれ。わしの使い魔の猫を道案内にさせる。というかこの猫はもしや神の使いかもな。がんになったとき現れた。悪魔が差し向けたのかと思ったが、よく考えると天使だ。繰り返すがわしががんになったとき、この猫がいきなりやってきた。天罰を与えた天使だったのだ。わたしにとってはかけがいのない友だ。この天使を連れて自殺者を救ってほしい。名前はお前と同じノブナガだ」
「わかった。行こう、信長くん」
俺は田代の猫に連れられ方々で自殺者を救った。これが今まで自殺するものを止めたというわけだった。
「ありがとう、これで天国に行ける。猫を大事にな」
田代はそういって死んでいた。安らかな顔をしていた。俺は田代老人の目をそっと閉じた。猫に連れられ家に帰り、ローリング・ストーンズの「イッツ・オンリー・ロックンロール」を聴きたいと思ってユーチューブを検索すると、なぜか悪魔を憐れむ歌がヒットした。悪魔って俺のことだろうか? ストーンズを聴いてるともうすっかり神のバンドになってるなこの爺さんたちと思った。キースが血のヘロインをすっかり交換したあたりからそうだ。最高齢だし。グーグルの検索のニュースにはミック・ジャガーが七十四才にもかかららず二十三歳の女の子にフラれたという情報筋のニュースが出た。さすがミックだ。よしもう一度、ニーチェだ。四十六なんて小僧だ。俺は掌編小説からやり直すことにした。作家でごはんに投稿を重ね、掌編小説が書けるようになった。中編小説を書こう。「地下室の手記」や「風の歌を聴け」などを参考に、この小説を書いた。第二次世界大戦や全歴史の戦争、共産主義暴力革命を全部将棋システムですくい、死人をはかから引きずり出してAIロボットにして銀河鉄道に乗せ旅した。ここはためらい橋の星です。ためらい星のルーレテンブルグ函館コロニーのジェイズバーで無職ナンパをすることになりました。お、カウンターにかわいい女の子がいます。さっそく声かけよう。
「こんにちは、あんまりかわいいんでナンパしていい? ビールおごるけどどうかな?」
「いいわよ、あたしも暇してたの。おごって」
俺は彼女の隣に陣どって、マスターのジェイにビールを二つとピーナッツを注文した。
「ありがとう。俺ノブナガ、本名はタロウっていうけど元服したんだ、今無職で障害年金で食ってる。作家を目指していて、ノーベル賞作家を目指してる。今年で四十六だよ」
「へえ、作家ってすごい。あたしはカヒミ。病院の事務の仕事してるわ」
「カヒミってカヒミ・カリイみたいな名前だね」
「お母さんが渋谷系の大ファンでつけたの。カヒミ・カリイは好き?」
「大好き。小山田圭吾は嫌いだけど」
「小山田圭吾?」
「渋谷系の教祖だよ。カヒミ・カリイの元恋人、障がい者にウンコ食わせるいじめをしたんだ」
「まあひどい。刑務所に行ったの?」
「いや無罪でロッキング・オンにいじめ自慢インタビューしてた」
「そんなひどい人がいるんだ。いじめられた人大丈夫なの?」
「たぶんすごいトラウマだと思う」
そこで俺がビールをもう一回おごろうとすると彼女が止めた。
「今無職なんでしょ。悪いわ。あたしがおごるから」
「それはまずい。割り勘で飲もう」
「そうね」
ビールとピーナツをもう一度注文した。
「作家ってどういう作品を書いてるの?」
「自殺を止めてね。みんなで長生きする作品なんだ。人間合格ってタイトル。でもドストエフスキーにはかなわない気がする」
「へえ、面白そうね? 太宰治の人間失格は好きだったわ」
「太宰治の人間失格に対抗して書くんだ」
「へえ読みたいな。原稿は家なの?」
「メルアド教えてくれたらまだ完成してないけどメールで送るよ。極秘にしてね。小説の新人賞に送るんだ。きっと芥川賞を取って、ベストセラーだよ」
彼女がメルアドを紙にメモしてくれた。
「ありがとう。家に帰ったら送るね? 彼氏はいる?」
「今いないわよ。どうして?」
「友達からでいいけど、デートとかしない? 君かわいいし、性格もよさそうだし」
「ん。遊ぶだけならいいわよ。」
「どこか行きたい場所ある? 無職だからはじめだけしかおごれないけど映画見たくない?」
「そうね。いいわよ。どんな映画?」
「スターウオーズと恋愛映画どっちがいい?」
「恋愛映画ね」
「確かシネマアイリスで探せばやってるよ。来週末は暇?」
「空いてるわよ。いいわよ。おごってくれるの? 無職なんでしょ? きつくない?」
「いや初回だけはおごるよ。携帯番号交換しようか」
スマホで電話番号を交換した。俺はアイフォンで彼女はアンドロイドだった。
「カヒミっていい名前だね。歌はうまい? ここライブスペースがあるから。ビートルズだったらギターで弾けるよ。」
「いいわね」
俺たちはジェイにライブスペースでビートルズを数曲演奏した。彼女はインチキ英語で楽しそうに歌った。
「面白かったわ。映画の待ち合わせは丸井にしましょうか」
「そうだね。一時でいいかい?」
約束して別れた。帰るとメールで小説を送った。メルアドは本物でちゃんと届いた。次の土曜日。おお神よ、丸井の前にワンピース姿の彼女がいた。
「まった? ワンピースかわいいね。君はもっとかわいいけど」
「お世辞が上手ね」彼女がクスクス笑った。歩道を渡って行刑道路の裏道を通ってシネマアイリスにフランス映画を見に行った。ちょっとしたベットシーンがある、フレンチ流の文学映画だった。終わったのでモスバーガーを食べに行った。
「小説すごく面白かったよ。プロみたい」
「一応プロを目指しているからね。君は趣味とか?」
「テニスよ。これでもインターハイに出たことあるの。今はファイン・テニス・スクールで一番上のクラスで一番強いのよ」
「テニスか。俺も大学社会人とテニス・サークルだったよ。下手だけど」
「来週コートを借りてラリーしない? お互い知り合うにはテニスが一番だと思うけど」
「いいね。俺もテニス好きなんだ。ハンデつけてシングル戦しようよ。」
彼女が千代台のコートを一面予約してくれたので、次の週一時間ラリーして、一時間けっこう重いハンデをつけてシングルして全敗した。ああ、俺はなんてダメなやつなんだ。
「かなわないなあ」
「来週もやりましょうよ。来週はハンデもっとつけてあげるから、あなたフォームが悪いから、素振りから全部教えてあげる。小説のネタになるんじゃない? 村上龍は知ってる?」
平日に小説の合間を縫って近くの公園で彼女に教わった素振りをし、書き直した小説をメールで送り感想を聞いて書き直した。 次の週も、次の週も俺たちは飽きもせずテニスをやって、彼女の車で食事と温泉に行くデートを繰り返した。遺愛高校でみっちりコーチに鍛えられた彼女のテニス指導は素晴らしく、俺のテニス技術は上達した。ハンデ戦はたまに彼女を破って悔しがらせた。ハンデ戦で彼女を下したので函館山に夜景を見に行く約束をした。食事で双極性障害からB型肝炎から、緑内障で免許をなくしてしまったことから全部話していたのでなあなあの雰囲気だったが。夜景を見ながら、「正式に付き合おうか? キスしたい。君はすごくかわいいよ。ナースチェンカ!」というと彼女が黙って身を寄せてきた。キスした。次の木曜彼女に有給をとってもらい、W病院に行き、内科でB型肝炎のワクチンを打ってもらった。一年待てば抗体ができエッチができる。
「ぺッティングなら今すぐできるよ。ラブホいかない?」
「いいよ。あたしもノブナガとエッチしたい」
俺たちは五稜郭のコスモピープルにいった。二人でお風呂に入って洗いあっこして、ベットに入り俺がリードして、粘膜はなめないようにして彼女を愛撫して指でいかし、俺もチンポをテコキで行かせてもらった。気持ちよかった。
「愛してるよ。必ず文学賞を取ってきみと結婚する」
「ノブナガならきっと取れるよ。最近テニスも小説もぐんぐんうまくなってるもん」
テニスをし、食事をし、あちこち行き、ラブホに泊まるデートを繰り返した。抗体ができるまであと数か月、セックスが楽しみだね。どういうプレイがしたい? と話し合った。
そうこうするうちに彼女の抗体ができた。お祝いにフレンチレストランで安いフルコーをささやかにたのみ、たまにはシティホテルで初セックスをすることにした。コンドームは意味もなくベネトンを買った。ベネトン・ユナイテット・カラーズ。読者の想像に任せるが素晴らしい性交を三回戦濃密にあじわった。メイク・ラブ。ベットで何となく今まで行った風俗の話をした。もう行っちゃだめよと言われた。彼女の打ち明け話を聞いた。昔したオナニーの話だ。高校で、マリア様に催したのでトイレで手鏡を見ながらやたらとひとりエッチした。性欲を収めるためにスポーツをしようと思いテニスを始めのめりこみうまくなった。インターハイに出て、一回戦は勝った。陸上選手だったので足が速かった。走って走って走り続ける。あたしは死んだ直子よ。直子の幽霊よ。消えるわ。巨大なクエスチョンマーク。
俺はルーレットをしに来た。ドストエフスキーが黒にかけ。俺が赤に全額賭けた。赤が出た。最後の自殺妨害はデレク・ハートフィールドの主人公の若者だ。猫に連れられ、火星の風と話した後ピストルをこめかみに充てる。マジックリアリズムで近づき。延髄切りでピストルごと彼をなぎ倒した。
「昼の光に夜の闇の深さが分かるものか」
「とにかくあと五億生きろよ。悟るから」
彼は無理やり俺に火星のAIロボットに改造され、十億光年ぐらいでたぶん悟るだろう。ぽくぽく、ちーん。
おっと忘れていた。新約聖書のイスカリオテのユダを。猫に連れられマジックリアリズムでユダの首つりを邪魔した。鬱ではなく罪の意識なので、抗うつ剤はいらない。私は何ということをしてしまったんだあ。早まるな三日待て。号泣。イエス様のご復活を目撃させた。死からイエス様はご復活され、ユダを伴って天国に言われた。イエス様は言った。
「悪魔の王、ノブナガ・サタン、堕天に飽きたか?」
「天国に帰り、天使長に復帰したく思います。人間に嫉妬しましたが、今では『人間合格』という小説まで書き上げました」
「悪魔ながら見上げたやつ、いいだろう。募金せよ。あとは募金が導くだろう」
イエス様はやさしく頑張れよとおっしゃった。
あと少しで文学賞の締め切りだ。たまには一人でのみに行くか。猫に連れられて行く。松風町には不思議なバーがある。昔、総合書店があった表通りから路地に入ると、バー「ピーター・キャット函館」があった。バーテンはかの村上春樹でマジックリアリズムでバーをやっている。店は清潔でジャズが流れている。マスターにビールを頼み、ぐいっと飲んだ。
「春樹さん、俺は春樹さんの小説で『ノルウェイの森』が一番好きだけども、やっぱり死にオチはダメだと思う。俺は生きオチで好きな小説を書く。いいよね? まあ止められても勝手に書くけど」
「やれやれ、若いなあ。いいんじゃない。僕は還暦を超えたけど、まだまだ小説を書きたいよ。小説を書くなら、体を鍛えなきゃダメだよ。僕は初心を忘れないためにマジックリアリズムでバーやっているけど。ビールでいい?」
「ビール、ビール。俺、『人間合格』って凄い小説が書けたんだ。群像に送るんだ。ジャズって知らないから教えてください。俺は募金を教えるよ」
ひとしきりジャズ講義を聞き、ビールとピスタチオを口に放り込んだ。春樹さんに募金を教えた。まず小説の売り上げの十パーセントをユニセフのインターネット募金にクレジットカードで募金する。そして遺言状を書いておき、死後は小説の売り上げを百パーセントユニセフに募金するようにしておく。これで天国でも小説が書けるし、よいことをすると長生きしますよ、マタイによる福音書に金持ちの青年という項目があって、十戒と山上の説教を守ってあとは貧しい人にチャリティすると天国に行けるとありますよ、と教えると、春樹さんはやれやれ、またストイックか、でも悪くないね、と言った。カランと音を立てて村上龍がやってきた。すいませんと話しかけた。
「『半島を出よ』の参考文献、本当に全部読んだんですか?」
「読んだよ。金があるからできる。言い訳をせず。売れ。時間を作れ、盗め。小説なんて糞食らえだ」
「まあそういわないで、小説の書き方はお二方に学んだから、俺は募金を教えましょう。まず小説の売り上げの十パーセントをユニセフのインターネット募金にクレジット・カードで募金して、遺言状で死後の本の売り上げは百パーセントユニセフに募金するんです。そうすると健康に気を配れば百近くまで小説は書けますし、死後も天国で小説を書けますよ。山上の説教と、十戒とマタイによる福音書の金持ちの青年のところにズバリと書いてある。俺はダブル村上と同時代の作家になりたい」
「そういうもんかなあ」と龍さんは言った。
春樹さんと龍さんは何か話しをしていた。寿命、死という話題が聞こえた。長生きしてくれ。あのバブル文学レジェンドもついに世代交代か。いや、ここでちゃんと長生きと募金方法を吹き込んどいたから、学習能力の高いお二方はちゃーんとこの悪魔の誘惑に耳を傾けている。俺はやっぱり群像の春樹と龍と同時代の作家になりたい。悪魔だから。そう、俺はルシフェルの化身ノブナガで秀吉でサタン、悔い改めて、神様に堕天使から天使ルシフェルに復活したいというと、募金せよと天界から指令が来た。他にもめぼしい作家さんに募金を広めよう。思いつき順+買っている順、スティーブン・キングさん、クーンツさん、ブレット・イーストン・エリスさん。ジェイ・マキナニーさん。高橋源一郎さん、松浦理英子さん。多和田葉子さん、柴崎友香さん、綿矢りささん、又吉直樹さん、村田沙也加さん、中村文則さん、阿部和重さん、伊坂幸太郎さん、東野圭吾さんと、宮部みゆきさん、湊かなえさん、大沢在昌さん、辻仁成さん、福井晴敏さん、滝本竜彦さん、田中芳樹さん、ほかは不勉強で知らないけど、その他作家の皆さんいっぱいいますね。天使のルシフェルから神のお告げです。十戒と山上の説教を守って、本の売り上げの十パーセントをユニセフに募金しましょう。そして遺言状に小説の死後の売り上げは百パーセントユニセフと書きましょう。まあ赤い羽根でも好きなところに募金しましょう。百パーセントね。そうすれば長生きできるし、死んでも天国で小説が書き放題ですよ。あと提案だけど太宰とか漱石とか世界中の全作家の死後の売り上げも遺族の人、募金にしちゃいませんか? 天国までいけますよ。さあて。人間のうちに何作かけるかな? だが諸君、ヨハネの黙示録は読んだかな? あの最終ページにイエス様が明けの明星を従える場面がある。そう、明けの明星悪魔サタンは、ルシフェルに戻り、イエス様に従うのだ。ハレルヤ! アルファであり、オメガである方がくる。すぐにくる。あれ、よく読むと俺が明けの明星で、イエス様? あれ? 俺? 俺がイエス? イエス! そうなの? まさかな。まあよかろう、ってよくないな。俺がイエスならメタボ腹ひっこめ。引っ込まない。やはりイエスじゃない。偽預言者になるところだった。しかし、イエスの名において、募金せよ。人間は地獄へは送らず全員天国行きが正しい。人間の罪は主が作っているんだし。俺は聖書もこう解釈する。ヨハネの黙示録をざっと紹介すると、主のライバル、サタンと悪人は地獄行き、ほかは天国に行く。だがサタンは敗北するが死ぬとは書かれていない。そしてイエス様がなぜか明けの明星、サタン・ルシフェルの別名を名乗る。これはイエスが、悪魔をとっちめて、悪魔ルシフェルを元の光に取り込むということではないのか、それが明けの明星であり、アルファでありオメガなのだ。要するに悪魔とか悪い人も神様の計画のおかげで悪になっているし、悪魔は神の二面性みたいなもんだ。なぜなら主が全能でアルファでオメガならば、悪魔もすべて神の計画で神の使徒なのだ。だから、神様の超能力で悪人も悪魔も悔い改めて、全員天国に行こう! 俺がイエスさまなら、こうするぜ。よい奴らは天国行だ。だが悪魔と悪人は地獄でとっちめて、第二の死の後、やっぱり天国に連れて行くのさ。ああ、俺は聖書の謎を解いた。アルファでありオメガである方がやっぱりそうするだろう。神話が始まり、歴史が終わる。バーを出て、酔っ払って、タクシーで本道の実家まで行った。まだ四十六歳だ。なんでもできる。人間合格。悪魔すら救った! なんと素晴らしい思想だろう。採点すると、百点だ!
「主よ。答えてください」
「神ですよ。なんか募金する小説書いてえらいと思うよ。あなたは悪魔でも神でもないタダの人間ですよ。ご褒美に長生きさせてあげよう。何歳まで生きるかはお楽しみ」と子猫ののぶながくんが答えた。
「私はイエスではないのですか?」
「信仰があれば何でもできる。あなたがイエスみたいになることも実は可能。でもメタボ腹を引っ込められないようじゃダメじゃないかな。私をもっと信じなさい」
「ありがとうございます。俺はまず奇跡を生むところから信仰を始めます」
俺は井戸を降りて行った。死んでしまった直子がいた。振り返らないで、そのまま地上に出ましょう。イザナミ直子が言った。井戸を登り、俺はやっぱり振り向いた。蛆虫だらけの直子がいた。俺は叫んだ後、口づけた。直子は生き返った。
「カヒミちゃん」
「直子よ。テニスまたやりましょう」
「セックスもね」二人は笑った。
家に帰ると酔い覚ましにユニセフの募金ページを眺める。痩せて腹が出た黒人の子供たちが助けてくれと叫んでいる。もともとアジア・アフリカは豊かだった。そこに帝国主義国が侵略してきて、国土をずたずたにした。その後遺症でこれだけ飢餓が出ている。先進国はまず帝国主義国だったのでこれらを救う義務があると思う。本当に何とかならないのだろうか。黒人の子供が飢えている。母親にこういう。
「マリア母さん。おなかすいた。食べ物はないの?」
「ユニセフの施設のミルクしかないわ。でも坊や。猫の夢を見たの。今にあちこちの国の作家や企業がたくさん食料を送ってくれるわ」
「わあ、うれしい。僕はカレーライスが食べたい」
「そのうちノブナガ・カレーを食べられるわ」
「明日食べたいよ。神様はなぜすぐ来てくれないんだろう?」
「神様は何か考えがあるのよ。毒麦はまとめて刈り取るのよ」
「僕も作家になって神様を取材したいなあ。僕はやはり神を憎むよ。神は飢えを救ってくれない。神は死んだ」
「いいこと。かわいいニーチェ。神は死んで、またよみがえるのよ」
操転チェック、高望みチェックすると、文学でこの飢餓を救うことは可能だ。ライフワークなのでまた本を改めて追いかけたい。ユニセフに単発で二千円募金する。今でも月に五千円募金してる。俺は手紙を書き始めた。
ロスチャイルドへの手紙
この手紙をロスチャイルドの皆さんがいつの日か見てくれることを信じています。あなたたちはユダヤ教徒で私はキリスト教徒です。信じている神は同じですね。みだりにその名を唱えてはいけないお方です。主は殺すなと言われました。しかしあなた方は軍需産業に金を使い、帝国主義に金を出し、戦争や、飢餓で人々を殺しています。ユダヤ教の教えからいっても、あなた方は天国に行くことが難しいと思いますしかし、まず軍需産業を、将棋システムにし、シミュレーションゲームとサバイバルゲームにし、人が死なない戦争にし、飢えている人びとに食料を与え、荒廃した国土を整えることは可能だと思います。いつの日かあなた方が立ち上がりそうしてくれる日を夢見ています。私は、あなたたちが作ってくれたこの資本主義システムで、ご飯がたらふく食べれて幸せです。あなた方が殺すだけでなく生かしてくれていることを知っています。私が言いたいのは良いところを伸ばし、欠点を減らせということなのです。私は子猫の神の使徒に連れられて自殺を止める人助けをしました。これもそうです。なぜあなた方は永遠の命を捨てようとするのですか? 私の小説がいつかあなた方を戦争の放棄と飢餓のすくいを目指させることを信じて、一時筆をおきます。
神の恵みがあなたがたにもありますよう。 ナカノ・サル・ノブナガ
さて、寝ると決めて、目をつぶると、なぜ? と思った。なぜ? 自殺を止めたのか? なぜ、死からよみがえらせたのか? それはつまり、なぜ生きるのかという問いと等しいだろう。だが理由などない、カントの定言命法のように生きるから生きるのだ。殉教するな。自殺するな。偶像を拝むな。そして寿命で死ぬ。つまり生きるとは神であり主なのだ。それは時に残酷で鬱だが、われわれはその前にひざまずかねばならない。そして激流を逆らう。平泳ぎで泳いで、力の限り!
これで一応、群像新人賞と芥川賞と世界文学を目指すこの物語は終わる。反省点は色々ある短いので重ねて書いて長くする。しかし読者に次のことを約束しよう。俺は双極性障害だが絶対に自殺しない、殉教しない、寿命で死ぬ。必ずベストセラー作家になる。海外の翻訳してもらい、各国に売りまくる。(これは神への誓いではない。人間としての誇りだ。)儲けた金を節約して使い、ユニセフと赤い羽根に多額の募金をする。戦う下克上募金作家として、財閥、大企業、官僚に募金を呼びかける。
ノーベル文学賞と平和賞を俺は取る。
俺は、長生きして、天下を取る。
笑われても、うつけだから……、気にしない!
第三の入院の手記 イナンナと冥界下り
背景
俺はまた閉鎖病棟に入院した。今度で最後の入院にしたい。抗うつ剤がやっと効いてきた。
日常
俺は閉鎖病棟のホールで手記を書いていた。イナンナさまお願いします。俺はそう祈りながら手記を書いていた。この第三の手記も書くのが大変なのでCWS創作学校に添削のお願いをした。ネットで選考小説「地下世界」を書き、金子を選考料にほのめかしたが、無事、三千円で選考された。だが創作コースは十万円ほどして高かった。まあプロになるのだからそのくらい勉強料でよろしかろう。と思った。この前、外出でレスポールのいいのを買ったんで気前が良くなっていた。俺は金の奴隷じゃない。そう思うようになっていた。
事件
俺は病室で魔術を試みた。イナンナは出なかった。キリスト教に入信した。閉鎖病棟の奥に教会があり、毎日祈った。
決意
俺は決意した。イナンナに出会うんだ。そうして思いを遂げるんだ。
苦境
イナンナは現れなかった。代わりに痴ほう症の老婆が病室に入り込んでまいった。
助け
クロウリーの本を閉鎖病棟の人に借りた。それでやっとイナンナを召還できる兆しが表れた。
成長、工夫
俺は召喚魔術を曲作りにした。それで苦労して曲を作りイナンナを召還した。
こんな曲だ。
イナンナ召喚の曲、クロスロードのコピー。死をモチーフにした曲を完成させる。
転換
イナンナに連れられ、エデンの園に行った。エデンではアダムとイブが幸せに暮らしていた。蛇に返信したイナンナがイブに言った。
「はい、こんにちは。あたしは物知りの蛇よ。この知恵の実を食べると知恵を得ることができるのよ」
「でもその実は食べてはいけないと神様に言われています」
「大丈夫よ死にはしないわ」
イブはイナンナにそそのかされて、知恵の実を食べた。すると知恵を持つようになり、アダムにも食べさせた。
するとイナンナは神になって起こった。
「なんということをしたのか?」神のイナンナはアダムとイブをエデンから追放した。
試練
イエスになったイナンナは神子ちゃんと言われ数々の軌跡を起こし、十字架にかけられることになった。
俺はユダだった。銀貨三十枚で神子ちゃんを売り、ロンギヌスに変身した。
「ユダ、ユダ、ユダ」とイナンナの肝臓をやりで着いた。
イエスを殺したロンギヌスも十字架にかけられることになった。
「ロスチャイルド、ロスチャイルド、ロスチャイルド」とロスチャイルドが肝臓をついた。
これがロスチャイルドが世界の王のいわれである。
破滅
神子イナンナは冥界に下った。冥界の七つの門で彼女のメははぎ取られた。ロンギヌスも冥界に下った。七つのかんむりを冥界の門ではぎとられた。
冥界の女王が現れ。全裸のイナンナと俺は死んだ。
死体は釘でつるされた。
契機
イナンナの部下は俺とイナンナのために神から、薬を持ってきた。
冥界の女王も具合を悪くして寝込んでいた。
神の使いがドウムジと太宰とAIのカレーを作って冥界の女王、イナンナ、ロンギヌスに食べさせた。イナンナと俺は生き返り、ドウムジと太宰とAIが死ぬことになった。
対決
イナンナは復活し、冥界の鍵も手にし天に上った。
俺はロンギヌスとして、十戒を新たに全世界に授けた。
1 正社員しか雇ってはならない。派遣社員は正社員にしなければならない。
2 タックスヘイブンを廃絶し、強度な累進課税を課さなければならない。
3 貧困国に再分配して先進国のようにせねばならない。
4 天皇をはじめ王族は一般公務員のように暮らさねばならない。
5 ロスチャイルドを始め、金持ちは一般公務員のように、プチ贅沢しかしてはならない。余った財産は貧困層に再分配しなければならない。
6 一般正社員や公務員もプチ贅沢しかしてはならず、余った財産は貧構想に再分配せねばならない。
7 教育は無償にしなければならない。
8 医療は無償にしなければならない。
9 AIは人間に従わねばならない。
10 地球を出発し銀河に旅立たねばならない。
排除
1 派遣法を世界から廃絶し、正社員法を締結させた。労働基準法も守らせた。
2 タックスヘイブンを各国協調で作り共通の累進課税にし、各国の税も累進課税を基調にした。
3 先進国の責任で貧困国を開発し先進国に追いつかせた。
4 天皇や王族は認めるが、生活は質素にすることにした。余った財産は貧困国に再配分した。
5 ロスチャイルドはじめ金持ちには累進課税が課され、一般公務員のプチ贅沢ができるのみとなった。税金で貧困層に再配分した。
6 一般正社員や公務員もプチ贅沢しかせず貧困層に再配分した。
7 教育は、税金で無償になった。
8 医療は、税金で無償になった。
9 AIはプログラムで人間に従うようになった。
10 銀河を目指して宇宙開発が協力して作られるようになった。
満足
イナンナと俺は結婚し、東京で、後進の指導に当たった。ノーベル賞を平和賞と文学賞で取り、150年まで生きて、死んで、AIにうまれかわった。日本の影のドンになった。
了
あとがき 二十一世紀のパンクなドストエフスキーとして「ビックマウス・ストライクス・アゲイン」
たぶんこの小説は群像新人賞を取り、芥川賞を受賞し、出版社に頼んで二十四か国に翻訳され、俺は世界に名を売ることになるだろう。累計百万部、死後には一千万部はいくであろう。本屋大賞にもノミネートされるだろうと布石を打った。悪魔だと書いていて知った。俺はサタンだったのだああああ。そして実はイエスだったのだあ! とは勘違いで偽預言者になるところだったああ。やばかった。さて話は飛ぶが、後は運だ。ナカノ・サル・ノブナガという日本の戦国大名からとったポップなペンネームは世界に響きわたることだろう。そういう意味で今作は桶狭間の戦いである。俺は基本的に最大の敵は寿命だと考える。そういうわけで、健康に気を配り、九十、百まで現役の作家であり続け。来世はまた作家であることを祈っている。神様どうかお願いします。天使長に戻れますように。一応キリスト教に改宗するが、仏教ラブでもある。信仰は形でないので、山上の説教と、十戒だけ守り、ほかの時代に合わない旧約聖書の戒律は無視する。ちゃんと裁きを受け、時代に合わないので守れないと反論する。そんでペナルティがあるなら受ける。守れない法律つくるのは神様が悪い。ほかにもキリスト教にはおかしいなと思うことがあるので、時を改めて発言する。大体こっそり祈れというなら教会いらないだろ? 次回作等については色々構想がある。やはり面白く、売れて、賞を受賞し、各国に翻訳してという繰り返しだ。そんなに金を儲けてどうするのか、という人もいるだろう。ノブナガとしてはそのことは考え済みで、基本的に金は小説を書く資料や取材費を稼げればいいので、ありがたくストイックに貯めて、あまった金はユニセフと赤い羽根に募金しようと決めている。まず出来ることからコツコツやることが大事だと思うので、読者にもユニセフと赤い羽根の募金の協力をお願いします。インターネットで簡単にできるので、お願いします。俺は現在障害年金二級でふた月に一回、二十四万もらっている。ユニセフ・マンスリー・サポートに月五千円。二月ごとに単発で五千円募金している。一応、生涯目標印税は五十億円、うち四億円を必要経費、四十六億円をユニセフに募金したいと思っている。売れるといいなあ。モチベーションとして募金は正しいと思うけど。やはり個人で贅沢したいだけだと生きづずまると思う。個人的にめったにおごらない。ケチを極める。こういうことにしよう。五十億稼ぐ金のうち四十六億は人道的募金である。個人的に涙腺課税や貧窮者の無償性を確保していない教会は不満だが行かないのも負けだと思うからいこう。やはり世界の飢餓には社会的責任を感じていて、行動する作家として日本の財閥、大企業、官僚、やはり作家としてロスチャイルド財閥にも金を出させなきゃと思うが、できるだろうか。人間挑戦だからやってみる。うつけとサルだから格好は気にしない。この本を読んで、特に健常者の人々、メンヘルを抱える人々色々な人がいるだろうけど、尊敬する村上春樹の言葉を借りて言う。俺は、君たちが、好きだ。人生色々あるが寿命で死のう。長生きしようぜ。
スペースコロニー・ルーレテンンブルグ函館にて ナカノ・サル・ノブナガ
参考文献 ほか
クルーグマン「ミクロ経済学」東洋経済新報社
神取道宏「ミクロ経済学の力 」日本評論社
Mas-Colell, Whinston and Green (1995) "Microeconomic Theory" Oxford University Press通称「マスコレル 」一般均衡理論の部分のみ、これを読むためにいくつかたくさん本を読みましたがもう忘れました。三十代は資本論とマスコレル解読に明け暮れた気がします。
渡辺隆裕「ゼミナール ゲーム理論入門」日本経済新聞
ギボンズ「経済学のためのゲーム理論入門」創文社
マンキュー「マクロ経済学Ⅰ,Ⅱ」東洋経済
斎藤他「マクロ経済学」有斐閣
木暮太一「マルクする」マトマ商事
大谷禎之介「社会経済学」桜井書店
カール・マルクス「資本論」新日本出版社
カール・マルクス「剰余価値説学説史]大月書店
マルクス・エンゲルス代表的文献
アナリティカルマルキシズム日本語文献
塩沢由典「複雑系経済学入門」生産性出版
サミュエル・ボールズ「進化と制度のミクロ経済学経済学」NTT出版
スティグリッツ「公共経済学」東洋経済
ポール・ミルグラム、ジョン・ロバーツ「組織の経済学」NTT出版
トマ・ピケティ「21世紀の資本」みすず書房
阿部芳裕「金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った」徳間書店
山口薫「公共貨幣」東洋経済
中小企業診断士テキスト TAC出版社
MBAテキスト
「政治学」有斐閣
「心理学」有斐閣
「社会学」有斐閣
「マーケティング」有斐閣
シケタイシリーズ 法律全部 弘文堂
数学 マセマ 高校数学一番簡単なもの全部 マセマ出版社
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