@b-2
某日放課後、カーネリアンの輝きによく似た西陽が網膜をまぶしく刺す。
立ち入り禁止の屋上の、重い重い鉄の扉。
君はまるで導かれるように、吸い込まれるように、最も簡単に入っていく。
その鍵は、職員室からこっそりくすねたのだろう。
元々この学校は校則で屋上に立ち入ってはいけない。
それを知っているはずの君は、軽やかな足取りで扉の向こうへ進んでいく。
いけないことだと分かっていながら、慌てて後を追いかける。
じっとり湿度を含んだ風が不快感を伴い頬を撫でる。
もうすでに夏へと化している、7月下旬のことだった。
振り返った君が、諦めたように笑って何かを声に出す。
そして僕の手を取った。
もう一度と聞き返しても、答えてくれる気はないようだ。
そうして君は、フェンスの方へと進んでいく。
僕も抵抗できずに君についていく。
もしかしてそこから、なんて最悪の思考が脳裏をよぎる。
校舎の方へと走りたいのに、体がどうしても動かない。
「待って」なんて言っても、まるで君には届いていない。
いや、届いているのに無視されているのだろうか。
「」
ちっぽけなフェンスを軽々と飛び越した貴方は重力に逆らうことなく、
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