第38話 心配は解消される
「二日連続とは災難だったな」
「そうかも、でも本当に災難なのはそんな災難な目にあった本人達だよ……」
「普通は自分のこと考えると思うんだけど……」
「そう言えるところが凄いよ」
「オレは尊敬するぜ」
「中々言えるセリフじゃないよ……」
「「「うん、うん」」」
「そうだと良いんだけどね……」
「あ、休んだ分のノートなんだけど誰か写させてくれない?」
「もちろんいいぜ。でもこれからも風邪とかで休んでノート貸してくれって言い出しにくい奴とかいるだろ?」
「サーバーに教科別で画像をアップすれば何とかなると思う……作っておくよ」
「流石だぜ」
「頼りになるな」
僕達の会話を遮ったのは春姫さんだった。
「おはよう~」
鈴を転がしたような可愛らしい声が教室内に響き渡る。
「はよう」
誰ともなくみんなが春姫さんに挨拶を返すと、続いてみんなが挨拶を返す。
学校が始まって日も経っていないのにこのクラスのトップは春姫さんであると証明された瞬間だった。
今現在、春姫さんの威光とお零れでリア充モドキをしている僕とは全く違う太陽のような本物の輝きを放っている。
「
「お、おはよう」
「ホンさんもおはよう……」
「あれ? オリヴィアさんまだ来てないの?」
女子の一人が答えた。
「――そのことだけど……オリヴィアさん体力測定で足を痛めて病院に行ったんだよ。確か二人が早退したあと直ぐだったかな?」
「ありがとう
「ウチの病院紹介したから大丈夫だよ」
「商売っ気を出さないの!」
「良いでしょ? 別に迷惑かけてないんだし」
「ま、多少はね?」
随分と商売上手のようだ。
「おはよう~」
声のする方を振り向くと金髪碧眼の美少女がそこに居た。
そして僕は彼女に見覚えがあった。
「あ……」
美少女最後の一人オリヴィア・ゴティエなのだと直感的に理解できた。
そして僕の声に反応してゴティエさんの視線が僕の方を向いて交わった。
「「……」」
そして暫しの静寂は僕らの間に流れる。
男子ディスコだと【S級美少女】だの【Tier1】クラスだの言われている原因全員と、僅か二日間で縁を結んだことになる。
(どんな確率だよ……恋の神様仕事しすぎだろ……)
「――ゴティエさんおはよう。足の具合はどう?」
静寂を破ったのは
「大分よくなったわ。
「オッケー伝えとくね」
数日振りの美少女四人の集結に一部の男女は熱くなんているようで、こんな声が聞こえてきた。
「これだけの美少女が集まると絵になるよなぁ」
「日中韓そしてフランスの美少女が勢ぞろいとはなんともまあ豪勢ですな」
「まるでお子様ランチのようなそんな発想がいい……」
「だがこれだけの美少女が一同に会すると気圧されるな……」
と男子が続けて女子の方も。
「あそこまで可愛いと嫉妬する気もおきない」
「二番目に可愛い子になって手の届く花になる私の作戦があああ……」
「アンタそんな性格悪い作戦考えてたの? このクラスじゃ良くて五番目よ……」
「大丈夫まだ神七まで三人も枠があるから……」
「各落ち感ハンパないよ……」
「判っていたけどミスコン一年の部はこの四人で決まりね」
全く僕の周囲に彼女達が居るのは、場違いにも程がある。
「ねえ勇気、今日の晩御飯って誰が作るんだっけ?」
「今日は義母さんの帰りが早いっていってたから多分義母さんが作るんじゃないかな?」
「私の料理は食べたくないって言うの?」
「そんなことないよ。久しぶりに春姫さんの料理が食べたいな」
「春姫さんは料理が料理ができるの?」
ゴティエさんが意外とでも言いたげな表情を浮かべる。
「できるなんて大層なことはいえないけど」
「家庭的な料理が凄く美味しいんだ。イギリス料理はおいしくないけど……」
「仕方がないでしょ? レシピ通りに作るとああなるんだから」
「イギリス?」
「私のお母さんがイギリスと日本人とのハーフなのよ」
「なるほど……」
「もしかしてフランス人からするとイギリス人に思うところがあるとか?」
「そうね全くないとは言わないけれど……ハルヒメ個人に対してわたくしから特に思うところ特にないわ」
「そうなんだ」
「ホンさんや
二人とも顔を見合わせるとこう言った。
「ボクとしてはないね」
「あたしも特には……」
「よかった! 三人とも話して見ると親しみやすいんだね」
「わたくし達のことなんだと思ってますの?」
「ごめんごめん。やっぱり日本だとまだまだ外国人は少ないし日本語が通じないって思うと話しかけ辛いのよ」
「中国語は文法同じだから楽だけどね……日本語も偽中国語で何となく伝わるし……」
「日本人って英語苦手だもんね。ハングル読める人多いから何とかなるけど、韓国語は中国語ほどアドバンテージないからなぁ」
「幸いわたくし達は程度の差はあれど日本語と英語が話せますから意思疎通に問題はありませんわ」
「そうだねーこれからはより一層仲良くしようね」
こうして僕が懸念していた。
三人の問題は解決への一歩を踏み出した。
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