軍神VS死神

 織田軍の中には、ホホジロザメの姿もあった。信次が言った。

「あれは、ホホジロザメ!なんでこんなとこに居るんだ?」

「ホホジロザメがメガロドンの絶滅に関与したと言われているからだ」

 ホホジロザメたちが政虎の体に噛み付いた。

「御実城様!そいつらは、白い死神と呼ばれています!軍神とあだ名される御実城様とて、噛まれたらただではすみません!」

 政虎は、ホホジロザメに噛みついて殺した。

「なんともないではないか」

「メガロドンはシャチやホホジロザメに獲物のクジラを奪われて絶滅したという説があります!このままでは、御実城様は飢死してしまいます!」

「その際には、我の愛刀を信長を倒すのに使うが良い」

 信玄は、シャチと戦っていた。船の上から信景がこう言った。

「どう?私たちの時代で最強と言われているシャチの力は?海の頂点捕食者よ」

「頂点に居るのは、我らとて同じこと。戦国時代の頂点でもあり、海の頂点でもある」

 政虎は、ホホジロザメたちに噛み付かれたまま信玄のところにやってきた。

「我は、違うことを考えた。小田原の城は落とせなかったし、この巨大ザメは巨大クジラに食われることもあったらしい。それに、戦国の頂点は誰であったか、宿敵よ」

 両者は、シャチやホホジロザメに噛み付かれてだんだん弱っていった。

「信次、わしには食うものが無い」

「シャチの仕業です。シャチが獲物のクジラを奪ってしまったのです」

「我もだ。景満、お前が申していた通りだな」

「御実城様?」

「この巨大ザメは、シャチやホホジロザメに獲物を奪われて滅んだとか申しておったな。その通りだ。軍神とあだ名されていた我も、死神には敵わないのだ」

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