第2話 魂の双子

私の不愉快の原因、それは彼女である。

御手洗ミツキ。

私の魂の双子にして、クラスメイト。


神がこの大宇宙を創造した後の、最初の生命体として我々は造られた。

大魔王である私は宇宙の陰を表すものとして、彼女は陽を表すものとして。

御手洗ミツキは、宇宙の絶対的な陽の象徴、救世主である。


私とミツキとは誕生した瞬間から、激しく憎み合い、争い合ってきた。


だが今を去ること約46億年前、不毛な戦いにほとほと愛想の尽きた我々は、歴史的な和解をし、共にこの大宇宙を発展させるために共闘するという盟約を交わした。


そして、陰も陽も共に手を取り分かち合い、ありとしあらゆる生命が共存して栄えていくための実験場として、神はこの地球を造られた。


この地球の大転換期にあたり、救世主のミツキも地上に転生したのは必定である。


だが、本来先頭に立って地球を救うべく生まれたはずのミツキは、大きく道を踏み外してしまった。

「うふふふ、私って綺麗だわ」

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