第7話 エリザの秘密と新たな依頼

翌朝、松下真一、アルト、エリザの三人は宿屋で朝食を取りながら、これからの計画について話し合っていた。食事をしながら、エリザが持っていた古い地図や文書を広げ、洞窟の探索結果を確認していた。


「エリザ、これは一体何なんだい?随分と古い地図みたいだけど。」真一が興味深げに尋ねた。


エリザは少し微笑んでから、静かに話し始めた。「実は私、ただの冒険者じゃないの。王国の考古学者として、王国中の歴史に関わる遺物を探索し、その情報を収集する任務を受けているの。」


真一とアルトは驚きの表情を浮かべた。「考古学者だったのか。どうりで知識が豊富だと思ったよ。」アルトが感心しながら言った。


「ええ、そうなの。だから今回の洞窟調査も、王国からの依頼の一環だったの。でも、あなたたちの協力があってこそ、無事に調査を終えることができたわ。」エリザは感謝の意を込めて微笑んだ。


「なるほど、それであの古代の文書や地図に詳しかったんだね。」真一が納得した様子で言った。


エリザは頷きながら、真一に向き直った。「真一さん、あなたも王国のダンジョン認定士として正式に免許を取得しませんか?あなたの測量技術と知識は、王国にとって非常に価値があります。」


真一は少し考え込んでから答えた。「ダンジョン認定士の免許か…それは確かに興味深い話だね。でも、具体的にはどうすればいいの?」


エリザは詳しく説明し始めた。「まず、ギルドで正式な手続きを経て、王国の試験を受ける必要があります。試験は、これまでの実績や技術を評価するものです。あなたなら、きっと簡単に合格できるはずよ。」


アルトもその提案に賛成した。「それはいいアイデアだと思うよ、真一。君の技術が正式に認められることになるし、活動の幅も広がるだろう。」


真一は少し考え込んでから、決意を固めた。「分かった、やってみるよ。正式にダンジョン認定士の免許を取得するために、ギルドで手続きを始めよう。」


エリザは嬉しそうに微笑んだ。「よかった。私もできる限りサポートするわ。王国の試験は難しいけれど、あなたならきっと合格できる。」


その後、三人はギルドに向かい、真一のダンジョン認定士免許の手続きを開始した。ギルドの受付で、正式な書類を提出し、試験の日程を確認する。


「試験の日程は来週ですね。しっかり準備して臨みましょう。」エリザが真一に言った。


「そうだね。これからもよろしく頼むよ、エリザ。」真一は感謝の意を込めて言った。


「もちろん、一緒に頑張りましょう。」エリザは力強く頷いた。


その後も、三人は遺跡や洞窟の調査を続けながら、真一の試験に向けて準備を進めた。エリザの考古学者としての知識と経験、アルトの冒険者としてのスキル、そして真一の測量技術が融合し、彼らの冒険はますます充実したものとなっていった。


試験の日が近づくと、真一はさらに集中して準備を進めた。エリザとアルトも全力でサポートし、彼の成功を祈った。


「真一、君ならきっと大丈夫だよ。」アルトが励ましの言葉をかけた。


「ありがとう、アルト。君たちのサポートがあってこそ、ここまで来られたんだ。」真一は感謝の意を込めて答えた。


そして試験当日、真一はギルドの試験会場に向かった。試験は厳格な審査と実技が含まれていたが、真一は冷静に対応し、見事に合格を果たした。


「合格おめでとう、真一!」エリザとアルトが喜びの声を上げた。


「ありがとう。これからもみんなと一緒に頑張っていくよ。」真一は嬉しそうに答えた。


こうして、真一は正式に王国のダンジョン認定士として認められ、新たな冒険の扉が開かれた。エリザとアルトと共に、彼の冒険はこれからも続いていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る