pvpローグライク
とりあえず第二十一階層は突破できそうなぐらいには攻略法が判明し、ハイちゃんにオセロで死ぬほどボコされた翌日。
ハイちゃんに負けたのが悔しすぎたのか寝られなかったオメちゃんを引連れて、俺は今日こそ勝つと意気込んでいた。
エリートステージは結局のところ応用だ。
某うさぎの魔王のローグライクのようにキャラが弱いとかそういう話ではない。
知識を得て、それなりにプランを立てられるば勝てるはずである。
pvpローグライク。
やっていることはあれだな。バックパックビルドと同じ感じ。
まぁ、あれは自分の最強を押し付けるゲームなのだが、pvpではあるからね。
正確には違うのだが。
「そんなにくやしかったの?」
「■■■■!!(くやしかった!!)」
「目がギンギンだもんね。オメちゃん、夜更かしは身体に悪いから程々にね」
朝からモーちゃんにお願いしてオセロをやっていたオメちゃん。
モーちゃんはハイちゃんの相手を良くしている関係で、オセロが滅茶苦茶強いらしい。
しかし、エレノワールと遊ぶ時は手加減して激戦を演出するんだとか。
モーちゃんエレノワール大好きだからね。
異種間百合が発生するぐらいには、モーちゃんはエレノワールにベッタリだし、エレノワールもかなりもーちゃんを可愛がっている。
最近は教会関係で忙しくしているエレノワールを見て、“神は滅ぶべし!!”と言う思想を持ち始めているんだとか。
我が家にもいるんですけどね。別大陸の神様。
そんなモーちゃんは、自分にも出来ることがないのかと色々と画策中らしく、何やらコソコソ準備をしているそうだ。
モスの頭は人間よりもいい。力がない代わりに、知能を得た存在。
もしかしたら、モーちゃんもこっそり試練に挑み始めるなんてこともあるかもな。
で、大きくなって人型になってエレノワールと百合イチャイチャ?
いいぞもっとやれ。
俺個人としては、エレノワールには幸せになって欲しいしね。
過去を知れば知るほど、凄まじく苦労人だし、なんやかんや俺たちの保護者だし。
何回か間違えて母さんと呼んだ時は、すげぇウザかったけど。
そんなモーちゃんの活躍に期待しながらも、俺は選ぶ武器種を考えていた。
実は、今回の試練、あまりブリンクいらないんじゃないか説。
馬鹿みたいな機動力で相手を翻弄し、相手の攻撃を避け手反撃するような場面が結構少ない。
それよりは、どっしりと構えて相手の動きを最小限で避けつつ、とにかく隙を探すと言う動きが大事になってくる。
特に重要なのが通常攻撃。
殴る、蹴る、タックル、とにかくスキルを使わず、相手を翻弄するような方法が必要と思われる。
そこで、俺はちょっとピーキーな武器の組み合わせを選んでみることにした。
「今回は、銃と杖で行ってみるか。ガンカタスタイルで、銃持って突っ込んでみようぜ」
ブリンクがそこまで重要ではなく、必要なのは技術。
そして、殴る蹴るがやりやすく、なおかつ火力が稼ぎやすい。そして、これと言った強化も必要としない武器といえば、そう。我らがタイマンぶっ壊れ武器銃である。
動きを阻害しづらく、なおかつ引き金を引くだけでイージーゲーム。
リロードだけが怪しいが、これでも毎日練習して熟練の兵士ぐらいの速度は出せるようになっている。
走りながらでも可能にまではできるようになり、移動面でも困ることは無い。
で、一瞬ではじける爆発力。
強そうじゃん?第四の試練で試した時は即死したけど。
「やってみる価値はある。今回はこれで言ってみるか。ブリンクが便利すぎたから、それに頼りまくっているのはあるしね」
「■■■■?(びゅんびゅん、しない?)」
「しない。今回は、走って殴ってバンバンバンだよ」
銃のスキルをおさらいするとこんな感じ。
───────
拳銃
スキル1 ダブルバレット
消費魔力極小
クールタイム小
2発の弾丸を素早く(ほぼ同時に)放つ。
スキル2 トリプルバレット
消費魔力極小
クールタイム中
3発の弾丸を素早く(ほぼ同時に)放つ。
スキル3 クイックリロード
消費魔力中
クールタイム大
素早くリロードする。
スキル4 フルバレットファイア
消費魔力大
クールタイム極大
全ての弾丸を素早く(ほぼ同時に)撃ち尽くす。
─────
これと最近お気に入りの雷水雷水の魔法構成で行ってみようと思う。
サンダーボール、アクアランス、サンダーボルト、タイダルウェーブだね。
「最近はカードばかりだったし、外じゃ使えないしでこいつを握るのも久々だな。ガンカタは見た事ないけど、それっぽい動きは真似できるでしょ」
「■■■■!!(れっつごー!!)」
「レッツゴー!!」
こうして、俺は第二十一階層の攻略を目指して進み始める。
とりあえずここをクリアしないと先に進めないのだ。そろそろ通してもらおうか。
──────
というわけでやって来ましたは第二十一階層第一ステージ、ピエロ。
今回はメイン杖、サブ銃で、最初に選択したオーブは詠唱短縮とクールタイム減少である。
多分ね。今回の試練、今までのスキルゴリ押しだと勝てないんだよね。
それそおうの技術を求めてくる試練だと俺は思っている。
足りない部分を試練として出して来て、強制的にその人の強さを引き出させようとするだなんて、さすがは塔先輩っす!!出来れば死んで欲しいっす!!(ストレート)
まじで、簡単にクリアさせてくれないじゃん。
で、第六の試練はそれら全てを総合したステージなんだろ?俺知ってるよ。
さて、そんなステージにやってきた訳だが、相変わらずの濃霧である。
俺は昨日クリアできたように周囲にアンテナを張り巡らせながら、ゆっくりと霧の中を歩き始めた。
必要なのは、緩急つけた気配への対応。
俺ならできる。I can do it!!
「───」
「そこ」
ぞわりと、背後に嫌な気配。しかも、足元に擦り寄る気配だ。
俺は銃の引き金を後ろもみずに引くと、パァン!!と炸裂音が鳴り響く。
狙いは俺の後方にある足元。
こいつらは後ろから襲うにしても、かなり多彩なパターンで攻めてくるのはわかっている。
嫌な気配を鋭敏に感じなければ、正確な位置は掴めないのだ。
パァン!!とはじける音。
風船が割れた。やはり、足元を狙ってたな?
俺は素早く振り返るとそこにはピエロの姿が。
おいコラ、昨日お前の集団に襲われる夢を見たんじゃこちらは。その代償は払ってもらうぞ。
「シッ!!」
姿を見られた為に俺から離れようとするピエロ。俺はそれを逃すはずもなく、銃を持った手で思いっきりピエロの顔面をぶん殴る。
パァン!!
これで残り3。俺は振りぬいた勢いをそのままに、回し蹴りを炸裂させる。
「死ねぇ!!」
「────!!」
しかし、それはハズレ。
身長が小さい、つまり足が短い。
今この瞬間ほど自分の足の長さを疎ましく思ったこともない。
くそっ!!俺も身長190ぐらいあったら!!
でもそれだと、バーバラに嫌われちゃうから無理!!
「タダでは逃がさんぞ。ダブルバレット!!」
ダダン!!と2発の銃声を打ち込むと、またしてもパァン!!と音が聞こえる。
ん?ダブルバレットはほぼ同時に打ち込むのであって、どうじにこうげきしているわけではない。
ってことは、スキルの攻撃は1とカウントされているのか、それとも風船が弾けた後に無敵時間があるな。
「厄介な性能しやがって。だが、残り二回だ。ぶち殺してやるよ」
俺はそう言うと、銃をリロードする。
腰に着いたリボルバー専用のマガジンを使って即座にリロード。
この隙を狙って来たところを返り討ちにしてやろうかとか思ったが、流石にそこまで馬鹿では無いようだ。
「この霧の中で撃ち抜けたらもっと楽なんだけどな」
俺はまだそこまで気配察知ができる訳じゃない。ここは要訓練だな。
俺はそう思いながら、静かにピエロを待つのであった。
後書き
pvp(圧倒的不利を背負って)
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