第3話

毎日が楽しい。


康介は幸せだ。彼女と7年も続いているのだから。

そのためか、とても人に対して気が使えたり、良く物事に気が付く。

「ひで、最近ずっと機嫌がいいな」

それもそのはずだ


五月雨が明けた時、心が軽くなるのはごく自然のことだろう。

ずっと前からの失敗を引きずり、雨で歩きにくい道をあるいていると、またそこを歩くと考えるだけで気分が想い。ただその道が何もない道であれば歩きやすい。

なんなら自分で歩いて道を自分好みに変えることができるであろう。

そんな僕はこの恋がうまくいった未来を創造しかできていない幸せな人間だった。


なにか話したい、はなしたい。どうすることが一番良いんだ?


はじめての授業でみんなわからない問題で苦戦していた。

案の定僕もわからない、

「プログラミングなんて知識ない。」

ただ、仲良くなった康介は高校時代プログラミングを勉強していた。

そのため、教えてもらう事ができた。そのおかげで僕は早く終えた。


「わからない、」

話しかけようとした瞬間、急に前回失敗したことを思い出した。

ただ、前回失敗した時に友達として、話始めるのにいつ話しかけたって変わることはないだろう?

そう思ってグループが同じ海に話しかけに行くふりをして、さりげなく話そうとした。

「この問題わかる?」

「まだわからないんだよね~」

そう、海は答えた。そして、目線の先にはなごみがいた。

「なごみさんはわかる~?」

そう聞いた。そしたら、びっくりしたのか目が猫のように開いていた。

「すみません、わからないです。」

「そうですよね~、答えならわかるんでいつでもきいてください!」

これでは単なるできる自慢をしに来た嫌味なやつだ。


結果的には成績は最高評価をいただけたのだ。

「康介さん!あなたのおかげです。昼飯おごりますよ!」

ひでは悪い顔をしていた。

康介は微笑んで答えた。やはり彼は、自立した大人だ。

僕の周りは自分が使われたと感じた時に必ず怒るやつがいる。

それに比べて康介はなんて寛容なんだ。


そんな時にどうしてもなごみ達に声をかけたのを思い出してしまう。


席に戻る途中で少し驚いたと笑われているのがきこえる。

「これはミスった。完璧に気持ち悪がられた。」


自分の趣味であるアイドルの追いかけにでも行って気を紛らわそう。

そう、ひでは大のアイドル好きである。

それが100%理由でふられてはいないが、少なからずあるのではないかと考えていた。

「よし、アイドルでも追っかけて忘れよう」

そう、こんな生き方をしているからモテない。



そうだろうか?

アイドルを追いかけていたって彼女がいる人間は山ほどいる。

「変わろう」

そうきめた。何から変わろうと考え、

早くも三か月……


僕はライブのため授業を休み、アイドルのライブで大阪に行った。

何気人生初のライブであった。一人で緊張を隠せない。

7年も追いかけていながら初めてのライブなのだ。


プルルルル……プルルルル…

こんな日に誰からだろうか。海からの着信であった。

今日はグループの発表が行われる日であったため、リーダーである僕の欠席で代わりに発表をしてくれていたのだ。


「やっほー、ライブ前楽しんでる~?」

少し嫌味にも聞こえる笑みと純粋に人の好さからの気遣いをかねての電話であった。

隣からなにかぼそぼそ声が聞こえる。なにか聞き覚えのある声である。

「それって人気アイドルグループだよね~?」

海が電話の向こう側で尋ねている声が聞こえた。


尋ねた相手はなごみであった。

「やばい、オタクであることがばれてしまった。どう思われるんだろう」


「私もそのグループの姉妹グループ好きなんだよね~」

一瞬でこんなに偶然が重なる物なのかと自分の運にほれぼれしていた。


「今度話しましょう!」

この前笑われたことなど忘れていた。それくらい今の僕は自分を理解していなく、

頭がおかしいくらいにその子を好きになっていたんだと感じた。

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