第17話 取得しました。
昇化したけどやることが全く変わりません、おはようございます。
若齢幼虫ってこんなにやることないの、ってくらい、やることがない。食っちゃ寝して一日が終わる……。
【私との語らいは?】
お喋りは楽しいけど、声に出してないし、アンナさんに実体がないから、早くちゃんとお喋りしたいな、って。
【その件なのですが】
うん?
【ある程度の生命核が貯まりまして】
おお! ついに召喚の★が伸ばせるんだね!
【私としてもすぐに天羽様の御前に馳せ参じたいのですが】
どうしたの? 何か歯切れ悪いね?
【召喚の★は勿論のこと伸ばしたいのですが、その前に結界魔法を取得していただきたい、と】
……ああ、また数日後には昇化して四齢幼虫になって、そしたらすぐに五齢幼虫だからね。
【はい。今から取得し、常時使用することによって少しでも強い結界を使えるようになっていただきたく】
寄生虫対策は必要だと思うけど、そこまで強い敵がいるの?
【前回の探索結果を基にしますと倒せない程に強力な敵性生物は近くにいませんが如何せん、数で来られると対処に不安要素が出てきますので】
アリとかハチとか、ね。基本が集団だからそれは仕方ないけど、集られるのも嫌だなぁ、捕食とか寄生とかされるって分かってるから余計に。
【私以外の何者かに天羽様が触れられると思うと……!!】
また不穏な気配が頭上に……。
【……お見苦しいところをお見せしました】
見えてないけど気配が凄いよ、ボクの頭の上だけ雷雲が立ち込めてるような感じ。
でもまぁ、うん、結界は取得する。アンナさん、お願い。
【権限干渉中、結界 を取得します】
生命核はアンナさんが保存してたから、何かがボクに注ぎ込まれる感覚しかない。その何かが結界の魔法とその使い方なんだと思う。脳に直接的に情報を入れられるってこういう感覚なのかなぁ、虫の脳味噌が小さ過ぎて身体全体になりかけてそうな感じ。
【結界 魔法の取得が完了しました】
治癒魔法と同じ要領で発動してみる。ボクの周囲数センチに薄い膜みたいなものが出てきた。
ねぇ、これってボクとアンナさん以外に視認される?
【解析中──、結果を表示します。使用者とその眷属以外には視認されません。使役対象は眷属に含まれます】
じゃあ何かぶつかって来たら、相手は妙なところで弾かれるまで気づかないわけだ。
【検索中──、結果を表示します。魔力感知が可能な個体には認識されます。その認識が視認か他の感覚かは個体によります】
ボクも魔力感知欲しい。
【結界の取得により生命核が消費されましたので、また貯める必要があります】
……そろそろアリだけじゃ足りないかな?
【その頃合いかもしれません】
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