第69話 森の中で一夜を過ごし……

■辺境近くの森


 ドラゴーレムが倉庫の残骸から作られていたのが助かり、俺達は崩れたドラゴーレムを使って火をおこす。

 森の恵みに、猪を狩ったりとできたので食料も問題なかった。

 すでに日は沈んでおり、空には綺麗な月と星が輝いている。

 

「無事に不時着……なんていうのはアレだが、助かったのは事実だな」


 ただ、問題あるとすればテントの毛布もないことだ。


「夜が冷えそうだからな……お前らは身を寄せ合って寝ろよ。特にレイナはしっかり休んでおいてくれよ」

「うーん、そこまで気ぃ使うて貰わなくてもと思うんやけど……あんがとな♪」

「レティシア、辺境伯領までどのくらいかわかるか?」

「今は暗いからわかりづらいけど、不時着する前にカルナック城と城壁が見えから、明朝から歩いていけばお昼頃にはつけると思うわ」

「じゃあ、なおさら休めるときに休まないとな……俺が見張りするから、寝とけよ」


 俺は食事を終え、焚火を管理をしながら、全員に指示をだす。

 冒険者を5年も続けていると、トラブルへの対処もお手の物だ。

 まぁ、ここまで女だらけのパーティを5年も手を出すことなく過ごせたのは褒めてほしい。

 先日何かあった気がするが、俺から手を出してないのでノーカンだ、ノーカン。


「ジュリ坊一人だけじゃ心配ニャからアチシが一緒に見張りするニャ!」

「リサだけ……いや、約束だからここは引いてやるのだ」

「姉上が……自ら身を引く、だと!?」


 リサがしゅばっと手を上げて自己主張をしてきたので、セリーヌとひと悶着あるかと思ったら、おとなしく引き下がった。

 妹のゼノヴィアが心配する通り、我侭を言わないセリーヌは珍しい。

 レティシア、レイナ、エリカ、セリーヌ、ゼノヴィアの5人はドラゴーレムの残骸を固めて風よけにしいるところへ身を寄せ合って眠りにはいった。

 俺とリサはそこから離れた場所で焚火をしながら、モンスターや追っ手を警戒する。

 パチパチという火の燃える音とフクロウの鳴き声だけが聞こえる夜だ。

 むにゅんとした柔らかいものが背中に当たる。

 背後からリサが抱き着いてきたのだ。


「動きづらいぞ……」

「身を寄せあって温まれと言ったのはジュリ坊ニャ♪」

「確かに、それを言われるとグウの音もでねぇ……」


 ため息をついて、そのままにさせるが……先日のセリーヌとアレがあったせいか俺のオレが元気になってくる。

 確かにさ、15歳になって大人という扱いになったから、”あーいうこと”をしたいと思っていたが、それは娼館とかでだ。

 パーティメンバーに手を出すのは付き合いが長かった分、家族のように感じてやりづらい。

 前世でよく読んでいたハーレムラノベや、マンガの主人公たちは良く手を出せるなと思うが、それは大人になってから出会っているからだと勝手に自己完結した。

 しばらく、なんてことのない雑談で時間が過ぎる。

 リサとこうしてゆっくり話すなんていつぶりだろうな。


「ジュリ坊、昨日はお愉しみだったニャね?」

「ぶっ!」

 

 後ろから首を出して俺の横顔を覗くリサの言葉に思わす吹き出す。

 な、なぜ知っている、ライ〇ン!?


「うんうん、アチシの采配がよかったということにゃね」

「テメェが原因かー! 酒がそこそこ強いと思っていた俺が酔ったのもなんか仕込みやがったな!?」


 記憶のない初体験を作った原因に対して、俺は怒った。

 多分、ここ数年間で初めてこれほど怒ったかもしれない。


「ごめんにゃ、でも、謝っても許してくれにゃいよにゃ?」

「そりゃ、普通の謝罪じゃ、俺は納得しないぞ?」


 そういうと、リサが離れガチャガチャとベルトをはずす音などが聞こえて来た。

 このパターンって……マジなのか?


「あー、約束って……今日はリサの番っていうことか?」

「うふふー。当たりニャ♪ 謝罪だけじゃ、足りないニャ……アチシを好きにするといいニャ♡」

「んな、エロ本のような……」

「ああー、全部脱いじゃったから、このままだと風邪ひいちゃうニャー」


 ここまで言われたら、俺も覚悟を決める。

 記憶のない初体験の責任を取ってもらうとしよう。

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