第26話 一日頑張ろう?

 気持ち良く、グッスリと寝れた蓮華は大きく伸びて、辺りを見回す。



 ん〜……。良く寝たー。

 さてっと……。今日は、先ずは御供物のおにぎりを皆で作って。それから、朝ごはん?何に仕様……。御供物と同じおにぎり?でも……それだと、皆にはきっと足りないから…。



「ニャー……。マスター、おはようニャ!!」

「マスター…、おはようナノー……」

「うん。ヒスイとルリおはよう」


 誰に似たのかまだ寝ぼけている様で、ヒスイとルリが目を擦りながら蓮華に挨拶をし。蓮華はそんな二人の事を微笑みながら、頭を撫でて挨拶を返す。


 モソモソと動き始めた蓮華達に気が付いた、ユイ・トワ・ベルが挨拶をして。それからトイレの隣の扉を指で指しながら、「取り敢えず行けば、分かりますから」と言うので従う事にした蓮華達。



「………………」

「昨日入ったお風呂よりは小さいのニャー」

「でも……、一般のお風呂よりは大きいと思うノー」



 昨日、開けて直ぐに閉めたセバスの気持ちが良く分かったよ。うん。


 トンネルを~……。じゃなくて、扉を開けたら~……そこは……、二つの洗面化粧台が在る。洗面化粧台の横を見れば大き目な扉が、開けて見るとタオル等が入れられるタンスや棚等が在った。そしてお風呂場の方には、脱衣を置いておく棚と籠が置いてあった。


 うん。ここまでは……まあ…良いとして。多分、恐れく……、お風呂だと思うこの扉を……開けて……。って、ヒスイ!まだ、私!心の準備が!



「……開けちゃった……。ーーーで…、やっぱり。広いよね……、お風呂も……」

「ニャー!!凄いニャーー!!」

「広いノーー!!マスター!!入りたいノーー!!」



 ヒスイとルリのニコニコ笑顔に、現実逃避も兼ねて私達はお風呂に入ることにしたマル………。




「ハァ〜〜〜………。今日は、昨日みたいにならない様に気を付けよう………」

「ニャ!?そうニャ!マスター、寝たらダメニャ!!」

「そうナノ!!後、ちゃんと乾かして、洋服を着るノー!!」


 等とワイワイ騒ぎながらお風呂に入り、フレイ達が居るリビングに行った。




 ◇◇◇◇◇


「皆、おはよ〜!」

「「おはよニャー/ナノー」」


 フレイとイデアは、ユイとトワと何かを書きながらソファーに座っていた。残りのセバス達は、朝ごはんの準備をしていた。


 蓮華達の挨拶に皆がそれぞれ返す。


 セバス達の邪魔をしたらあれなので、蓮華達はフレイ達の方に行く。


「ああ。おはよう」

「おはようございます。今、フレイさん達と今日の予定を少し話していたのですが………」


 ユイに今日の予定と言われて、蓮華達は首を傾げる。


「今日の予定?皆で御供物のおにぎりを作る?」

「イヤ…。流石に、おにぎり作りに一日はかからないだろ」

「マスター。ワタシ達が御供物用もお米を炊いておきましたから」

「「うっ/んっ!!」」


 ベルとロンのドヤ顔で蓮華達にアピールして来て。蓮華は二人が可愛かったので顔を緩めるが、ヒスイとルリが雷に打たれた様な顔をして固まる。


 あれ?っと思いながら、固まってしまった二人をフレイとイデアの膝の上に乗せた。


 蓮華はそれで?っとフレイ達に話し掛ける。


「取り敢えず、セバス達に準備して貰っている、御供物用のおにぎりを作ってから」

「ワタシ達の朝ごはんの分を作ろうかと、思っているんですが……」

「ん~……。皆の食べる量を考えると……。足りるの?」


 フレイとユイの言葉を聞いて、蓮華は昨日の皆が食べた量を思い出して聞いたが。蓮華の問いかけに、一斉に視線どころか身体ごと皆が逸らし、無言になる。


「イヤ……、そんな反応されても……。朝ごはんの時に魔石を食べたら……、少しは違うかもだし……。ショップで何かおかずを買えば良いでしょ?」


 そう言いながら蓮華が食用魔石製造機…“セキ君”を出し、ガラガラを回しだす。


 昨日の事があって蓮華は恐る恐るだったが少し回すと、昨日とは違うと分かってからは、スピードを上げて回し始めた。


「楽!?昨日のが嘘みたいに楽!!セバス達おにぎりの具は?」

「定番の物は大体揃えましたが?他に何か用意しますか?」

「最初だしそれで良いかな。ロンに卵焼きとお味噌汁の準備をお願いしてくれない?」

「ん!!」


 ロンにも聞こえていたみたいで、任せて!!と言う様に返事が聞こえて来た。


 蓮華はその返事を聞き、回していたセキ君から手を離し、まだ固まったままのヒスイとルリの身体を揺すり。


「ヒスイとルリ?そろそろ起きようか?二人共、イデアと一緒にセバス達の手伝いして来てくれる?」


 キョットンとした目を蓮華に向けるヒスイとルリに、おにぎりの他に卵焼きとお味噌汁を作ろうと思って。と二人に説明すると、パァーー!!と顔を輝かせてイデアの手を掴んで、走って行ってしまった。


「人手が~あった方が良いと思うんで~、私も行って来ますね~」


 と、言いのんびりと三人の後を着いて行くトワ。



 それから私とフレイ達は御供物を捧げた後、朝ご飯を食べ。畑に行こうと話し植える種を選び、ショップでさっさと買い。


 ヒスイ達の元に急いだ。




 ◇◇◇◇◇



「で、御供物の分と朝ご飯分……作り終わったかな?」

「「「「「はい!!ニャー/ナノー!!」」」」」

「かなり……作ったな…」

「フフ。山盛りですね」



 いや~……。ヒスイとルリ達とお米が熱くて騒ぎながら作ったよ。皆、可愛くて癒されたよ~。カメラが欲しかったけど…御供物だから、私もちゃんとしないといけなかったし。だから、サボってないからね!!


 あ!!それから、ユイとトワが何時の間にかおいなりさんも作ってたよ。で、今は鳥居をくっぐて隣の棟?部屋?の拝殿?まぁ、神社とかでお祓いをして貰う所に来てるよ。


 それで、ヒスイ達年下組がユイとトワの手伝いをしてるの。見てて可愛いし癒されて……、って!?フレイ?何でデジカメ何て持ってるの?えッ?買った?何時?もしかして……、さっきのおにぎりを作ってる所何かも……?ーーーん。後でプリンターも良いのを買おうね!!



 コソコソと蓮華達が話していると、イデアを真ん中にしてヒスイとルリが手を繋ぎながら、近づいて来た。


「マスター?」

「兄さん?」

「準備出来たのニャー?」


 三人はそう言いながら、可愛らしく顔を傾けて蓮華達を見る。


「今行くよ~!!」


 蓮華達がヒスイ達の所に着き。


 ユイから二礼二拍手一礼して下さいと言われたので、皆でそろえた様にする。


 すると、御供物が消えて代わりに『空白のスキルカード』と書かれたカードが十枚置いてあった。


「……………………………」

「あ!?コレ!?欲しいスキルを書けば、ある程度のモノが習得出来るんですよ~」

「良かったですね?蓮華さん」

「ソレは……、アレか?このままだと、マスターはガチャではスキルが当たらないと…………」

「シッ!?」

「フレイ!?ソレは思っても言ったらダメナノ~~!?」


 ユイとトワは励ますような、慰める様な口調で言い。フレイは思わず言葉にしてしまい、ルリとヒスイに止められて……?本人達は真剣に止めている様だった。


 他のイデア達は少し後ろで、口に手を当てて声を出さない様にしている。



 え~~っと?コレって、本当にフレイの言っている事で……?本当に?

 所で……御供物したら……、コレは皆……貰えないの……か~。そうなんだ~……。

 ユイとトワ?皆が貰ってないモノを貰っても……喜べないからね?


「明日も今日位かもっと御供物しよ……。皆、大変かもしれないけど……手伝って貰える?」

「「任せてニャー/ナノー」」

「「うっ/んっ!!」」


 ポンッ!?とドヤ顔で胸を叩いて、笑顔を蓮華に向けるヒスイとルリ。ベルとロンは笑顔で任せて!?と言うかの様に声を出す。


 フレイ達も深く頷き、真剣な顔をして蓮華を見ていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る